2008年10月
2008年10月30日
下北沢Ｘ物語（1198）〜武蔵野鉄道キャッチコピー闘争（下）〜
京王電車、武蔵野鉄道、それぞれに客寄せの名言を枕に振った後に、つぎに内容に触れていく。これらを読むと大正時代の緑豊かな沿線風景が鮮やかに浮かんでくる。
国府の遺址を初めとし、六所明神、大欅並木、巨刹高安寺、国分寺遺跡、
谷保天神の展望、恋ヶ窪の情話、玉川の勝、調布の里を探り、立川原、
分倍河原、人見の古戦場に中古の武蔵武士の夢の跡をしのび、小金井の
桜花と上水道に徳川の善政を懐ひ、近くは井の頭の新公園、古刹深大寺に
有史以前よりの遺跡と史実を尋ね、又武国府園、吉田園、岩本園、大山園に
一つの清遊を為すも興深しとせずや。
なるほど京王電車沿線は古寺古刹が甍を並べている古代ゴールデンルートだったかと改めて思ったことだ。そしてまた、ここでの地名列挙は、詩である。「国分寺、谷保、恋ヶ窪、玉川、調布、立川原、分倍河原」、味のある地名ばかりである。
「ナゾとしての地名」（塚本邦雄）に「地図帳の地名索引を読んでいると楽しくて、すぐに二三時間たってしまう」とあった。そうだ、そうだとこれに共感したことだ。かつて時刻表の駅名だけを読んで楽しんでいたことがあった。それを思い出した。ところが、今は当世風の名前に駅名がどんどん変えられている。時刻表から次第に詩語がなくなりつつある。
それにしても京王電車の沿線には響きのいい地名が多い。「つぎは、ぶばいがわら、ぶばいがわら‥‥」と言われるとつい窓の外を眺めたくなる。この字音も不思議だ、これは分梅とも書かれるようだ。分倍河原のススキの波に金波銀波の光が注ぐ‥‥
つぎのは武蔵野鉄道である。
伝説に富む石神井、三宝寺の池畔には有史以前より中古に至る道跡を訪ふべく、所
沢は武蔵野の中央を占め、近郊の史蹟を探り、現代の権威たる飛行場に時の推移を眼
のあたりに見るも又興深からむ。
狭山は武蔵野の核心にして、名勝、遺蹟茲に集る。八国山の眺望を初めとし、将軍塚
荒畑の富士、山口観世音、北野物部神社、勝楽寺、箱の池等あり。連丘の松林は
新春の彩をなし一日の行楽地として他に其比あるものを知らず。
遠くは飯能町に天覧山の勝を訪ひ、山頂より武蔵野を総覧するを得べく、又名栗川
の奇勝、高麗郷に武蔵野開拓の火を探るを得べし。
2008年10月29日
下北沢Ｘ物語（1197）〜武蔵野鉄道キャッチコピー闘争（上）〜
国木田独歩は、東京という都の西から北にかけて広がる自然を言葉で切り開いた。「武蔵野」という世界である。その詩心にあたかも呼応するように鉄道会社が、そこに新しく線路を敷設した。そして、その武蔵野への散歩を誘う殺し文句を苦心して創った。往時鉄道会社の宣伝担当も詩心を持っていた。文学フレーズを工夫して大正時代の市民に詩情武蔵野路線をアピールした。
武蔵野を行く鉄道、どちらが武蔵野らしいか、その文言闘争に出会って、深い興味を覚えた。その闘いは、京王電車と、武蔵野鉄道である。現在の京王電鉄と西武鉄道との客寄せの謳い文句の闘い、言葉による魅力のアピール合戦である。
大正八年三月発行の雑誌「武蔵野」の広告欄でこの二つの鉄道が激しくぶつかりあっていた。文章に描かれた武蔵野の鉄路である。
文章は景色を映し出す鏡でもある、そればかりか電車のスピードをも字面に浮かび上がらせてもいる。電車文化が今とは異なる。電車は現在のように通過ではなくて窓辺の経過だったことがはっきりとわかる。
これら二社の謳い文句を読むと、今とは異なる古色を帯びた沿線の風景が文言から浮かび上がってくる。かったん、こととん、と、鉄路の継ぎ目をのどかに踏んでいく音さえも聞こえてくる。
まず、「京王電車」からである。武蔵野への旅をつぎのように述べては誘っている。
京王電車は西部武蔵野を／横断して東の帝都を、千／八百年前の国府、府中へ／連続する唯一の鎖錀であ／る
新都、帝都と古代都、府中とを結ぶ路線という打ち出しは味わい深い。「連続する唯一の鎖錀（さりん）」という謳い文句もふるっている。金偏に旁は侖である。おりんを鳴らす「りん」のようだ。すると鎖状に繋がった線から響きのよい透き通った音が聞こえてくる。その時代に自身がいたわけではないが懐かしい電車の走行音が聞こえてくる。
2008年10月27日
下北沢Ｘ物語（1196）〜荏原ダイダラボッチ巡礼行１０〜
言葉は形を示す約束事である。ダイダラボッチも名称を与えることによってその形が想起された。「常陸国風土記」では、その具体的な形が説明されている。「大櫛の岡」の形成伝説である。かつて、大きな男がいて、丘の上に立ったまま、自分の手をのばして、海辺の砂浜の大蛤をほじって次々に食べた。その貝殻の残骸が積もり積もって丘ができたと言う。その大男の足跡の長さは四十歩以上で、幅は二十歩以上であった。その小便の跡の穴は、直径二十歩以上あったという。
物事がどのようにできるのかという説明でもある。巨大な生き物の存在を想定し、それがことをなした。この茨城のローカルな話は、神話の核にも関わることである。いわゆる国産みである。つまり、巨人を想定して、それがことをなし、もちろん、それはまぐわい、性行を含めてのことである、その結果列島が形成された。この巨人を想像しての形づくりは、古事記以前の口承の説話に関わることではないだろうか。北方民族がもたらした巨人伝説、ダイダラボッチがもとになっているのかもしれない。
柳田国男が訪れた駒沢村のダイダラボッチ、それはどこだったのだろうか。一帯を何度も訪れては、腰をかがめて見たり、路地を覗いてみたりした。土地の傾斜や水路を確認するためのものである。その上で、弟三のダイダラボッチは清水丸弁財天のあったところのようだと思うようになった。
ダイダラボッチ巡礼行は地形を眺める旅でもある。都市化していることを想像に加えてもなお、その痕跡は今の地形の中に見ることができる。そうしたこと、つまり、具体的には大田、目黒、世田谷の伝ダイダラボッチとされるところを巡って思ったことはつぎのことである。ダイダラボッチの足跡は特殊なものではないということである。窪は至る所にある。が、伝ダイダラボッチとされている箇所は地形的に足形が納得できる地点であった。そういうことからして、池のあった窪地で、足跡と想定されるところは、至る所で巨人伝説の口碑があったように思われる。それが土地を耕す農民に伝わっていたのではないかと思ったことだった。清水丸弁財天のあったところが足跡であったとしても、それは特別なものではなかったと思う。
2008年10月26日
下北沢Ｘ物語（1195）〜荏原ダイダラボッチ巡礼行９〜
ダイダラボッチは土に根ざした口碑である。地域の谷間にこっそりと隠れ潜む文化である。土俗性を帯びたこれは地域が都市化することによって、その痕跡すらも失われつつある。が、たかだか四、五十年前は、随所に狐狸が住んでいた。沼があり、池もあった。人の記憶に、書物の記録に、あるいは現在の地形に何かの痕跡は残っているものである。その微かな面影をたよりにダイダラボッチを巡礼していく興深さがある。
雨中夢中で弁天を探し回った。水の神様探しは雨の中を行くに限る。都市化して失われた水路も雨水の流れが教えてくれる。その甲斐あって、ようやっと弁天様にたどりついた。いきさつとしては、神がましますこのあたりに池があった。そこに弁財天が祀られていた。郷土誌にはつぎのように記録されている。
○清水丸弁財天
ここは笹丸田甫の水源をなし、小さい細長い池であった。大きな亀がいたが、これは池の主にちがいないと言われていた。戦後この池を埋め弁天様を移転した時、その亀が横山鎮之助宅にあらわれたので、酒を呑ませ、碑文谷公園の池に放したとの事である。現在も「ツゲ」の古木がある。三百年以上を経ていると言われている。
「下馬史」（著者：高橋信次郎）昭和６２年刊）
経験的に分かることだがこの古木の存在は大事である。その水源が長く大切にされてきたことの証しであろう。「原の清水」の側の千年杉も意味のあるものだと理解している。
「下馬史」の弁財天の説明には図がついていて、「清水丸池明治初期絵図」の一部が掲載されている。そこには「細長い池」が確かに見られる。もちろん今はなにもない。ただわずかに土地の傾斜に面影が残っている。当該番地のお宅の西南北が傾斜している。はす向かいに細い水路跡があって、それがまっすぐに東に伸びている。
2008年10月24日
下北沢Ｘ物語（1194）〜荏原ダイダラボッチ巡礼行８〜
我々は言い伝え、伝説、口碑から遠ざかった生活をしている。土地に住んではいるが、土地の謂われを知らないで生きている。場合によっては、地表の土地よりもネット上の虚構空間の方に軸足を置いている場合もある。地に足をつけない、土地に根を下ろさない生活を営んでいる。土地の文化は次第に希薄化して今や消えつつある。
ダイダラボッチ伝説は土臭い伝承である。太古の昔から伝えられている口碑である。異国語、ということから、この伝説は有史以前に遡っていく。土と水と神の物語である。
我々の歴史の根源にまで遡るのがダイダラボッチ伝説である。民族学者は心ときめかせてこの巨人の足跡を訪ね、巡礼している。ダイダラボッチの跡を巡っていって足跡らしきところに立つと、ダイダラボッチが身近に感じられる。ダイダラボッチは、はまり込むとはまってしまう。つい熱中してしまう。
柳田国男が訪ねた弟三のダイダラボッチである。「東南へなお七八町も隔てた雑木林のあいだ」である。東南という方向は、野沢の鶴が窪を基準に考えられているはずだ。とするとそれを地図に当てはめて考えると、かつての学芸大学跡、今の学芸大学附属高等学校、放送大学世田谷学習センターのある方向となる。その辺りにダイダラボッチと思われるところはあるだろうか？。
弟三の足跡のポイントは、�‥貽遏■沓娃亜■牽娃哀瓠璽肇襪曚匹里箸海蹐任△襪海函���微傾斜地であるということ。�Ｊ顕十斬陲�建ちはじめていたところであること。これに付け加えて、水と神が出てくれば文句はない。
それらしきところはないかと一帯を歩き回った。この徒歩による巡礼は学習効果が高い。地形の高低を足が直に覚えるからである。
一帯の尾根筋が荏原台に繋がっている。学大台地はどうやら環七の尾根筋から東北方向に突き出た半島のような形をしているようだ。今日、その地形を思い描いていたときに、「これはあれじゃないか？」とふと思いついたことがある。すると矢も楯もたまらずに家を出ていた。外は大雨だった。「徒然草」に載っている登蓮法師の逸話を思い出した。ふとしたことを聞きさして、即座にそのことを確かめようとすると、人が「雨やみてこそ」と、押しとどめる。それに対して登連は「人の命は雨の晴れ間をも待つものかは。」と答えた。同じような心境だ、雨止みを待ってはいられない。
2008年10月23日
下北沢Ｘ物語（1193）〜荏原ダイダラボッチ巡礼行７〜
駒沢村のダイダラボッチの足跡は、現在の「鶴が窪公園」ではないかと推測している。が、もう一つの足跡が残っている。民俗学者は第一に代田、第二に鶴が窪、そしてもう一つ駒沢村に別の足跡を訪れている。その弟三のダイダラボッチはどこか？。それを探し求めて一帯の巡礼を続けている。
これをめぐっては驚くべきことがあった。と、こう述べているが、その感動はとうの昔のことである。だいぶ時間が経ってしまった。言葉は最新の時間には追い付けない。言葉の弱みである。
武蔵野会の駒沢遠足の同行記事では、鶴が窪のダイダラボッチに触れている。そして、このことについてつぎのように筆者はコメントしている。
由来ダイダラボチッの話は巨人伝説として取扱われてゐるか此の足跡は荏原郡碑衾村大字衾より此処を経て世田谷村大字代田に飛んでその間隔半里以上ある、ダイダラボッチは土地によりダイダラ坊、ダイダン坊、ダイテン坊ヤマンバ等と称されてゐるがそれが鳥か獣か何種の動物で足は一本か四本か何本か、飛んで行つたか這つて歩くか、横に歩行くのか縦に歩くか、その大きさは如何程あるのか等一切の事項は毫も伝へられずして只足跡ばかりが存するのである。（注、新漢字に直してある）
ダイダラボッチの存在はあちこちにあったようであるが、これを読んだとたん、「ずっすしん、どだん！」という巨人の歩く足跡がすぐ耳元で聞こえたように思った。「荏原郡碑衾村大字衾」は自身の居住区である。まず、我が家近辺の衾にずどんと一発ダイダラボッチが足を踏みつけた。栗山さんの祖先のお梅婆さんはそれで腰を抜かした。そして、つぎの足跡は鶴が窪に飛んだ。集まっていた鶴が一斉に飛び立った。そして今度は一またぎで世田谷代田へと飛んだ。「ずっしん、どったん、ぼったん」、東京湾方向からやってきたのだろうか、巨人は東北東へと進んでいく‥‥
2008年10月21日
下北沢Ｘ物語（1192）〜荏原ダイダラボッチ巡礼行６〜
弁財天を探していったら庚申塔にぶつかった。
「いや、うちの敷地のところに庚申様があったんだけど建て替えのときに寺に移してしまったんですよ。池ですか、それはほら向かいの家の下、そしてこの道路が下ってぶつかったところ、もうずぶずぶでした。電柱ほどの杭を何本も打ってようやっと基礎ができたくらいですからね‥‥ああ、昔のこと聞き回っているんだ。大事だよね。昔のことを知っている人はつぎつぎに居なくなっているからね‥‥」
下馬で会った松下さんがそう言った。同感である。
「女房は齋藤家の家系でね、学大のところももほとんど地所は自分ところでね、おばあさんの話だと昔はキツネがいっぱいいたんだと。他所の地所を通らないで学芸大学の駅まで行けたというんだからね‥‥」
下馬引沢で会った彼は一帯の地主系統の家に連なる者であったと言うべきか、ダイダラボッチ探索も佳境に入っている。言ってみればダイダラボッチ採集行のようなものだ、楽しみは膨らんでいくばかりだ。
ダイダラボッチ巡礼から経験を得つつもある。土地の池物語はそこから離れたやや地盤が固いと思われるところで話を聞いた方がいい。「うちは基礎がひどくてずぶずぶでした」とは人は言わない。
ダイダラボッチを巡礼して行くと、比較文化的観点で足跡が見えてくるように思う。
柳田国男は、ダイダラボッチ論を述べる上で、代田のダイダラボッチを論の枕に据えた。それは重要な意味合いがあった。これの典拠が論のとっかかりとなっているからである。
なぜ民族学者は代田のダイダラボッチを一番先に取り上げたのか、その課題が巡礼によって見えてきた。伝ダイダラボッチ窪、つまり、記録の上でダイダラボッチではないかとされている荏原での足跡候補地である、そこを四五ヶ所ほど訪ね歩いている。しかし現時点で口碑として今に伝わっているところは代田を除いて、他にはない。
2008年10月20日
下北沢Ｘ物語（1191）〜荏原ダイダラボッチ巡礼行５〜
伝ダイダラボッチ窪を巡礼している。これらの地に共通している点は字名に窪がつくことだ。行ってみてわかることだが見事な窪が見られる。今日も狢窪を探して行ったところ、見事な窪みを見つけた、胸が躍った。それで、そこからさほど遠くないところにいる人、振り込めサギ撲滅月間で町に繰り出している、黄緑の防犯ジャンパーを着用していた自治会の人だ。そのうちの一人が「そこそこ！この坂下ったところが狢窪だったのよ」と教えてくれた。推理は間違っていなかった。地形推理ドラマの主人公になったような気持ちだった。
ダイダラボッチ巡礼は順調だが言葉は時間に追い付かない。前の話に戻ろう、鶴が窪ダイダラボッチの話である。
野沢稲荷神社から三軒茶屋に向かう古道を歩いた。両側の家々には古びた趣がある。道を行くと、戸口に貼り紙がはってある。どうやら道路の拡幅計画があるようでそれに対して住民は反対しているようだ。「広げるだけでいいのか」と書かれてある。これには同感である。機械的に拡幅したら趣はなくなってしまう。
稲荷神社から三軒茶屋への道はこの頃、何度も通っている。ところがそこはかとないカーブに冴えがない。どうもいわゆる古道ではなく、近代に入ってできた道のようだ。この道を辿って行ったら、三軒茶屋の野砲兵の正門跡にぴったりと見事に繋がっていた。そのことから野砲兵兵営と西の駒沢の原とを結びつける道路でなかったかと推測している。昭和４年の地図を見ると野沢通りはない。が、この道はある。今は裏道になっていて車がよく通る。
「公団のマンションができてからここを通り抜けていく車が増えたんですよ。」
一方通行路をスピードを上げて飛ばしていく車があった。途中出会った電気屋の主人はそうぼやいていた。明治大学運動場跡地にできたマンションのことをさすようだ。
そのマンションにたどり着いた。明治大学運動場だったところにはＵＲ都市機構のマンションが建っていた。「アクティ三軒茶屋」というようだ。中規模高層マンションだ。この中庭が公園になっている。そこに入ってみた。すると、庭のまん中に案内表示板があった。
2008年10月18日
下北沢Ｘ物語（1190）〜荏原ダイダラボッチ巡礼行４〜
ダイダラボッチ民譚は歴史を測るものさしである。文字に書かれた話ではなく言い伝えられ、伝承されてきた話だ。この言葉そのものは異国語である。何千年と語り伝えられてきた言葉のかけらである。この言葉を通して我々は遙か遠い時代の民族や風俗をこれを手がかりにして想像することができる。太古の昔に荏原一帯に異民族が住まっていて彼らが生活を営んでいた。その片鱗が言葉の響きとして今に残っているものだ。
「武蔵野会」で催したダイダラボッチを巡る遠足の跡を辿ってみた。自宅からだと逆行する形になる。環七野沢龍雲寺の交差点を渡って、野沢通りに入る。すぐに左折する道がある。古道である。曲がったとたん左手に野沢稲荷神社が見えてくる。そして、そのはす向かいは鶴ヶ窪公園である。ここは文字通り、土地が凹んでいる。「武蔵野会」の遠足行で彼らが訪れたダイダクボだろう。ここは後回しにして、まず目指すは明治大学運動場だ。
古道はすぐに二手に分かれる。左は、旭小学校を経由して大山厚木街道中里へと繋がる道だ。かつての玉電、中里が合流点である。右は、三軒茶屋に向かう道である。いにしへの面影が残る道で、少し行くと左手に古色蒼然とした庚申塔がある。と言ってはいるがこの数日、複数回来ている。昨日も訪れた。秋の交通安全運動で、道路の端にテントを立ててある。そこに土地の重鎮、二人が腕組みをしていた。聞き書きゴールデンウィークである。この運動には古老がごろごろしている。町の貴重な歴史辞書である。この運動期間に巡り合わせて、幾つもの謎を、自身では解くことができた。
「いや、鶴ヶ窪のことをダイダラボッチとは言いませんでしたよ。まあ、でも今は循環水で水を流していますが。むかしはちゃんとあそこにある杉の木の下から水が湧いていましたからね。飲めましたよ。生でね。それがね、ほら、昭和３９年の東京オリンピックで環七ができてヒューム管を埋めるのに深く掘ったでしょう。あれで水脈が切られたのか出なくなったんだよね」
尾根上を走る環七には品川用水も並行して走っていた。この用水路も道路工事でおそらく壊されたのだろうと思った。
2008年10月17日
下北沢Ｘ物語（1189）〜荏原ダイダラボッチ巡礼行３〜
ネット上のドラマというのはよくある。驚くことがしばしばだ。一つの疑問がひょんなことから解けた。「原の清水」の神様は何だったのかということが思いがけないことから分かった。これも資料から見つかった。「東光寺裏山遺跡」という分厚い資料に載っていた。この書は、古墳発掘調査報告書である。東光寺の裏手の高台に旧都立大学があった。それは壊されて区の施設などに建て替えられた。その際に、古墳だった跡地が発掘された。
この調査書に「衾村の絵図」（宝暦１２年 栗山家所蔵）というものが載っていた。これを見ているとやはり池があって、鳥居マークもあった。そこには「大六天」という文字が見えた。ダイダラボッチと大六天、何かの因縁があるのかと思って、「ダイダラボッチ 大六天」と検索のグーグルで入れてみた。そしたら自身のブログが引っ掛かってきた。「あれ、こんなこと書いた覚えはないにの」と思っていると合点がいった、木村孝氏のブログコメントだった。荏原では弁財天が水の神様の主流だが、「玉川上水尾根を北に越えた豊島郡では『第六天』という、よく分からない神様が結構目立ちます」とあった。なるほどそうであったか、ひょんなことから謎が一つ解けたが、また一つ謎が深まったともいえる。
ところが、「東光寺裏山遺跡」を見ていて、もう一つ発見したことがあった。近辺の遺跡についても触れられていたが、その記述に衾町公園付近は縄文中期の遺跡跡だと言う。「おっとどっこい、ダイダラボッチさん来ましたね」と思ったことだ。これでダイダラボッチの条件である「３Ｋ」が揃ったといえる。きつい、きたない、きけんではない。ＫＡＭＩ ＫＵＢＯ ＫＯＳＥＫＩだ。神、窪、古跡である。ダイダラボッチは窪んでいて、そこには水があり神が祀られている。そして、とどめは古代遺跡である。
2008年10月15日
下北沢Ｘ物語（1188）〜荏原ダイダラボッチ巡礼行２〜
言葉は世界を発見させるものでもある。「大太郎法師巡礼行」とタイトルを名づけたとたんに、もしかしたら江戸期においてそんな巡礼が行われていたのかもしれないと思ったことだ。江戸御府内八十八ヶ所霊場巡り、坂東三十三ヶ所観音霊場巡りなどに飽き足らない好き者たちがいて、荏原一帯の水神巡礼を行っていた。
「草鞋は十足は必携でやんすよ。目黒の谷畑のあれはずぶずぶで‥‥」
こんなことを言っていた講まがいの連中がいたのではないか。そういう物語を、歩きながら考えることもダイダラボッチ巡礼行の楽しさだ。
この頃は、ひたすら歩くことにしている。ダイダラボッチ跡、あるいは、そう思われているところを巡礼している。前までは自転車を使っていたが、歩きの経験はペダルとはまた違うものがある。自転車は速度がはやい分、道の記憶はおおまかだ。ところが、歩行は五官で土地の趣を感じていくものである。自転車で何気なく通っていた道が、歩いてゆくとそこはかとなく曲がっている。ああ、ここは古道だったんだ、疲れてもいないのに胸の鼓動が感じられてくる。
野沢から上馬へは環七の東に並行して一本の古道がある。その尾根筋の道を北へ辿ると突然大きな道に出る。国道２４６だ。ここで道はぶった切られていた。が、向こうを見て、なぁんだと思った。断ち切られた道のはす向かいに自身がいつも通い慣れている道があった。その瞬間古道と古道とが繋がった。野沢稲荷神社の脇の道は、２４６の向こうの上馬子育て地蔵尊の側の道と繋がっていたんだと思った。
ダイダラボッチを探していると思いは過去へと遡る。言葉の記録だけでは分からない。それで、古地図の世界に踏み込むことになる。くだんの目黒十中脇の「原の清水」はどうなっていたのだろう。かつては千年杉がこの一帯に鬱蒼と茂っていた。そして、辺りの小高い丘から栗山さん言うところの「しぼり水」がしみ出て、湧水池ができていた。
ところが、思いがけないことがあった。図書館で地図を調べていたら一枚の絵図がみつかった。それを広げたとたんに池が各所に描かれていた。文化二年の「目黒六ヶ村絵図」である。眺めていくうちにめまいがした。「原の清水」のところに青い池があったからだ。
2008年10月14日
下北沢Ｘ物語（1187）〜荏原ダイダラボッチ巡礼行１〜
巨人の足跡、ダイダラボッチ、これが荏原のそこここに伝説として眠っている。柳田国男はそのいくつかの跡を訪ねて行って、それぞれに足跡の向き、方向が違っていることを知った。そのことから彼は「巨人来往の衝」と書き表した。「我々の前住者は、大昔かつてこの都の青空を、南北東西に一またぎにまたいで、歩み去った巨人のあることを想像してゐた」（「ダイダラ坊の足跡」）と言う。これはいにしえびとの想像に託して述べているが自身のイマジネーションでもあったろう。ダイダラボッチの足跡を探していくと、ダイダラボッチが自然に思われる。ダイダラ坊の足跡には不思議な霊が宿っているように思えてくる。『ダイダラボッチ』、この奇妙な音が想像力を刺激する。これを口に出して言うと、もう自ずと都会の上空に思いが飛んでいく。大昔かつてこの東京上空に大きな足が翻って、そして、地に足をつけた。そのとたんに、地響きがして、とんでもない爆裂音が聞こえてきた。
村人は仰天したろうと思う。翌日、音のした方に行くと大きな足跡が付いていた。赤土に親指の跡がくっきりと残っている様を見て、一層に驚いたろう。変化の少ない時代にあっては、戦争が起こったときのような衝撃があった。が、不思議なことに悲しい顔はしない、誰もがダイダラボッチの痕跡を眺めては、顔を見合って微笑んでいる。
既に代田のダイダラボッチは何十回と訪れた。次第に分かって来たことは、そこが水源地であったことだ。地下水脈から水がこんこんと湧き出ていた。その湧水池には水の神様の弁財天が祀ってあった。この一例は、象徴的である。ダイダラボッチを巡っていくと必ずと言っていいほどに神と出会うからである。実際の祠に、また地図上の記号に、また思いがけないところに神を発見するからである。ダイダラボッチを訪ねての旅は水路行でもあり、巡礼行でもある。
都市に巨人の足跡を訪ねる。何も残っていないが、何かがある。ダイダラボッチは今という時代にあってもほのかな希望である。むしろ隠れてしまっているゆえにそれを探し求めるスリルがある。遙かな古代へと繋がる想像の旅である。
2008年10月12日
下北沢Ｘ物語（1186）〜もう一つの海軍村（補遺了）〜
目黒区は内陸区である。隣接する大田区、品川区、港区はいずれも海に臨んでいる。が、海軍軍人が多く居住する海軍村の多くは海から一歩退いた目黒区にあった。なぜなのだろうか。
目黒区における陸軍と海軍という棲み分けも興味深いところだ。目黒区東北部は駒場である。近衛輜重大隊と騎兵第一連隊などの兵営が連なっていたところだ。この南手には駒沢練兵場もあった。目黒北東部は陸軍関係の諸施設で占められていた。
単に施設があるだけでなく居住地でもあった。駒場には陸軍皆行社住宅があった。この住宅の一段下がったところには栗原安秀の居宅があった。いわゆる、二・二六事件の密議が持たれたところだ。ここからさほど遠くないところに陸軍大将の山下奉文の居宅もあった。また、駒場四丁目の日本民芸館近辺も陸軍の重鎮がいたとも聞いている。
目黒区東北部は陸軍で占められていた。時代的にはこれら東北部の施設は明治期からあった。西南部の海軍軍人の居住は東横線の開通によるところが大きい。昭和初期頃から西南部の海軍村は形成された。彼らには東北部には陸軍がうじゃうじゃいるという意識はあったろう。「陸軍はあっちで、おれたちはこっち」という考えである。
海軍軍人が目黒西南部に住むようになったのはなんといっても東横線の開通が大きい。郊外鉄道の通じているしゃれた丘上に住むというのは海軍軍人にとってはステータスだった。富士の嶺が望めるというのも魅力だ。多くが薩摩海軍の血筋であるならばそれは望郷の方向である。
交通網としての東横線は海に抜けられる。その点は大きい。横浜経由で海軍鎮守府にも行ける。また目�遒粒し蛎膤惺察�中目黒の海軍技術研究所、そして、霞ヶ関の海軍省にも行ける。その融通無碍な点が彼らを引き付けたと言える。奥沢海軍村、また、海軍病院近辺の尉官級の住居には水交社が関わっているところから、海軍の戦略として、危急の場合を考えて、一箇所に集まっている方が便利がいいというのもあったかもしれない。
2008年10月11日
下北沢Ｘ物語（1185）〜もう一つの海軍村（補遺６）〜
海軍がなぜ目黒西南部に集まったかという問題は、大きな謎解きである。いつもは自転車で周り廻って関係箇所を調べる、けれども今回のことについては歩き回ってフィールドワークをしている。手頃な散歩コースだったからだ。ゆるゆると近隣を歩いて、町の謎を解く。生の推理小説を読むようでスリリングである。
阿部信彦氏の「目黒区に住んだ旧海軍軍人たち」は具体的な数字を用いて説明してあって、説得力がある。海軍軍人宅が戸数においても、人口比率においてももっとも多かったのは柿の木坂である。このことから柿の木坂は念入りにフィールドワークをした。
当地は木々の緑が豊かだ。そこここの庭に樹木があって、時折鳥のさえずりすら聞こえてくる。洋館からピアノの音が聞こえてきて金木犀が匂う。道路にしっとりとした落ち着きがある。静かである。あちこちに「柿の木坂」と記された館の名が見える。隣り合わせの八雲地域のマンションにも柿の木坂がついていた。ネームバリューがあるようだ。既に、平町、緑が丘は訪ねている。こちらもお屋敷ではあるがフラットなところは狭い。雰囲気的には柿の木坂の方が良い、土地の値段はこちらの方が高いだろうと思った。もちろん印象批評的な自己の推理である。
ちょうど新築マンションを売っていて、そこを通りかかった、ネクタイを締めた販売員の脇にパンフが見えた。そこに書かれている文字に、「羨望」が見えた。「柿の木坂‥‥羨望の邸宅」とかいうのだろう。
かつては４３戸もの海軍の軍人住居が密集していた。ことには二丁目そうである。が、ところどころが駐車場になっていたり、空き地になっていたりしている。そこの区画が広い、昔の呼称でいうところの百坪である。広い場合にはその倍もある。あるいはそれらの空き地はかつての海軍軍人が住んでいたのかと思いもする。
この土地に他との違いはないだろうか。そんなことを思っているときに一角に小さな稲荷神社をみつけた。末広稲荷神社である。由来が記されてあった「昭和二十年の三月に大空襲に遭」って資料や建物を焼失したとある。この期日は間違いだ。この一帯が襲われたのは昭和２０年５月２５日である。
面白いことに狭い境内の左手に棕櫚が三本植えられていた。右手にも一本あった。奥沢海軍村には棕櫚が多いという。それは海軍の南進熱を象徴したものではないかと言われる。棕櫚が四本もあるお稲荷さんというのは珍しい。一帯に住む軍人たちはここへ戦勝祈願に訪れたのだろうか。そのときにひょいと植えたのかもしれない。
2008年10月09日
下北沢Ｘ物語（1184）〜もう一つの海軍村（補遺５）〜
池から海への大旅行をしている。衾町公園にあったという池を探していたら、海に出会ってしまった。「この一帯には海軍が大勢住んでいたんだ」と原さんが教えてくれた。そのことから、古代のダイダラボッチ探索から近代の海軍軍人旧居を求めてさまようことになった。
そうしているときに池淵の栗山さんに会った。長い間土くれとつきあってきただけに目線が低い。地表面の凹凸も鮮明に覚えているようだ。この一帯随所に窪はあったという。彼は七十代だが古老の風格がある。
地域資料を見ていて思うことがある。「古老に聞く」などに出てくる人は、地域の顔役などが多い、謂わば重鎮古老である。「目黒の近代を古老にきく」なども名主格の人が耕地整理でどう活躍したかというようなことが語られる。あまり土くれをいじってはいない。そういう点でいうと栗山さんみたいな中堅古老の方が実際的な土の臭うエピソードをよく知っている。
「動物はいっぱいいたよ。タヌキ、これはムジナって言っていたな。それとキツネ、ウサギなどはいたね。この隣の駒沢の原には明治天皇が来ているからね。」
池淵の隣は深沢の狸谷（まみがや）である。ここに明治天皇が兎狩りに来ているようだ。それは明治１４年２月６日のようである。今の駒沢公園のところだ。
「狸には化かされましたか？」
「いや、そんなことはないよ。でも、うちのじいさんなんかは化かされたというようなことを言っていたな。」
「やっぱり肥だめに連れて行かれるんですか？。」
「いや、そうじゃないよ。道がわからなくなるんだよ」
そうだった武蔵野の原野だ。一旦道を外すと分からなくなってしまう。このやりとりも言葉の森に迷い込んだようなものだ。池淵にあったという水に戻ろう。海軍親睦団体の「水交社」のことである。
「そう、その交差点のところのまわりが水交社の敷地だったね。うちもひっかかるところだったよ。そこの敷地の区画割りが一定しているよ。海軍の社宅みたいなものだったね。大体ここに五十戸見当の家があったんだ。そこに住んでいたのはたたき上げの尉官級の人たちだったね。そうそう佐官級はあっちの方でね、柿の木坂とかのお屋敷だね」
手持ちの住宅地図ソフトで調べると栗山さんが言うとおり敷地区画が一定している。駒場、陸軍皆行社の敷地が連想された。が、こっちの方の一区画の方が広い。
2008年10月08日
下北沢Ｘ物語（1183）〜もう一つの海軍村（補遺４）〜
武蔵野の起伏のある地形には今もなお隠された物語が潜んでいる。それらを尾根をいく古道に、谷を上る坂道に、あるいは水路跡に、または鎮守の森などに、嗅ぎつけて読み解いていく。そこに土地という書物のページをめくる戦きがある。
しかし、現今の土地の形状はかつてとは様相を異にしている。丘陵は削られて平にされている、それを削平と言うようだ。あまり使われなくなった熟語を発信したらさっそく応答があった。
東横線柿の木坂駅（現都立大学駅）と田園調布駅の間は、大井町線の上を通るために築堤が設けられた。それを造るために付近の丘がかなり大がかりに削平されたというコメントが玉川村名所村物語発信者からあった。
この情報を見て思い出したことがある。南多摩地域の古墳を調査に行って、一山がごっそりなくなっているのを発見して愕然としたということを誰かが書いていたことを。名前は思い出せないが蛇窪踏切のことを書いた作家だった。検索で調べて見るとあった。江見水陰だ。やはりそうだった、「三千年前」という作品だ。参謀本部が作成した地図にあった三十二メートルの独立丘が根こそぎなくなっていたことを記していた。文明の破壊に対する憤りが記されている。「人力、機械力、文明力、驚くべしである。」（http://www.amy.hi-ho.ne.jp/mizuy/da/sanzennenmae.txt）。
江見水陰は川崎市加瀬の丘のことを書いている。が、これは対岸の火事ではない。荏原一帯でも同じである。ごっそりと削平されてしまった丘や山は、幾多もあるに違いない。都市文明は無情である、屋敷林などは重機でなぎ倒してしまい、近代産業遺産など、例えば三田用水の古びた樋などが出てきても、「そんなの関係ねぇ！」とばかりにパワーシャベルで一撃で壊してしまう。
破壊された土地の上にわれわれはあぐらをかいて生きている。ところがその実情についてはわたしたちはよく知らない。それでも知る必要はある。このことは大事なことだと思う。が、それは知ろうと思わないと分からない。知ろうとするものに言葉は与えられる。このごろ古老の話に納得がことんと落ちることがある。
2008年10月07日
［三田用水］情報交換所〜三田用水を巡る討議：記録：情報など〜
［三田用水］情報交換所��
〜三田用水を巡る討議：記録：情報など〜
三田用水は江戸時代の寛文四年（１６６４）に中村八郎右衛門、磯野助六の両名が開いた三田上水を始めとしている。当初は飲料用の水として使われていた。これが後に農業用水として使われた。
三田用水は「玉川上水を世田谷領下北澤村地内で、幅三尺の樋口を開けて分水したもので、品川領・麻布領・世田谷領・馬込領入曾の十四ヶ村の灌漑用水である。」（「目黒區大観」）。この用水を利用して「目黒火薬製造所」で火薬が製造されたり、ビールが製造（大日本麦酒）されたりもしている。この三田用水は昭和五十年に流れを止めた。隠れた近代産業遺産だともいえる。
三田用水については木村孝氏が詳細な調査をしており、その成果は「Half Mile Project」（http://homepage3.nifty.com/baumdorf/KimuTaka/HalfMile/Mita01.htm）にまとめられている。このブログでは、駒沢練兵場を機縁にして三田用水についての議論や情報が取り交わされるようになった。このことについてのコメントがかなりの分量になったことから他の情報と区別するために［三田用水］だけに絞った情報としてそれらを再掲し、これまでのコメントをここにまとめ、閲覧が容易にできるようにした。
今後、［三田用水］についてコメントされる場合は、ここにされるとよいと思う。すれば閲覧が容易になって便利だと思われる。「三田用水」について言葉の遺産として記録を残していくことができれば幸いである。随時、「Half Mile Project」の情報をも参照されたい。
なお、コメントされる場合は、例えば、［三田用水の寸法］というふうにテーマを括弧にくくって示されるとより分かりやすいのではないかと思う。
以下ののコメントは過去ログから選んで貼り付けたものである。落ちているものがあるかもしれないが、ご容赦を。
「三田用水」関係について情報、資料、見聞などささいなことでも構いません。ご自由に意見交換なさってください。 コピー用記号 ［ ］【 】
［三田用水］情報交換所�供岨暗塚竸紊鮟笋詁さ帖У�録：情報など〜
http://blog.livedoor.jp/rail777/archives/51443487.html
2008/08/13 18:06 投稿者：まりママ
実は 三田用水を調べていて このブログを見つけたのです。Harf Mile Project に詳しく出ていてたいへん参考になりました。ひとつのことを調べると 生活の中に散らばっていたものの何気ない事どもが、繋がりを持ち命を与えられるー歴史の醍醐味でしょうか。
東大と山手通りの境にあるコンクリートの四角い連なりを何十年と見ていました。もしかしたら それが三田用水の遺構ではないか、と思い当たったのは つい最近のことです。
三角橋、二つ橋と川もないのになぜこの地名なのか、謎が解けました。
娘が小さい頃かかったお医者様は 診察をしながら おもむろに床を開け、床下の水槽の鯉にポンポンとえさをやりました。娘は「あっ」と声をあげ、私はさすが小児科の先生、と感心いたしましたが、今思うに あれは三田用水の遺構ではなかったか・・・
私たちが きちんと その土地の記憶を引き継いで行くこと、そして後世に伝えること。
なんとか壊さないできれいに残せないものでしょうか。
三宿駐屯地では、今でも ５時になるとラッパが鳴り響きます。はるか昔の駒沢練兵場を彷彿とさせる なんとなく哀愁のある響きです。
2008/09/06 11:36 投稿者：まりママ
ずっとグレーな気持ちでいます。
朝 二つ橋の工事現場に行って現場監督のような方にお話も伺えました。両隣の方々は皆さん ヒューム管を傷つけないようにして建物をたててらっしゃるようだ、とおっしゃってました。建築上のことでここはそっくり取ってしまいましたが、とやや申し訳なさそうに聞こえたのは私の主観でしょうか。コンクリで固めてあったのは境目だけであとは全部土の中に埋まった状態だったとのことでした。住所は 渋谷区になるそうです。
帰り道、ふと東大裏門の先が気になり足をのばしましたら、
なんとあの何十年も見慣れた四角いコンクリの連なりが壊されているところでした！私の心中お察しくださいませ。そうだった、うかつだった、首都高速の工事で一緒に整備されると なぜ気づかなかったんだろう。
工事の人がブルドーザーに今まさに乗らんとするところ、私が写真を撮る間、待っていてくださいました。半分くらい壊されていたので、中の丸いヒューム管が遠くから見えました。うまく写っているかどうか・・・何の因果か、３００年も使われていた用水路が消えていくところを目撃してしまった・・・そのせいでしょうか、ずっと落ち込んでおります。
2008/09/06 08:33 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［二ツ橋のコンクリート管］
あの辺り、二ツ橋と東大裏間は、東大駒場の北側の駒場道との間に皮一枚の民地があり、民家の下に用水の管があるようですので（後述＊）、早速、先ほど見に行きました。
地盤面から１メートル下に、コンクリート管が埋め込まれ、周りをコンクリートで固めています。用水のコンクリート管は、径１メートルのヒューム管とのことですので、この点でも「ぴったり」です。
あれは、昭和４〜１０年に暗渠化された、三田用水の管に間違いないと思います。これまで、近所の工事の都度、探しに行ってはいたのですが、ようやく現物を見ることができました。ありがとうございました。
＊「江戸の用水と三田用水」（三田用水普通水利組合・昭和５９年９月３０日・刊）の、口絵グラビアの１ページ目の下の写真に「目黒区駒場４−９５２−１４ 東京大学教養学部隣接地，この家屋の地下に用水路が通っている」というキャプションが付いてます。
2008/09/05 23:43 投稿者：まりママ
先ほど 東大裏を偶然通りかかり 三田用水が流れていたのではないか、と思われるところが工事で掘り返されておりましたので、「あっ」と思って工事のフェンス越しにまじまじと眺めました。５メートルくらい真四角に掘り下げられていて、東側側面にまぁるい土管の輪切り状の断面が出ていました。そのまわりの土はほぼ正方形に色が違っていました。暗くてよくわからなかったので明朝 写真を撮りに行こうと思っております。単なる下水管でしょうか？場所は 二つ橋バス停の東方です。
今日は 西郷山からまっすぐ昔の道を辿りましたら東大構内の池にぶちあたりました。
こんなところに池があるなんて、まわりは 鬱蒼とした森です。何十年も近くに住んでいて何にも知らなかった。びっくりです。
2008/09/03 23:49 投稿者：まりママ
いろいろとありがとうございます。情報の宝庫ですね！
今日は 目黒元富士と新富士をたずねて歩いてみました。昔の地図ではこの富士の西側を三田用水が通っている。なぜわざわざいったん低い方へ水を引いたのだろう？。今の旧山手通りの尾根伝いに通っていたとばかり思っていました。
代官山ヒルサイドテラスの裏に 旧朝倉家住宅が公開されています。朝倉家は水車で米を挽く大きな米屋だったとか。その庭園の水は三田用水から引いていたと伺いました。
確かに 庭の一番下にポンプがあった・・・
目黒区と渋谷区の境が三田用水だったのではないか、と思って目黒歴史資料館に行きました。なんと今月２１日の開館だそうです。
いつも通っている文化村通りから山手通りにぬける道、昔は将軍様の鷹狩の行列がゆるゆると通ったんだなぁ、とはるかいにしえの光景を想像し楽しくなりました。
2008/09/06 13:24 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［東大裏］
まりママ様の速報に接し、急ぎ行ってまいりました。
一抹の寂しさはありますが、あの点検口と元神山口らしいところは、幸いまだ手付かずで残っていました。
一つの「歴史の終わり」に、直に立ち会ったともいえ、それはそれで、意義あることなのですが、おかげさまで、実は、もっとポジティブな成果が…いずれホームページにまとめるつもりですけど、あればかりは「壊すときでもないと、まず解らない」ことで、いや、８０年も前に、もう、あんな工法があったとは…ちょっと、昔の技術を過小評価しすぎてました。
2008/09/10 23:44 投稿者：まりママ
ブログに私の名前まで出していただいてありがとうございました。
本当の研究者は 見るところが違うんだなーと感心いたしました。（確かに内側に 字がいっぱい書いてあった・・そしてよれよれの外壁に比べて内側は新品のようにとてもきれいでした・・・）
渋谷区の文化財担当の方のお話では、今残っている‘神山口’あたりは残すとのことで、ちょっと一息ついて安心しているところです。
「これは 江戸時代からあった三田用水という水路の遺構です」という看板がぜひとも必要です、と申し上げました。
渋谷区では 今そのような（歴史的文化財的？）看板申請が５０くらいあって順番待ちになるようでした。（なぜ 今まで誰も何も言わなかったのだろう・・・？）
三田用水のことを調べるうちに 東京というところは 実は本当は 水の都といっていいほどの運河や水路が縦横に走っていた美しい街であったことが見えてまいりました。
私にとってはまさに目から鱗、ヒートアイランド現象の原因のひとつは これらの水の流れを止めたり、蓋をしたり、埋めてしまったりしたことが大きくはないでしょうか？
砂漠の国だったら、この１本の川で戦争が起きる、ほどの恵みの水を 本当に当たり前の風景としていた民族なのですね。
道でおじいさんやおばあさんとすれ違うと、
「昔のことを教えてください」と声をかけたい衝動にかられます。原宿にお住まいの方は 水車があって川で泳いだ、と隠田と呼ばれた地での風景を話して下さいました。それはまさしく広重の浮世絵の世界です。（私自身、「東大裏のロータリー」に聞き覚えがあります。お茶の先生は「大きな木が３本ありました」とおっしゃいました。）
2008/09/21 22:26 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［ヒューム管］
これを読むと、昭和のはじめ、ヒューム管というのは、鋼管とならぶ、最先端技術だったことがわかります。
土木建築工事画報
http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/index.html
第２巻第３号 大正１５年３月発行 （１９２６年）pp.22-26
私の見たヒューム管
http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/02-03/02-03-0259.pdf
第２巻第１１号 大正１５年１１月発行 （１９２６年）ｐ. 42
ヒュームコンクリート管の応用と実例
http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/02-11/02-11-0399.pdf
2008/09/26 22:05 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［弁天池］
全く別分野のブログに先日コメントした伊勢（厳密には伊賀）の城之越（じょのこし）遺跡http://f1.aaa.livedoor.jp/~megalith/jyonokosi.htmlが典型なのですが、湧水・水源にカミを祀るのは、古来からの伝統ですね。
ただ、何を祀るのかについては、荏原郡では、この真中ばかりでなく、柳田ダイダラボッチ１、玉川上水の下北澤村堀向、さらには、三田用水の分水口と、弁天様がメジャーなのですが、玉川上水のの尾根を北に越えた豊島郡では「第六天」という、よくわからない神様が結構目立ちます。
これが、地域差によるものなのか、あるいは水源利用の時代差によるのか、柳田流にいうと「しんみり」と考えてみる必要がありそうです。
2008/09/28 20:43 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［二つ橋・東大裏］【改訂】
ネガカラーの現像が上がってきたので、その結果に基づいて、先日の結果を改訂しました。
http://homepage3.nifty.com/baumdorf/KimuTaka/HalfMile/Mita06.htm#Tsuiki080906
週明けには、リバーサルカラーの方が上がってきますので、また、改訂になるかもしれませんが。
2008/09/30 17:53 投稿者：きむらけん
［三田用水の寸法］
たまたまこんなのが載っていました。
「三田用水の寸法を私知っておりますんで申し上げますと、幅が三尺、深さが二尺九寸、さんじゃくおきに四寸から四寸五分の松葉板十尺の長さのやつを坑棒三尺ずつうってワクをきざんだわけですね。三田用水が三尺の幅で出来ているところへ見廻るために四尺五尺の道がついていました。見廻りの番人がその道を使ったのです。この寸法は鏑木さんの古文書に皆書いてあります。」「目黒の近代史を古老に聞く」（栄吉談）
［三田用水の水路幅など］（１／２）
「東大農学部の歴史」のページ中にある、明治１１年に撮影された、今の駒場公園入り口付近にあった、駒場橋http://www.a.u-tokyo.ac.jp/history/images/nougakkou-seimon.jpg
の幅からみても、水路の幅が３尺、深さが２尺９寸だったというのは、納得できますし、
以下のような、明治３０年代の資料
「…御組合ニ於てテ上流用水路延長千四百間ノ場所ヲ川幅五尺弐寸ニ取広ケ及川敷壱尺弐寸引下ケ工事相成趣ニ付右御実行ノ節ハ該工事ニ係ル一切の費用ヲ義務トシテ当会社ニ於テ負担可仕候…
明治三十一年八月五日
荏原郡目黒村三田
大日本麦酒株式会社
専務取締役 馬越恭平
三田用水普通水利組合管理者
荏原郡長 村上佳景 殿」（「江戸の上水と三田用水」pp.234・235／同旨「サッポロビール１２０年史」p.171）とも矛盾はありません、。
2008/10/03 01:00 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［三田用水路の幅］（２／２）
もっとも、文中の鏑木家というのは「中」目黒村の名主、というよりも、近隣の農村を含めての総総代だったようですが、用水が中目黒村あたりに届くまでには、現・北澤５丁目（旧・堀向）からそこまで、位置が不明確なものもあるため、正確な数はわかりませんが、ほぼ確からしいものだけでも山下口、（溝が谷）、神山口、駒場口、鉢山口など、公式な記録のある１７箇所のうち１０箇所程度の分水はあったようですので、上流部はもう少し水路の断面積が大きかった可能性はあります。
とはいえ、明治中期の時点では、三田用水路には三田用水組合の水 水積２６７坪＋海軍火薬製造所の水 水積１００坪の合計 水積３６７坪の水が流れていたのであり、水積１坪は１寸４方の水ですので、場所にかかわらず流速が一定であると仮定すると、３尺（３０寸）幅の水路を、常時深さ１２寸余りの水が流れていたことになります。
平常時ならば、水路の深さの４割強（護岸の影響があｒても５割）程度ですので問題はないとしても、大雨の時には、いくら尾根筋とはいえ、周囲から幅３弱視しかない水路に水が流入することによって、水が溢れたり、最悪の場合堤が壊れるといった事故があり、水路幅を約倍に広げる必要が生じたのではないでしょうか？
2008/10/03 23:57 投稿者：まりママ
三田用水のあとを追いかけていて 様々疑問が出てまいりました。
幅を広げたりいろいろな追加の工事がなされたとのこと、ビール会社がヒューム管で地中深く水路を埋めた時、最も合理的な最短距離にルート変更していませんか？
もうひとつ、二つ橋のところでは地下１メートルにヒューム管があって、その下流、東大裏の最近壊されてしまった遺構は地上に出ていました。
水をどうやって流したのでしょうか？
自転車でこぐ限り、ここは平坦に感じられますけれど・・。
2008/10/04 22:37 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［用水路の流露の変更］（１／３）
>ビール会社がヒューム管で地中深く水路を埋めた時、
>最も合理的な最短距離にルート変更していませんか？
駒場橋（現・コスモスの通駒場公園正門北方）と二ツ橋間は、もともとは、今の東大駒場の野球グラウンドのあたりにあった、空川の西から２番目の支流の谷頭を避けるために、現・コスモス通と並行する北側の道路沿いに水路があり、ご指摘の改修時にコスモス通沿いに流露が変更された可能性が高いと考えていますが、実は、
http://homepage3.nifty.com/baumdorf/KimuTaka/HalfMile/Mita07.htm
にあるような、電柱の位置（なぜか、車道の反対側にある）と７０年代に撮った写真にある舗装跡からの推測です。
2008/10/04 22:38 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［用水路の流路の変更］（２／３）
改修後の流路の確証となりうる資料としては、
１ 三田用水普通水利組合の文書類
その清算の終（結）了後、品川区に移管されているようで、鹿島神社のそばの区の郷土館に収蔵されてる可能性はあります。
２ 大日本麦酒株式会社の設計図
ヒューム管の設置工事は、同社（現・サッポロビール）が、発注者となって、２４万円の工費をかけて行われていますので、設計図は同社が保管していたと思われます。
ただし、新水路は竣工と同時に組合に無償譲渡されているので財務資料として保管しておく意味はあありませんし、昭和５０年代の通水停止でメンテナンス用の資料としても意味がなくなっていますので、廃棄されている可能性が高いと思います。
３ いわゆる三田用水事件の東京地裁判決の原本
（東京地裁昭和２７年（ワ）第５１３５号土地所有権確認請求事件、昭和３６年１０月２４日判決）
雑誌に掲載されている判決文によれは、判決原本には図面が添付されており（末尾の「第一物件目録」に「（別紙図面中青線（太線）で表示した部分）」とあります）、判決原本は原則として永久保存ですので、東京地方裁判所に保管されている判決原本を閲覧（「学術研究」を目的とする）すれば、略図程度でしょうが確認できるかと思います。
が考えれらますが、どれも未確認です。
2008/10/04 22:58 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［用水路の流路の変更］（３／３）
二ツ橋から東については、先日ご教示いただいた、ヒューム管の場所、置樋の場所とも、旧流路と基本的に位置は変わっていません。
たしかに、二ツ橋から置樋あたりはそれほどの勾配があるとは感じませんが、明治４２年ころの地図ではこの区間で等高線が１本水路を横切っていますし、少なくとの昭和１０年から４０年余り恵比寿のビール工場に水を供給できたのですから、それなりに勾配はあったのだと思います（神山口らしき穴があることから、サイフォン式でないことは確実です）。
元の水路がどのような状態だったのかは、地図でははっきりしませんが（手元のは、元図の縮尺が５万分の１か２．５万分の１のようで、そのせいもあります。大正７年ころの１万分の１の地図
http://plaza.rakuten.co.jp/sj2006/diary/200809240001
ならもう少しはっきりするかもしれません）、品川用水のように、地表面から土手を盛り上げていた可能性はあるものの、井の頭線の神泉・東駒場間のトンネルの上をクリアする必要から、地表面から上に水路を作った可能性が高いと判断しています。
2008/10/06 22:47 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［三田用水の現・東大前バス停あたりの水路］（１／２）
獨歩といえば「武蔵野」ですが、この作品は、明治２９年から翌年まで、渋谷の宇田川界隈に住んだときの体験を元にしているものであることは、独歩自身が、その「十年前の郊外生活」http://www.h7.dion.ne.jp/~musashi/juunen-denen.htmで認めています。
その獨歩が、この時期の体験を下敷きにしたもう一つの作品として「わかれ」（初出：明治３１年１０月）があり、そのことは、実名で登場する渋谷駅周辺の話に終始していることからわかります。
その中に、明治３０年ころ、つまり、その数年後の拡幅前の、また、より地域を特定すれば、今の東大前バス停あたりの三田用水路と思われる描写があります。
本当は、青空文庫にデータがあるとよいのですが、生憎５年前から「作業中」のままですので、http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person38.html#sakuhin_list_1 若干文字遣いが不正確かもしれないのを覚悟のうえで、次のコメントに、抜粋を引用しておくことにします。
2008/10/06 22:57 投稿者：きむらたかし＠三田用水
［三田用水の現・東大前バス停あたりの水路］（２／２）
…�愬�《わかもの》は身を起して暫時《しばし》林の中を辿りしが、直ちに路にはいでず、路に近けれど人目に隠るゝ流の傍にいでたり。こは渠が家の庭を流れて彼街《かのちまた》を貫くものとは異なり、遠き大川より引きし水道の類ゆへ、幅は三尺に足らねど深ければ水層《みずかさ》多く、林を貫く邊《あたり》は一直線に走りて薄暗き彼方より現はれ又た薄暗き林の木蔭に隱れ去るなり。村のものが野菜洗ふためにとて此流れの幅を殊更に廣く掘り、小さき入江をなせる。…
2008/10/06 23:58 投稿者：名無しさん＠品川区民
三田用水の熱い議論楽しませていただきました。組合資料は品川図書館を経て歴史館にありマイクロ化されています、
【資料詳細】
問合せ番号 : 635032 タイトル : 品川歴史館資料目録 巻名 : 三田用水普通水利組合文書 著者など : 品川区立品川歴史館／編 出版者 : 品川区立品川歴史館
出版年 : 199603 ページ数等 : ２７Ｐ 大きさ : ３０ 特定資料種別 : 一般図書
細川用水と三田用水はおもしろいです。高輪台の終点から先三田上水の配水地からお金をもらっているのに公的には隠しています。
高松宮邸は細川御殿細川用水の終端です。宮内省はお金を払っていますが高輪台の配水池から細川御殿までは細川、三田上水の設備。公的には無いはずの設備で配水していたようです。
また、
【資料詳細】
問合せ番号 : 306464 タイトル : 江戸町方書上 巻次 : １ 巻名 : 芝編 上巻
著者など : 港区立みなと図書館／編 出版者 : 港区立みなと図書館 出版年 : 1993
ページ数等 : ７６０，１４Ｐ 大きさ : ２２ 一般件名 : 港区−江戸時代
定価 : １００００ 特定資料種別 : 一般図書
この本は下巻もあります、おもしろいのは三田上水配水地からの回答はおしなべてかって三田上水はあったが廃止になり現在は無いという内容ほぼ文面が同一です。そのわりに細川御殿の近く尾根道の脇から悪水がでているとか上水は生きていたと思わせる内容です。
長くなりました失礼します
○三田用水が関係する目黒区、世田谷区、品川区、港区と幅広い情報が集まると、興味を持つ人への便宜となります。その点で品川情報は貴重だと思われます。
【三田用水資料】
「郷土目黒」第五十一集（平成十九年） 三田用水とその遺構の消滅 平山元也
［くらやみ坂から目黒区三田まで］ 投稿者 きむらけん 2008,10,7
三田用水についてはまだ暗いというのが、実情です。そこで今日、滝坂道のくらやみ坂上から三田を通って目黒駅まで歩いてみました。尾根筋の道を辿りましたがよく分からないところもありました。礎石や流れの痕跡などはある程度は把握できましたが具体的な痕跡は見つけることができませんでした。防衛庁技術研究所の門に「艦艇装備研究所」と書かれた看板がありました。三田用水と並行して実験棟などが垣間見えたので「ふふん、用水の水を最初は使っていたんだろうなあ」と勝手に納得してしまいました。
かつて神泉町に住んでいたことがありますが、用水から指呼の間にその場所はありました。鉢山町あたりに東京バブテスト教会がありました。若いときに渋谷駅で外国人の牧師さんにとっつかまってこの教会へ来たことがあったことを思い出しました。聖書を隣の女性が見せてくれたことが鮮やかに蘇っても来ました。
国木田独歩の「わかれ」手元にありました。独歩の抒情の流露でもあった三田用水であったのだと知りました。(写真は通りかかった西郷橋）
2008年10月06日
下北沢Ｘ物語（1182）〜もう一つの海軍村（補遺３）〜
近郊鉄道の交差地点には文化の鉱脈が眠っている。交通の利便性が多くの人や物を引き付けているからである。その場合の参集には偶然的なものが多い。たまたま便利だったから集まったというものだ。海軍軍人の鉄道交点参集も交通路の便利さから来ている。が、これには海軍特有の人的な関係も影響している。
昭和に入って交通の便が整ったところに、区画整理事業が急速に進み、住宅地としての魅力が備わってきた。
さらに「類は友を呼ぶ」というが、海軍兵学校や艦隊勤務などで、寝食を長く共にしてきた同輩或いは先輩、後輩たちが、「俺のそばに来ないか」等と誘い合わせた結果、多くの海軍軍人がお互い近くに住宅を造ったり、借りたりした。
阿部信彦 （「郷土目黒」第５１集、平成十九年刊）
艦船という狭い空間で共に生活をする。人と人の距離が近い分、仲間意識は濃厚になる。そのことが海軍軍人を目黒南西部に集めた。同期の誰かが呼びかけ人となって住み始めた。この先駆けとなったのは奥沢である。ここに居住している人々は歴史伝統を今に伝えようと「土と緑を守る会」を作っている。世田谷区の活動人の会合で何度も彼らのプレゼンを聞いた。その会のホームページでの説明には、「奥沢神社東側の土地を、１９２４頃（大正１３年）海軍軍人が住み着き始め、その後海軍の親睦団体水交会が一括契約をしたため、海軍士官や海軍関係者の居住区となったのです。もっとも世帯が多かったときは３０にも及んでいます」（「私たちの街、奥沢二丁目・土とみどりミニ変遷史」）とある。
奥沢海軍村は目蒲線の開業によるところが大きい。この線は、１９２３年（大正１２年）に開業している。海軍村の形成はその翌年から始まっている。海軍軍人を呼び込んだ電車路線は付近に順次開通していく。１９２７年（昭和２年）に東横線、１９２９年（昭和４年）に大井町線が全通している。これら新規路線の開通がいっそうに海軍を一帯に集めた。が、子細に調べたわけではないが恐らくは兵学校同期なり、艦隊系統なりで目黒西南部の地域にそれぞれに住んだものと思われる。
奥沢の場合、海軍親睦団体の水交会が土地契約に関わっているという。目黒西南部の場合も恐らくこの会が何らかの形で関わっているものと思われる。
2008年10月05日
下北沢Ｘ物語（1181）〜もう一つの海軍村（補遺２）〜
明治期に忽然と出現した鉄道、移り変わりゆくその車窓は目に綾な動く景色画であった。文章の書き手たちはこれをどう書き表そうかと腐心し、苦闘した。つまり、「廻り燈籠の絵のような」車窓である。それは変転絵画芸術である。これを文字に置き換えようと彼らは苦心惨憺している。産みの苦しみである。目まぐるしいパノラマをどう捉えて、言葉に書き表していくかという新しい課題に当面してそれを乗り越えていった。このことからわたしは一つの観点として、近代文学の源泉は移動体としての車窓にあると思っている。物体としての鉄、抒情としての文、これの融合、鉄道文学をストーリーのそこかしこにちりばめていったのが近代文学であるという見方である。
また、この鉄道車窓について、自身はこう言いもした。「日本の鉄道車窓風景は青銅砲に大きな影響を受けたのである。薩摩藩や長州藩の旧式大砲の砲口が、鉄道の路線決定を揺るがした」（「峠の鉄道物語」ＪＴＢ）と。つまり、貧弱な大砲で外国艦隊に立ち向かって、長州も薩摩もこてんぱんにうちのめされてしまった。これによって海からの砲撃の怖さを知った。また海軍というものの重要性を痛感した。身に滲みる経験だった。
大砲が恐い、それで艦砲射撃を勘案して鉄道路線は設計されている。車窓チラリズムには近代日本の秘密が隠されている。全国各地に車窓に海がチラチラと垣間見えるところが今もある。例えば、山陽本線の下り、長府駅を過ぎた左手車窓である。関門海峡に浮かぶ満珠干珠の島影を左手に眺めていると線路は突然に山間に入ってトンネルに潜る。艦砲射撃が恐くて山に逃げたものだ。山に上った路線もある。肥薩線矢岳駅近辺の日本三大車窓と言われるパノラマ風景もその好例だ。これも艦砲射撃を恐れたことによるものだ。馬関戦争、薩英戦争の硝煙の名残だとも言える。
外国と一線を交えた地域が最終的に日本国を支配することになった。薩長である。謂わばぶち放った大砲は物差しであったと言える。大砲を撃つことで敵の強大さを身をもって知ったと言える。この薩英戦争を闘ったことで、却って薩摩と英国は親密になったという。後に薩長の軍事力を中核とした明治政府が成立する。このうち長州は陸軍の、薩摩藩は海軍の中核となった。薩摩と英国の結びつきから海軍は英国式に倣うことになったのだろう。
2008年10月03日
下北沢Ｘ物語（1180）〜もう一つの海軍村（補遺１）〜
目黒の小池を探しに行ったら大海原に出くわしてしまった。さざなみどころか情報の大波に打たれて目眩がしてしまいそうになった。
ひょうたんから海軍である。家の近くの公園が沼跡ではないかと聞きに行ったところ、「この近所には海軍軍人が大勢住んでいたんだよ！」と教えられた。その話から情報の畑を耕しはじめ、現況考察をネットで流したら即座に反応があった。一つは、目黒在住のまりママさんからだ。この方も海軍の末裔であるという。「目黒区に住んだ旧海軍軍人たち」という論考の所在の示唆をも得た。もう一つは、地名情報である。世田谷玉川名所村発信者からである、沼跡の衾町公園の旧字名は池淵ではなく東水窪ではないかという指摘である。
ネットでの反応の即時性には驚かされる。が、その裏に潜む危険性がある。その問題を、黒崎政男氏は「従来のメディアでは、個人が公に対して発言するには、さまざまな困難や編集者によるチェックなどが伴っていた。よくも悪くも、この距離こそ、思いを思考に、一面的な思念を十分吟味された意見へと練り上げる。」（「ネットが崩す公私の境」）と鋭く指摘している。練り上げられないまま、世界を十分認識しないまま、「投稿する」というボタンをクリックしてしまう。それでもネットという大海に投じると波紋が及ぶ。小石が機縁になってさざ波が起こり、それがはね返ってくる。楽しくもあり恐くもある。
「目黒と海軍」は壮大な物語であった。まりママさんは父親の言葉に「はるか昔はるかかなたの薩摩の郷中教育の香りを感じておりました。」と言う。薩摩海軍の陰影が目黒の地で感じられたと。彼女が挙げた資料「郷土目黒」５１集には「断絶の系譜・その時代背景」という橋口明子氏の論考も載っている。ここにも「碑衾村大字衾一四六番地」に「佐世保鎮守府に勤務していた橋口の父が初めて上記の碑衾村に家を持ち」引っ越してくるという話が載っている。この家系もやはり薩摩だという。海軍の源を訪ねると薩摩に行き着く。目黒と薩摩の結びつきは面白い。これは船ならぬ電車が取り持つ縁だということができる。阿部信彦氏はつぎのように指摘している。
2008年10月02日
下北沢Ｘ物語（1179）〜「北沢川文化遺産保存の会」会報 第２６号〜
「北沢川文化遺産保存の会」会報 第２６号
会長 長井 邦雄
２００８年１０月２日発行
事務局:世田谷「邪宗門」（木曜定休）
155-0033世田谷区代田1-31-1 03-3410-7858
会報編集・発行人 きむらけん
１、記録的文化情報
時が過ぎて行きます。その時が過ぎるに連れ、過去はたちまちに遠くなってしまいます。折々会を開催したり、地域の会合に参加したりしていますが、そこで得られる情報は時として忘れてしまいそうなものが多いので後々のために記録的に書き残しておきたいと思います。
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先日、代田連絡線跡を歩きました。京王側の分岐部分は私有地にはっきりと残っています。それを確認できました。が、この部分も建て替えがいずれ行われるとのことで、今回の調査立ち入りが最後になるのではないかと思われます。
この見学の途中、武蔵野荘の佐野さんから話を伺いました。昭和２０年５月２５日に帝都線が空襲を受けて電車が大きな被害を受けたといいます。
・「戦災後、動き始めた帝都線の電車は単行だった。」という。これは一色次郎の見聞記録と一致する。明大前と一高駅間を単行が運転されていたと彼は書いている。このことから神泉トンネル残っていた電車は二両ではなく一両ではなかったか？と。
・武林無想庵が昭和十年ごろに武蔵野荘に居住していた。送られてくる手紙のほとんどが彼のものであった。佐野さんは彼が煙草くさかったことを覚えていると。
・八大龍王は藁葺きの屋根だった。それが燃えて消そうとしたが消せなかった。彼は消 防団員だった。
��代田八幡宮の祭礼のとき（代田の重鎮が大勢いた）
秋元さんから伺った話である。
・ダイダラボッチの弁天池には石の祠があった。水は飲めた。藤蔓などにつかまって池の上を飛び越える遊びをしていた。池の周りには野いちごが多く、朝起きてよく採りにいった。東大原の連中とは張り合っていて、よく喧嘩した。
「守山小学校の土地は円乗院の土地で、ダイダラボッチは確か斉田さんの土地だった」これは居合わせた人の話だ。
��世田谷公園
噴水脇の築山は多少形は変わっているが駒沢練兵場時代のものである。また、南西の公園入り口あたりに馬を貨車に乗せる訓練場があった。土地の昔を知っている人から聞いた話だ。
２，代沢小関係
�〆筝�安吾ミニ文学館
代沢小の玄関ホールに小さな展示館「坂口安吾ミニ文学館」を作りました。安吾文学碑を建てたときの煉瓦の余りや記録などを展示しました。順次、展示内容を充実させていきたいと思います。坂口安吾に関連する資料の提供があれば助かります。単行本、写真など提供できる小物がありましたらよろしくお願いします。展示ケースには鍵がかかります。
��家庭学級講演会
テーマを変更して、森茉莉としました。「下北沢、淡島の森茉莉」ということで駅から淡島まで歩きます。森茉莉の文学舞台を訪ねます。終了後、小学校に一旦集まって、森茉莉を知る人に話をしてもらうという企画も考えています。１１月１４日を予定。
３，坂口安吾文学碑について
昨年、代沢小に文学碑が建立されました。町歩きの記事や映像などにもしばしば取り上げられるようになりました。が、問題として由来が見にくいということはあります。光の加減で光って読めないという点です。これについては掲示板の位置を上に持ち上げて見やすくする工夫を考えていきたいと思います。前号では文学碑の清掃をするとのことを伝えました。「建てたら建てっぱなしということではなく、できたら清掃をしたい。作家の生誕記念だと１０月２０日となります。その日にするか、あるいは前後の休日にするか今後検討したいと思います」と。ところが、会員の大久保良三がすっかり綺麗にしてくれました。次年度からは日にちを決めて会として行おうと思っています。
４，歩く会について
都市物語を旅する会
「北沢川文化遺産保存の会」は毎月テーマを決めて下北沢周辺の文化探査をしています。毎月、第３土曜日の午後１時に集まっています。集合地点はそのコースごとに多少違っています。基本的には少人数、10名程度ということにしていまます。それぞれがこの歩く会に参加して楽しむというものです。最後は世田谷「邪宗門」にたどり着いてお茶を飲みながら歓談します。参加費は徴収しておりません。歓談の際の飲み物は各自でお支払ください。なお、保険には加入しておりません。事故のないよう各自で責任を持ってください。
この会は参加の義務はまったくありません。ふらりと参加して、歩き、そして、歓談して終わりです。またいつかテーマで面白いなと思った時に参加する、そういう自由な会です。
これまで実施したコースはつぎの通りです。１．代田連絡線の跡を歩く、２．小説猫町を歩く、３．下北沢の大谷藤子を歩く、４．下北沢・淡島の森茉莉を歩く、５．銭湯を歩く、６．下北沢の無頼派を歩く、７。下北沢の教会を歩く、８。坂口安吾が歩いた道を歩く、９．駒沢線鉄塔を歩く 10．下北沢の映画痕跡を歩く、11．茉莉を歩いて茉莉に会う。12．だいだらぼっち川を歩く。13、小説『猫町』 を歩く。14、下北沢の稲荷社・庚申塔・地蔵尊を歩く。15「ダイダラ 坊」の痕跡を求めて歩く。16、代田の詩人師弟を歩く（萩原朔太郎・三好達治）17.林芙美子から坂口安吾を歩く 18.「下北沢店員道場を検証する」19、池の上の古い町並を歩く 20.「下北沢の教会を歩く」21 「下北沢の詩人痕跡を訪ねる」 22「坂口安吾の通勤ルートを歩く」、23「茉莉を歩いて茉莉に会う」,
24、「森厳寺川の源流を探索する」、25,「代田の歴史を歩く」 26、小説「猫町」を歩く
27、再度東京市巨人伝説を検証する 28、「戦争戦跡を巡る（�機法�29「代田連絡線徹底検証」
○今後の予定（変更になることがあります）
・第３０回、 ３０回を記念しての特別企画を実施します。
１０月１８日（土） 午後１時 渋谷駅ハチ公後ろ（しっぽを握って待つ）
「滝坂道を歩く�機� 渋谷、道玄坂、〜滝坂道旧道、円山花街痕跡、神泉町裏路地、くらやみ坂〜二、二六事件密議の場、皆行社住宅跡、駒場御用屋敷跡、獣医学校跡など
世田谷「邪宗門」まで。「滝坂道�供弉執皸羝佑�ら代田までをいずれ行います。
・第３１回 １１月１５日（土）午後１時 新代田駅
駒沢線詩歌文学ラインを歩く 午後１時 井の頭線 新代田駅
駒沢鉄塔ラインはドラマに満ちたラインです。そこを辿ります。
小田実、日野啓三、武林夢想庵、中山義秀、安岡章太郎、帝国音楽院、河口彗海、
萩原朔太郎、三好達治など ・ルートの中に地域風景資産６１号鉄塔があります。
・第３２回 １２月２０日（土）午後１時 下北沢駅北口集合
「下北沢の教会を歩く」 恒例の大久保良三による三度目のツアー開催です
世田谷カトリック教会、頌栄教会、富士見教会、聖三一教会
これを巡って今年の締めとしたいと思います。
・第３３回 １月１７日（土）午後１時 代田橋駅北出口集合
巨人伝説「ダイダラボッチの跡」を訪ねる 代田橋跡、ダイダラボッチ跡
代沢小は創立１３０周年を迎えます。それを記念して、「幻想朗読劇 ダイダラボッチ」〜東京市巨人伝説〜を劇団東演の協力を得て、ＰＴＡが開催することにしています。
その記念行事の一環としてこれを行います。（原作：きむらけん）
・第３４回 ２月２１日（土）午後１時 池尻大橋駅改札口集合
「戦争戦跡を巡る（�供法� 駒場の戦跡を巡る
・第３５回 ３月２１日（土）午後１時 下北沢駅北口集合
茉莉を歩いて茉莉に会う
◎申し込み方法、参加希望について
これまで参加申し込みについては当会の米澤邦頼まで連絡をください。
米澤邦頼 ０９０−３５０１−７２７８
メールアドレスyonezawa-.-v1961@ezweb.ne.jp
■ 編集後記
このところ下北沢鉄道Ｘ交点近辺の文化探査はあまり記事にはしていません。が、少しずつ調べてはいます。下北沢文士町は今も生きていると思います。今になってあの人もこの人もいたということで情報が集まっています。木村孝氏から詩人の笹沢美明の居住情報を教えてもらいました。「北沢２−３８」に昭和３２頃に住んでいたようです。このご子息が作家の笹沢佐保です。「詩人の家」という彼の自伝的作品があります。その中に、池の上の飲み屋で仲よくなった女性と近くに泊まる場面が出てきます。しもた屋改造の旅館に行くという話が出てきます。事実だとすれば具体的に浮かび上がるのは「晴光園」です。紀行作家の宮脇俊三の家でした。
作家では、他に宇井 無愁（代田２−９０１） 大庭さち子（代田２−６９８）も昭和３２年頃に住んでいたということです。
旧番地から作家本人の居住痕跡を探し出すというのは至難です。住んでいた人が知っていてそこから分かる場合が一番です。これらの情報に限らず、後生に残しておいたほうがよいというエピソードがありましたらお知らせください。
当会報への連絡、お問い合わせは、編集、発行者の きむらけん へ
aoisigunal@hotmail.com
