2021年11月
2021年11月29日
下北沢Ｘ物語（4376）―邪宗門：文化混沌奇譚奇跡奇遇―
（一）毎月末は会報を事務局の邪宗門に届ける。と同時に人が来て情報が集まる。前は故松林宗恵監督が来ていて「水も滴る女優」の話を聞いた、視姦し放題だったと想像する。と、昨日はその美女が現れた、栗原小巻さんだ、監督も名を挙げていた一人だ、彼女美女とはかくやという姿をチラリ見せて立ち去った。次に現れたのは二人の老女、医師の妻、地主の妻だった人だ。昔話全開だ、「へぇ」とか「ふぅ」とか感嘆したり嘆いたり、「夢のような時代だった」と。が、一人の訃報に及ぶ、「鳴瀬速夫さん、亡くなったのよ」、「え！」と私は驚いた。彼はハーモニカの名手、「特攻隊を送る会で『ラバウル航空隊』を吹いたのですよ。終わったとたん深い沈黙が訪れましてね」と言っていた。２０１２年夏、『鉛筆部隊と特攻隊』を上梓した。多くの反響があった、鉛筆部隊の隊員鳴瀬速夫さんは、物語の口火を切った人だ、なくてはならぬ人だったが、帰らぬ人となった。
１９４４年８月１２日、代沢国民学校の学童は夜十時下北沢を立った。翌１３日松本に着いて、駅からはぐらりぐらりと横揺れする市電に乗って浅間温泉に着いた。
「先生、不思議だよ、温泉に着いたら急によく目が見えるようになった！」
「高原だからな、空気がきれいなんだよ！」
翌日から集団生活がはじまった。六時半「きしょうラッパがなるとすぐとびおきてずろうす一枚になりました」と学童の一人は親への手紙に書いた。
「鳴瀬さんは起床ラッパを吹いていたのですよ。駒場に騎兵第一連隊があったでしょう。あそこに習いに行ったと話していましたね。冬は寒くて手がかじかむ、それで温泉のお湯でよく温めてから四つ辻に向かったと。温泉街だから音がよく響くのですね、朗々と吹いたと言っていましたよ」
「あれ、私の主人も浅間温泉ではラッパを吹いていたと言っていましたよ」
「そうそうラッパ隊があったのですよ、それでね、吹き終わって宿に帰ると女中さんがね、白米のお握りをくれたそうなんです、その味が忘れられないと言っていましたね」と私。
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2021年11月28日
下北沢Ｘ物語（4375）―戦争逸話の落ち穂拾い：台湾＆松本 ―
（一）機縁因縁、特攻隊、本当は日本鉄道音響史を書きたいが、鉄道ならぬ飛行機の道をさ迷い歩いている。『台湾出撃沖縄特攻』だ、これも現地取材をしたいができない。外地台湾の特攻を調べるのは困難だ、と専門家に言われた。それでも丹念に調べていくと部分部分に真実が隠されているからと知恵を授けられた。それであれやこれやと当たっている。台湾からの特攻は７月１９日で終わっている。この日に出撃したのが武揚隊飯沼芳雄伍長だ。彼は出撃したが完遂できなかった、機が不調で事故死した。彼は同級生に求められて松本では「今度会ふときは九段の花の下」と書き記した。これも因縁だ、この間、資料調べで靖國偕行文庫に行った。ここで手書き貴重資料を見つけた、当日は花ならぬ紅葉であった。「靖国神社に行ったところ飯沼伍長、君のおかげて新資料に会えたよ、ありがとう！」
今朝の「朝日新聞」社説では「水に流す日本 検証する英国」とあった、イラクには大量の核兵器が秘匿されていると言う米国のウソを信じ込んだ。それで日本はアメリカのためならエンヤコーラと自衛隊を派遣した。参戦した英国は徹底して事実検証をした、が、日本は何もしない、きちんとやりましょうなどという声は聞かれない。それを「水に流す」と表現している。
この件に限らない、検証はしない、証拠も出さない、出すとしてもほとんど黒塗りだ。これに何とも思わない、日本国民すらそれが普通だと思っているふしもある。
大事なことは何か、資料である。誰がどこで何をしたか？これをしっかり記録して公表していく。これによって歴史が作られていく。歴史記録は人が生きていく指針だ、が、日本にはこれを残そうとい習慣や考えがない。
１９４５年８月１４日、玉音放送前日の閣議決定で公文書の焼却を命じた。これによって全国で書類が一斉に燃やされた。戦争関係の書類などは徹底して燃やされた。
偶然的に自身は松本から出撃した特別攻撃隊の情報を知った。沖縄戦を控えた２，３，４月、陸軍松本飛行場には全国各地、のみならず朝鮮や満州から特攻機が数多く飛来してきた。宿舎として浅間温泉が使われた。目撃情報は数多く掴んだ。が、証拠となる記録はない。一切が焼却されたからだ。
自身、これの落ち穂拾いをしてきた。これによって数隊の動向が具体的に分かってきた。松本出撃特攻因縁を求めての旅は、もう十年近く続いている。今も調べている。
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2021年11月26日
下北沢Ｘ物語（4374）―世田谷下馬戦車物語 上―
（一）菊寮の南側には広い草っ原があったんだよ。夏草が生い茂っていて隠れんぼするにはうってつけだったんだ。あるときこんもりした高い背丈の草むらに入っていったんだ。ところがびっくりだ、赤茶けた機械を見つけたんだ。手つかずのものでネジがいっぱいついている。俺達はそこらじゅうにあった鉄くずはもう取り尽くしていた。ところがネジなどはいくつもついている。「おい、誰にもいうなよ、おれたちの宝だ、いいか、みんなこっそりとスパナを持ってくるんだ。屑を集めて売り払う、どの位になるかわからない。だけどこれだとアンパン、あんころ餅食い放題だ！」とタケシ。くず鉄を拾って売り払うと小遣いが稼げた。「だけどこの機械はなんなんだ？」四角い大きな箱はみな鉄でできている。「アンパン一年分あるぞ！」、「あれ、下の方、車がついているぞ！」「あ、これは戦車だ、戦車だ！」。「すごいおれらの戦車だ」、「おいおい、大きな声をだすな、これは俺等の秘密基地だ。少しずつ削ってアンパンに変える。絶対に人に教えるなよ」、こうして下馬の悪ガキたちは秘密協定を結んだ。
戦争は1945年8月15日に終わった。下馬地区には、近衛野砲兵連隊、野砲兵第一連隊、野戦重砲兵第八連隊があった。道、大山厚木街道の向こうの太子堂や三宿は空襲で焼けた。が、こちら側の太子堂、下馬地区は焼け残った。数多くの兵営が残された。
東京の大半はB29の空襲で焼き払われた。焼け残った兵営は、屋根のある家、とても貴重だった。それでここには戦災で家が焼けた人や外地から引き上げてきた人の宿舎として使われていた。昭和24年のことだった。
この下馬地区では軍馬が数多く飼われていた。兵営の隅には馬頭観音があったり、戦争で亡くなった馬を慰霊する馬魂碑などがあったりした。原っぱを走っていると固いものにけつまずく、掘り起こすと馬蹄や蹄鉄がでてきた。ときに固まって出てくることがあった。
「お宝をほりあげた！」と子供たちは、喜んだ。それを洗ってサビを落として、くず鉄屋に持ち込んだ。それがお小遣いになった。
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2021年11月25日
下北沢Ｘ物語（4373）―鉄道怪獣時代再到来？―
（一）≪「いいちゃんの『さくら』が泣きよっと」／ツトムは遠くで響いたその汽笛を聞いて、そんなひとりごとをいったのだった。≫２３年前童話大賞を受賞した、その作品の最後である。知的障害のあるツトムが、兄が乗った寝台特急『さくら』を追いかけて行く場面だ。一方兄は「鉄橋を過ぎて目をあけると、月が輝いて見えた。その下には、白く光る一本の田舎道がどこまでも続いていた。が、それもずんずん遠ざかってゆくばかりだ」と列車を追いかけているツトムを案じている。鉄橋というのは嘉瀬川鉄橋だ、ツトムからはテールランプが弧を描いて消え去ろうとする場面だ、佐賀平野、長崎本線を舞台とした物悲しい物語だ。が、今は『さくら』は走っていない。が、それでも『さくら』の後尾灯が弧を描いて消えて行くところはせつなく目に浮かぶ。掲出した『走れ走れ、ツトムのブルートレイン』の表紙絵は自身のイメージをよく描いている。
佐賀平野の一角で少年時代を送った。住まいから四キロほど離れた北方に長崎本線が走っていた。夕暮れ、汽笛が鳴って、西の方から黒い煙をなびかせて寝台特急『さくら』が走って来た。その後ろには宮沢賢治流に言えば、「客車のまどはみんな水族館の窓になる」、青い色の窓窓がカタタン、タンタンと音を立てて走って行く。そして、テールランプが夜闇に消えると遠汽笛がポォーと鳴る。親が病気をしていて田舎に自分は預けられていた。汽笛はせつない気持ちを募らせた。自身の鉄道慕情の原点だった。
この長崎本線が揺れている。来年秋に長崎新幹線が部分開業する。長崎と武雄温泉間である。長崎では歓迎一色、駅ビルやらホテルやら建設ラッシュが続いているという。が、長崎だけである。この新幹線はたった６６キロだ、武雄温泉に着くと在来線特急に乗り換える必要がある。時間短縮もたったの３０分である。しかも、この新幹線が開通してもほとんどメリットがない。
長崎新幹線は整備新幹線として敷設されたものだ。これの狙いは、「国土の均衡ある発展と地域の活性化」と歌う。が、長崎・佐賀両県はこの敷設を巡って大きく対立している。
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2021年11月23日
下北沢Ｘ物語（4372）―古道歩きの面白さと楽しさ―
（一）道程観は古代人と現代人では違っていた。道を詠んだ歌に、「君が行く道の長手を繰り畳ね焼き滅ぼさむ天の火もがも」（「万葉集」）がある。恋人が流刑の地に旅立っていく。彼女は愛おしさのあまり私とあなたとを隔てている道を焼き払いたいと。彼女の思いの濃さが伝わってくる。「道の長手」は距離感ではなく道のはるけさだ。心理的に遠く隔たっていることを言う。一方、今の我々は、道程に対して障害を感じない、鉄道があり、車があるからだ。道は、単に空間的に遠く隔たっているもので機械によって簡単に克服できるものと思っている。古代人に取っては道は精神的なものだった。それでところどころに道祖神や庚申塔、塚などを置いた。人々はここを通るときに手向けをした。道中恙なく安全でありますようにと。が、近代人にとっては邪魔なものだ。今は所々に、例えば「庚申塔群」などとしてかき集められている。ほとんどが邪魔者扱いされて変なところにおいてある。
世田谷通りと環７が交差するところにスーパーピーコックの入るマンションがある。この東側の一角に庚申塔、地蔵尊、富士講碑が固まって祀られている。庚申塔群の一つだ。各所で邪魔者扱いにされていたものが一箇所に集められたものだ。
「ここはビル陰で暗いですね、ここの富士講碑なんかもこんな塀の陰では明るいところにあったと思いますよ。きっと富士も見えていたと思いますよ」と私。
「昔、ここには富士見湯がありましたよ」と参加者の橋本さん。
この話を聞いて、納得した、この一角は高いところにある。高層マンションができるまえは「富士見湯」があって、富士が見えていたと思った、富士講碑もそこにあったと思った。が、古い地図で調べると「富士見湯」ではなくね「富寿の湯」だった。がっかりしてしまった。が、富士の見える有り難い湯が、もしかしたら「富寿の湯」ではなかったかと思った。
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2021年11月22日
下北沢Ｘ物語（4371）―古道の鼓動に耳を傾けよう―
（一）古道は古老だ、歩くと語り掛けてくる、「まずな、古道は古語に通ずる、一つ目は『そこはかとなし』だ。いいか、古道は、そこはかとなく曲がっているんだ。地形に優しいからなんだ。無理に突っ切らない、右から崖が流れてくれば左に振る。坂とか切り通しにはしない。人や車馬に優しいんだな。地形に沿って走っているからだ。人にも車馬にもこれが楽なんだ」「つぎに、景色だよ。二つ目が『おもむろに』だ、今の道路はまっすぐだ、道はな先々を見せてはいけないんだ。歩いている者が嫌になってしまうからだ。道に取って景観は大事だ、道は未知に通ずる、有名な歌がある。『田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ』だ、核心は『うち出てみれば』だ、姿を隠していた富士が、岩陰からにゅっと現れる、感動だな、初手からすべてを見せないでおもむろに景色を見せる。先々を一遍に見せない、角を曲がる度に富士の全貌が徐々に見えてくるというのは最高だよ。道は折れ曲がっているところに意味がある、溜といものだ」
第１６８回の町歩きを行った。１１月２０日、下北沢駅東口に参加者は集まった。タイトルは「世田谷の古道をはしごする」だ。案内者は、木村康伸さんだ。
まずは古道二子道を行く、餃子の王将の先を右に曲がって緩やかな坂を登る、右手が代田から転げてきた丘、これを避けるためにここではそこはかとなく曲がっている。古道の典型だ。古道の古老はいう。
「ね、こういうふうにして崖をいなしながら行く、そうするとそこはかとなく曲がるのだ」、
やがて北沢川だ、ここに掛かる橋はまさに名の通り、二子橋だ。
「すべて具合がいいのですね、二子橋に掛かっているから二子橋。もう一本向こうは鎌倉橋ですと」案内者。
すべてが都合良く作られている。ところが大正時代の地図を見ると、二子橋も鎌倉橋もない。道は、一旦、代沢小へ行き、ここの脇を通っている。今ある橋で言えば「橋場橋」、これを渡り三軒茶屋方向に向かかう。
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2021年11月20日
下北沢Ｘ物語（4370）―「カムカムエブリボディ」総本山探訪―
（一）今日（2021/11/20）下北沢駅に「世田谷の古道をはしごする」の参加者が集まった。「今日は先月から始まった朝ドラ『カムカムエブリボディ』の総本山を通るので見学していくことにしました……」と伝えた。そこは二子道の尾根筋に位置する。この一帯、ステータスのある者は丘上に居城を構えている。土地の人は、そこを「新鎌倉」と呼んでいた。この名称に商売が見え隠れする。この名は、新しく整地したところを売り出すためにデベロッパーが付けた。地名で言えば太子堂・若林境界だ。ここから東に380メートルほど行くと、「兵営の屍室と墓地と病院と、安カフエーに囲まれたこの太子堂の暗い家もあきあきしてしまった」と林芙美子は『放浪記に』描いている地点がある。土地柄が面白い。前者は丘上に位置する、後者は崖下に位置する。そこに階級の差がある。崖下には流浪者が住む、一方丘上には成功者が住む、そうして「カムカムエブリバディ」と歌う。
昭和の初め、鎌倉通りの北端に当たることから「新鎌倉」と名づけられた。場所は烏山川左岸の崖上だ。眺めがよい。
ここには文化人や軍人が多く住んでいた。朝ドラ「カムカムエブリボディ」が今月から始まった。当事者平川唯一氏はこの一角に住んでいた。そこは処分されたらしく別の人が住んでいる。今は昔、この家に札が下がっていた。「カムカムクラブ」と。そう「カムカムクラブ」の総本山だったのだ。
NHK朝ドラは「カムカムエブリボディ」だ。これは終戦直後から始まったラジオ講座、通称「カムカム英語」の冒頭で出てくるフレーズだ。「カムカムエブリボディ」が始まると多くがラジオの前に集まった。メロディは「証誠寺の狸囃子」であった。狐狸的な雰囲気で戦争に負けた日本人を化かしたのだろうか。それは世田谷若林に住む、眼鏡をかけたおじさんであったとさ。
wikiでは、平川 唯一1902年2月13日 - 1993年8月25日）は、日本放送協会（NHK）のアナウンサー、ラジオの英語会話講座講師。通称「カムカムおじさん」。1946年から1951年までラジオ番組「英語会話」を担当し、人気を博した（番組は「カムカム英語」という別名で知られる）
平川唯一が何時から新鎌倉に住んだのかはわからない。
アメリカで結婚した彼は昭和十二年に帰国している。新しく切り開かれた土地は、戦前に売り出されたものだ。この一帯を多くの軍人が土地を買っている。
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2021年11月19日
下北沢Ｘ物語（4369）―罹患「家にいたいいたい病症候群」―
（一）気づかないうちに罹患していた、「家にいたいたい病症候群」である。自分一人では分からない、この間、笛吹市の矢花克己さんと電話で話した。彼、「東京に行くのは怖くてもう住まいから離れたくないですよ」「同感、松本に取材に行こうかと思ったのですけどね。何か遠くに行くことがストレスですね。電車に乗ること、向こうで食事をすること、それを考えると行くのが面倒くさいと思うのです。けども毎日、散歩は欠かさないのですよ。旧郡荏原はさるき歩いているのですが、電車に乗って遠出はまったくしません。御嶽山なんてみな知らないでしょうが、よく歩いていきますよ。新幹線がシュワッと音を立てて通るのですけど、なんであんなに速く走る必要があるのか？と思います」東海道新幹線が赤字だという。Pandemicによって人々の外出観が大転換した、皆、「家にいたいいたい病症候群」に罹っているのに、気づいていないのでは？
このところコロナの感染者が急激に減っている。朗報である、交通機関も乗客がいなくて息も絶え絶えだった。しかし、期待したほどに人の移動は増えていないようだ。
社会や世間は、陽の当たるところを報道する。浅草や渋谷の人では増えましたよと、賑わいを伝えようとする。ところが言うほどに人々の心は解放されていない。「家にいたいいたい病症候群」が大幅に増えていることはきっとわかりもしないだろうが、なんでもいいからにぎわかしいを伝えようとする者にとっては「家にいたいたい病症候群」の存在は敵である。
もともと引きこもりがちだった人が、スティ・ホームを言われたときに嬉しくなったという。これで正当な理由で家にいられると喜んだという。
仕事でもリモートが言われるようになった。感染者が減ったからこれも中断していいはずだが、リモートという方法にすっかり慣れてしまってそのまま続けている人もいる。中には田舎に帰ってのんびりリモートをしながら暮らしている人もいると聞く。
世の中、気づかないうちに価値の大転換が起こっている。
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2021年11月17日
下北沢Ｘ物語（4368）―三軒茶屋と古本屋―
（一）三軒茶屋は分去れだ、近代における歴史の結節点は三つだ、一つ目は明治４０年(1907)３月６日道玄坂上と三軒茶屋間に玉川電気鉄道が開業したこと。二つ目は大正１２(1923)
年９月１日に関東大震災か起こった。被災民が当地に多く押しかけてきて住み着いたこと。三つ目は昭和２０年８月１５日終戦だ、空襲被害を受けた当町が復興していくきっかけとなった。この町をよくさすらっていたある詩人は、「この辺り一帯はむろん戦火を蒙って一度は灰燼に帰した区域である、だから繁華街とはいっても建物はすべてバラックの仮建築物」（『薄暮の新緑』）だったと述べている。こういう町にどういう人が集まってきたか。もちろん庶民であるが、面白いのは教養ある人、知識人がこの町にさすらって来ていた。
それは誰であろうか？
詩人、それは三好達治だ。彼は、三軒茶屋の隣町、太子堂の外れに位置する所に住んでいた。ちょうど彼の家から三軒茶屋方向に道が延びていた。
今は、下北沢から三軒茶屋に行く道、茶沢通りがある。が、昔は、一直線に行く道はなく。代田外れから南東方向へと向かう道が使われいた。これを行くと道は下る。途中左手に畑俊六元帥の旧居があった。馬に乗ったまま楽に下れるようにと陸軍の工兵隊がここを削ったという話がある。この道を道なりに行くと清水湯という銭湯があった。彼はここへ通っていた。
先に紹介した『薄暮の新緑』という文章は、昭和二十五年六月号の『藝術新潮』に載った詩人の作品だ。
この冒頭に「裏町の銭湯の入り口に傾きかかった柳の緑が美しい」とある。この樹木については以前調べたことがある。
「ここの銭湯の前に柳の木がありませんでした？」
「ああ、伐られちゃったけど、そこにあったな」
銭湯清水湯のはす向かいにある豆腐屋さんで聞いた。
詩人は銭湯に入ってその足で附近、三軒茶屋や太子堂を歩き回っていた。
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2021年11月16日
下北沢Ｘ物語（4367）―三軒茶屋文士町文化地図（太子堂・三宿）―
（一）この間、代沢小学校前から下６１に久しぶりに乗った。三軒茶屋に着くと乗客がほとんど入れ替わる。新たに乗り込んできた二人は久しぶりに出会ったよう。「私の所主人が亡くなったのは５年前」、「私は４年前」と。『やはり男は先に死ぬのだと』実感した。会話は続く、「やっぱり、三茶だわね」、「うんそうそう」、「この間渋谷行ったらね、何あれっと思ったわ。わけがわからないの。道は迷うしね、人にはぶつかるし、絶対行きたくないないわ」と渋谷をけなしまくっている‥車窓にスーパーが見える。「この頃、オオゼキは行かないわ、量が多いのよ」「うん、そうそうやっぱりサミットよね、並べ方が違うしね、だからずっとサミットよ。パンも焼いているしね」、「うんうん、まあ、でも買い物は三茶だね、気取っていないからね。来やすいのよ」、「そうね、自然と引き寄せられるのよね」と。主婦には三茶は人気だ。庶民的で物価が安く、しかも街が渋谷みたいに気取っていない。彼女等の言動は街の文化をあぶり出す。ここは種々雑多な人が立ち止まり、そして通過していく街、「三茶分去れさすらいの町」
新たな地図づくりを始めている。三軒茶屋を中心とした文化地図である。「下北沢文士町文化地図」の姉妹版だ。当初は、「三軒茶屋・太子堂界隈文化地図」としていた。
ネットでこれを見た文学研究者の猪熊雄治氏は、「葛西善蔵がいるから、三宿も入れるといい」との指摘。非常に面白い提案だ。葛西善蔵「私小説の神様」とも評される。その彼は、三宿が終焉の地である。地図の厚みが増すと思った。
「三軒茶屋・太子堂・三宿文士町文化地図」である。が、これは長い。シンプルである方がよい。ということで
「三軒茶屋文士町文化地図（太子堂・三宿）」
とした。問題は、文士町だ。下北沢の場合は、全体に示し合わせて集まったわけではないから「文士町」とした。三軒茶屋はどうか？
これは幾田充代さん情報
1925年（大正14年）４月、野村吉哉と世田谷町太子堂の円泉寺の路地奥の二軒長屋に住む。長屋の一軒（隣）には壺井繁治、栄夫婦が住み、付近には若い頃の平林たい子・飯田徳太郎（同棲）や黒島伝冶らもいて、たい子とともに、詩、童話を売りに歩く、とあり。
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2021年11月14日
下北沢Ｘ物語（4366）―比較文学論：北沢川＆烏山川 ４―
（一）新感覚派の勃興の地と純文学終焉の地は、約一キロ弱だ、前者は北沢、後者は三宿だ。昭和二年十二月一日の『朝日新聞』の土地の広告に北沢の丘からの眺めが描かれている「ひろびとと豁け此あたり一帯の所謂『近代郊外風景』が居ながらに恣にされます」とある。一方、後者は、「其日は紀元節で、見窄しい新開街の家々にも國旗が飜つて見えた。〜中略〜二軒長屋の西側の、壁は落ち障子は破れた二間きりの家の、四疊半」（『足相撲』嘉村磯多）と説明される。土地の風合いが端的に言い表されている。近代人によってこれから築かれる街、反対にすでにできあがっている街との違いである。この二つの違いは北沢川と烏山川の雰囲気を端的に表している。昭和文学が勃興し、そして大正文学が終わった場所は著しく近接していた。が、葛西善蔵を巡っての文学論は沸騰していた。
葛西善蔵の死は文壇を沸き立たせた。彼の死を取り上げた追悼号を拾い読みすると面白い。谷崎精二（谷崎潤一郎の弟）の「弔辞」の一節だ。
貧困と病苦との中に、肉を殺ぎ、骨を削るの労苦を敢へてしつつ君は多くの優れたる作品を産めり、その苛烈なる人生批判と、冷徹氷の如き観照と、之を包む高貴なる藝術的芳香とは正に文壇の至宝たり
「弔辞」であるということもあろう、誉めて誉めて誉めたという点はあるだろう。が、彼は葛西善蔵の文学を高く買っていた。またこうも言う。
『日本の純文学は葛西善蔵の死と共に滅びた』
誰やらがこんな事を云った。無論此の言葉は誇張である。そして誇張である限り、一面的真実を有する。
感想二三 葛西善蔵全集別巻 津軽書房 １９７５年
宇野浩二はべた褒めする。「彼が天才であるといふ私の意見は、私は疑わない所である」と。（『葛西善蔵』文藝春秋 第六年第九号 １９２８年）
誉める人もいればけなす人もいる。ゆえに面白い。
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2021年11月13日
下北沢Ｘ物語（4365）―比較文学論：北沢川＆烏山川 ３―
（一）今日のことだ、邪宗門に行った、つい文化談義となる。北沢川文化と烏山川文化についてだ。前者は小田急電鉄系で急行的なおしゃれさがある、後者は玉電系で砂利電的な土臭さがあると言う。すると米澤邦頼さん、「Yの字はなんとかなりませんかね」、「なるなる、分去れ的文化でさ、三茶でさよならしていくんだよね」「かっこいいっすね」と彼。「考えてみると北沢川には文学碑が五つもあるんだよね。それがみんなほとんどが我らが建てたもの」、「この間、『代田の丘６１号鉄塔』の看板を読んでいる人がいるので声を掛けたんですよ。そうすると近々子供が生まれるので妻が好きだという朔太郎から名前をもらうつもりだと言っていましたよ」と米澤さん。その碑の看板をついさっき写真を撮りに行ったら。大勢の人、驚いたのは皆、手に手に『下北沢文士町文化地図』もっている。「これはいいですね、一日楽しめるのですよ」、「それは私が作ったのですけど！」、「ええ、あなたが？もしかしてあなた邪宗門の人」、「いえ、北沢川文化遺産保存の会なんですけど」、「へぇ、驚きですね」と。うん、もう驚くことばかり、ウィキペディアの会の表示をきれいにしてくれた人もいるし……
葛西善蔵は昭和３年７月２３日に三宿で亡くなった。三宿１１１番地が終焉の地である。彼の死は『日本の純文学は彼とともに滅びた』と評される。文学史のエポックを刻む場である。そこはどこだ？当該番地を訪ねる。通りから細い路地に入る。坂になっている。烏山川右岸だ。突き当たって右に曲がる。鍵型の路地を抜けたところにその地はあった。建て売りらしい一軒が建っている。だいぶ前を思い出す、萩原朔太郎旧居の玄関チャイムを鳴らした。夫人らしき人が出て来た。「詩人の旧居ですね？」、「それが何なのですか！」と言われたことがある。終焉の地という場合、刺激される場合とそうでない場合がある。葛西善蔵旧居の場合はとくに心浮き立つことはなかった。ただ今はの際、うわごとのように「切符、切符」と言っていたという。死出の旅路にも切符は要るのかなどとそこでぼんやりと考えた。
我らはたまたま「北沢川文化遺産保存の会」を立ち上げた。興味を持ったところが違えば考えも変わってくる。「烏山川文化遺産保存の会」を作ったろうか？
北沢川文学と烏山川文学の比較、単純比較でこの両者に文学碑が何基建っているか？北沢川は五基だ、烏山川はたぶん零だろう。五基のうち四基を建てた。一基は我らに対抗するグループが建てたものだ。
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2021年11月11日
下北沢Ｘ物語（4364）―比較文学論：北沢川＆烏山川 ２―
（一）北沢川文学と烏山川文学圏には大きな文化の違いがある。居住区として開けたのは鉄道の敷設である。が、ここにエポック的なことがある。大正１２年の関東大震災である。烏山川沿岸に沿って玉川電車が走っていた。路面電車である。こちらは震災時には開通していた。北沢川沿岸は小田急に大きな影響を受けている。これの開通は昭和二年、震災以後に小田原急行電鉄は開通した。電車敷設が両側の文化に大きく関係する。烏山川沿岸は震災を契機として急激な発展をする。避難民用のアパート、貸し屋などがにわかに作られた。一方、震災から遅れてできた郊外型急行電車に人々は憧れた。玉電砂利電と小田原急行ではその魅力が全く違っていた。
烏山川文学だ、山田風太郎、永井叔由、林芙美子、壺井栄・繁夫婦、永井叔が上げられる。その他にも居住していたのが段々に分かってきた。猪熊雄治氏情報では、詩人の太子堂１０５番地に詩人の北園克衛が居住していたという。それ以外にも橋本進吉なども住んでいたことが分かってきた。住所などがはっきりしないのは一時的にしか住まわなかったからであろう。
一帯には震災後、さらには戦災後、容易に住める場所があったゆえに多くが流れてきた。しかし、その滞在は長くはなかった。仮の住まいで、じきに他に移っていった。こういうことからすると烏山川文学は、人知れず文士たちが集まっていた場所である。文学的にはさすらいの町であったと言える。
「三茶分去れさすらいの町」である。玉電で渋谷からやってきてはここに居住した。庶民の町ゆえに物価が安いというのも魅力であったようだ。下町的で暮らすのによいという点もあったようだ。
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2021年11月10日
下北沢Ｘ物語（4363）―比較文学論：北沢川＆烏山川―
（一）我らの文化発信第一号は「北沢川文学の小路物語」である、北沢川筋の物語を描いたものだ。が、つい最近になってこれに対置されるものがあると気づいた。発端となったのが文学者猪熊雄治氏の鋭い指摘である。地形文化論的な文学史である。我らがフィールドとしている文化は川や道や鉄道に沿っている。観察の仕方は動線に沿う、横断的視点で見てしまう。が、彼の視点が面白い、言ってみれば縦断的な文学史観である。そことそことを縦に測ってみた、するとたったの８８３メートルである。どことどこを測ったかというと北沢の雨過山房と三宿の葛西善蔵旧居との距離である。前者は横光利一だ、彼は昭和３年(1928)１１月に阿佐谷から越してくる、後者は、昭和３年７月２３日に死去する。この点である、わずか一キロに満たない地点での文学の勃興と文学の終焉である。すなわち昭和モダニズム、新感覚派が台頭し、一方では「葛西の三宿への転居と窮死が文学史的な流れ＝大正文学の終焉を象徴」（猪熊雄治氏）という。つまりは谷一つの越えたところで文学史のエポックが起こっていたことである。目が覚める思いがした。
我ら北沢川文化遺産保存の会は、２００６年５月、「北沢川文学の小路物語」を発進した。北沢川という川に沿っての文学観を基軸にしている。今回意識したのはこの北沢川に並行して流れている烏山川である。この沿岸にも文学者たちは住んでいた。
先だって、太子堂と三宿を歩いた。葛西善蔵の旧居を訪ねるためである。が、このときに地図を忘れて行って確認ができなかった。今日再び三宿一丁目に行き、一角に固まってある三箇所の旧居を確認した。西隣が太子堂である。密集した家並みは同じである。
葛西善蔵は震災以後、大正十四年(1925)三十九歳 四月から、昭和三年(1928) 四十一歳 七月二十三日に亡くなるまで住んでいた。四年ほどである。
この葛西善蔵を慕っていたのが嘉村磯多だ。葛西の口述筆記者だ。彼が三宿を訪れたときのことが『足相撲』に書かれている。
其日は紀元節で、見窄しい新開街の家々にも國旗が飜つて見えた。さうした商家の軒先に立つて私は番地を訪ねなどした。二軒長屋の西側の、壁は落ち障子は破れた二間きりの家の、四疊半の茶呑臺の前に坐つて、髮の伸びたロイド眼鏡のＺ・Ｋ氏は、綿の食はみ出た褞袍を着て前跼にごほん／＼咳き乍ら、私の用談を聞いた。玄關の二疊には、小説で讀まされて舊知の感のある、近所の酒屋の爺さんの好意からだと言ふ、銘酒山盛りの菰冠が一本据ゑてあつて、赤ちやんをねんねこに負ぶつた夫人が、栓をぬいた筒口から酒をぢかに受けた燗徳利を鐵瓶につけ、小蕪の漬物、燒海苔など肴に酒になつた。
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2021年11月08日
下北沢Ｘ物語（4362）―三軒茶屋・太子堂・三宿文士町地図 １―
（一）2004年12月、北沢川文化遺産保存の会は発足した。沿岸地域に住む文士の居住地を調べ、彼と土地との関わりを調査・研究してきた。当地域に文芸人たちが数多く住んでいたことが分かってきた。文士達の集まりがなぜ形成されたか、昭和3年に当地に阿佐谷から越してきた横光利一が元を作った。雨過山房に多くの文士が集った、その点では文士村と言える。が、蝟集する因としてはまず人があった。しかしその後の詩歌系統、俳句、短歌、詩などの集いはむしろ別の要素、人ではなく線が文士達を集めた。下北沢における鉄道交差である、郊外地で気風が自由であること、鉄道の利便性の高さから文士たちが集まってきた。人よりも、鉄道が集めた。それで文士町と名づけた。この発展系として隣接する三軒茶屋・太子堂地区の地図を思いついた。これは……界隈文化地図とした。が、三宿も入れたらと研究者からの勧めがあった。彼を入れると界隈では済まない。文学の大御所、葛西善蔵が入るからだ。この地域の文人が示し合わせて来たわけではない。そういうことを加味すると「三軒茶屋・太子堂・三宿文士町文化地図」になる。
我々は長年北沢川を中心とした地図を作ってきた。それが「下北沢文士町文化地図」である。現在では改版を重ね、今は八版を配布している。完璧にとは言えないまでも調べ尽くした観はある。
「調べはこれで十分じゃないか、あとやっていくと同人誌級の人物になる。そこまでやるとこの地図の品質が落ちるぞ！」
地図を見た人が、そんな批評をしていた。集めすぎという傾向はないことはない。そんな中で「三軒茶屋・太子堂界隈文化地図」を思いついたのは、新たな領域を開拓してさらに自分たちの興味を深めようということからだった。
新地図は「下北沢文士町文化地図」の南側に当たる。ちょうどここには古道滝坂道が走っている。尾根筋道だ、ここが下北沢と三軒茶屋界隈を分ける境界線となっている。
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2021年11月07日
下北沢Ｘ物語（4361）―下北沢貝類専門店「ナガヌマ」伝説 了―
（一）貝とは何ぞや？「貝は、軟体動物の総称」だ。貝は人によく食される。なぜ人はこれが好きか、軟体動物の食味がいいからだ、もっと具体的に言えば、噛み心地のよさである。が、それだけで遠くから多くが電車に乗って下北沢の「ナガヌマ」に来るのか分からない。「それはね、あんた郷愁ですよ」ととある人。田舎の海には美味しい貝があった、そこで育てば味は忘れられない。例えば仙台湾、多くの川が流れ込む、ここから流れてきた栄養分が赤貝を太らせ、ホヤを育てる。あの貝の味は独特である、一度味わったら忘れられない。「やっぱり貝は殻付きでないと、殻から取り出した貝は、色艶がいいし、何と言っても噛み心地が最高です。皆あれに魅せられて通ってきたのですよ」と女主人の長沼洋子さんは言う。貝への郷愁を人は持つ。が、資本主義の繁栄は貝の食味を減殺し、貝の海を侵蝕していった。つい十数年前、ふんだんに目にしていた小柱など全く見なくなった。
「うちではタコも扱っていたのですよ。お客さんから注文が入ると大きなのを六パイぐらい仕入れるのです。うちの注文ということが分かっているものですからいいものを卸してくれるんです。あれは大きすぎても小さすぎてもいけませんね、頃合いのものがいいのです。これを茹でる、大きめの鍋をぐらぐら沸騰させて、まず塩を入れる、そこにタコを入れるのです、やっぱり大事なのは色味ですね、おいしいタコを作るには色ですね、ここだと思ったときに鍋から上げる……」
「ここのタコはほんと食味がいいからな」
お客さんはいつも誉めてくれた。
「私ね、『ナガヌマ』さんにナマコを買いに行ったことがあるのですよ」
これは邪宗門の敬子さん。
「あれは歯触りですね、貝殻のない貝ですね」と私。
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2021年11月05日
下北沢Ｘ物語（4360）―下北沢貝類専門店「ナガヌマ」伝説 ２―
（一）「戦前、戦中、戦後の混乱期、昭和の復興発展から今日までお客さまと共に頑張って参りました」、下北沢駅前食品市場の「ナガヌマ」の閉店予告に記されていた文言だ、２０１６年６月３０日、「ナガヌマ」は８７年の歴史を閉じた。店名の頭には常に「川魚貝類専門」と。川魚、貝一筋に生きた経営者の誇りだ。一帯では一つしかなかった店の盛衰は近代史と結びつく。資本主義は貝を侵蝕する、好個の例はディズニーランドがアオヤギを侵食したことだ。この店の興隆には、街の立地が大きく関係する。二つの鉄道が交差する駅前にこの「川魚貝専門店」があった。なぜ流行ったか、やはり鉄道が交差する場ゆえに伝説が生まれやすかった。「ナガヌマには旨い貝がある」ということで四方向から人が集まってきた。これが長く続いた。結局は駅前整備ということで立ち退かざるを得なかったが、その背景には大きな問題が潜む、資本主義という繁栄が貝の住む場を奪った。果てのない人の食欲であり、海洋汚染であり、地球温暖化である。
「ナガヌマ」の女主人、長沼洋子さんからは興味深い話を聞いた。下北沢の「ナガヌマ」が流行っていることから、主人の京蔵の知り合いが千歳船橋で、彼の助力を得て開店した。下北沢で扱う品物の量の十分の一ぐらいだったという。が、しばらく店を開いていたがたちゆかなくなって店を閉めたという。
この話を聞いて、やはり思ったことは、鉄道交差の利便性である。
下北沢には教会が多い、教会が示し合わせてきたわけではない。やはり根幹は交通の利便性がある。あっちからも、こっちからも来られる、「ちょっと降りて礼拝」できる。
「そうそう、井の頭線、小田急線を使ってこられていましたよ。成城学園に住んでいる奥様もよく見えましたよ」
タレントの〇〇さん、結婚したんですよ。それで奥さんと郊外に住んだ、この奥さんは元々はうちの店の常連、結婚してもね多摩動物園の方から買いにこられましたよ。
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2021年11月04日
下北沢Ｘ物語（4359）―下北沢貝類専門店「ナガヌマ」伝説 １―
（一）下北沢北口駅前市場の高村園の主人に聞いたことがある。年中店番をしていると人の足音で世の動向が分かると。「この衆院選後はどうですか？」「うん、そうね野党共闘は大事だ、が、分際意識が強く一枚には見えなかった。もっとも大事なのは言葉だ、庶民の心に突き刺さる言葉がなかった。原発やリニアは反対だ、言ってほしかった。野党共闘は正しい。現、うそこ政権に鉄槌を加えられると思っていたができなかった。もう翌朝には特にリベラルがだめだよ。足音がふんにゃり、相当に落ち込んでいて未来を失ったみたいだよ」「その話はそこまでにして昔に戻りましょう。貝屋のナガヌマさんところからはどんな足音が聞こえました？」「赤貝のいいのが入ると足音でわかる。コンコンコンと三和土を打つ音がするんだよ。奥さんの長沼洋子さん『やっぱりいい貝が入ると自然に分かるのですよ、お客さんの足音も弾みますよ』と言っていた、うまいものに出会うと客はな自らが音楽を奏でるのよ。そこがな下北沢さ……」
「川魚貝類専門 ナガヌマ」は、「下北沢駅前食品市場」の中に店を構えていた。知る人ぞ知る隠れた名店だった。
２０１７年９月、駅前の再開発に伴い、とうとう閉店してしまった。
「お店は６０年続きましたね」
もう閉店して４年が経つ。
「多くの人に愛されましたね、『川魚貝類専門』なんてなかったでしょう。だからね、遠くから買いに来られましたよ。下北沢のお客さんだった人が、郊外に引っ越すでしょう。ところが貝というのは一度味わったら忘れられないのですね、遠くからでもわざわざ買いにこられるのですよ」
貝は人を惹きつける。この根幹には文化がある。やはり、海産物と川魚貝類とは大きな違いがある。
都会人のほとんどは田舎から出てきている。その人々は地方で育っている。つまりは地方地方で採れたものを食してきた。各地の川は、川特有の味があり匂いがある。
「貝の中で一番の高級品は何ですか？」
「高いといえばいろいろのものはありますよ。アワビなんかも高いですよ。でも、ね、やっぱり赤貝でしょう。あれの上等なものは堪えられないそうですね、赤貝をつまみに日本酒いっぱい、最高の贅沢だそうです。あれはうちは殻付きのまま仕入れてきましたから。貝はね、なんといっても殻付きですよ」
確かに、赤貝はおいしい、ところが今はおいしい赤貝はない。ときどき肉厚の赤貝が売られている。が、これは韓国産である。何といってもこの赤貝は歯触りが勝負だ。
日本の赤貝の名産地は宮城県名取市閖上である。しかし近年問題になっているのは麻痺性貝毒だ、これが発生すると禁漁になる。原因はやはり地球温暖化による。
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2021年11月02日
下北沢Ｘ物語（4358）―原爆絵図を下北沢地下道で見たか？―
（一）聞き捨てならない話を聞いた、「みんなそれを見て涙を流していましたよ」と。その証言をしてくれた人は長沼洋子さん、７９歳である。「兄弟四人いますけど、この話を知っているのは私だけです。だって他の四人は地下道を通らなかったのです。そんなものがなくてもみんな怖くて通らなかったのですからね」「あの下北沢の地下道の壁に貼ってあったのですか？」、「そうなんですよ。誰が貼ったのかわかりませんけどね」「それは何枚くらいですか？」、「数までわかりません。壁にざっと貼ってありましたからね。それを見ては大人の人たちはあまりにも悲惨だったので泣いていましたよ」……下北沢駅の南北を結ぶ地下道、なんとここに原爆の被害写真が壁にずらりと貼られていたとのことだ。地下道のことは多くの人から聞いてきた。原爆の写真が貼ってあったとの証言は初めてだ。傍証があれば事実として確認できる。これを覚えている、聞いたことがあるという人は当方に連絡を！
長沼洋子さんは昭和十八年生まれだという。学校は池ノ上小学校だ。両親が一番街でうなぎを扱う店を開いていたので南口から北口へ行くとき近道になるのでここを通って行ったという。はっきりした期日はわからないが彼女が池ノ上小学校の低学年だったとき、昭和２４、５年くらいのことではないかと思われる。
日本は戦後、国連軍、進駐軍統治下にあった。いわゆる「サンフランシスコ講和条約」が締結されてその発効を迎えたのは、1952年（昭和27年）4月28日である。それまでは米軍統治下にあった。
占領統治下の日本では、原爆被害の残酷さを伝える報道が厳しく統制されていた。だから原爆の実情を伝える被害写真を公道に張り出せるわけはない。想像できることは下北沢在住の市民がこっそりと貼ったのでないか。貼るにしても大っぴらに貼れない、人目につかない地下道を選んで張り出したものと思われる。
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2021年11月01日
下北沢Ｘ物語（4357）―会報第１８4号：北沢川文化遺産保存の会―
…………………………………………………………………………………………………………「北沢川文化遺産保存の会」会報 第１８４号
２０２１年１１月１日発行（毎月1回発行）
北沢川文化遺産保存の会 会長 長井 邦雄（信濃屋）
事務局:珈琲店「邪宗門」（水木定休）
155-0033世田谷区代田1-31-1 03-3410-7858
会報編集・発行人 きむらけん
東京荏原都市物語資料館:http://blog.livedoor.jp/rail777/
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１、「三軒茶屋・太子堂界隈文化地図」
当会主幹 きむらけん
先号でお知らせした「三軒茶屋・太子堂界隈文化地図」については、発行する方向で準備に入っている。おおよその面取りもできた、基本的なレイアウトも決まった。文化事象の痕跡としては映画館跡（五箇所）、銭湯（現役・廃湯 草津湯、清水湯）神社仏閣、碑（大山道・馬魂碑など）を考えている。
歴史経過を考えると「軍都から平和の町へ」というフレーズが浮かんでくる。それで野砲兵聯隊跡など軍事関係は記すつもりである。地図を作っていると町が見えてくる。文学を中心に据えて作っているが、気づいたことは定着者がいないことである。多くがさすらい歩いていた人が、ここに立ち止まった。そしてしばらくすると他所に移ってしまっている。この点からしても「三軒茶屋・太子堂」はさすらいの町、流離の町だったといえる。これを象徴するのが分去れ、追分だ、人がやってきてそしてここと別れてよそに去っていく。昔、ここでは分岐がはっきりあった。玉電の分岐機だ、渋谷方向から来た電車は一方は大山街道へ、一方は高井戸方向へ、分岐機で二両編成がくにゃりと曲がって腹を見せてとおる、これが電車の花舞台だった。
地図づくりは面白いし、楽しい、皆さんも参加あれ、情報を寄せてほしい。
２、永井叔さんと歌ったこと 会員寄稿 田島 哲夫
世間がアンポ、アンポと騒がしくなる数年前なので、1948年生まれの私が10歳位の頃だったと思います。仙台市の琵琶首新丁とか琵琶首丁と、広瀬川がぐるりと大きく蛇行して出来た地形に由来する住所に住んでおりました。当時あちこちに残っていた空き地は子供たちの絶好の遊び場となっていました。
暑くも寒くもない時季のある日、誰からか、集まりがあると聞いて何だろうと、琵琶首丁の確か若林さんという人の家の前の広場に行ってみると15〜20人位の子供たちがひとりのおじいさんの周りに集まってました。近づくと小さい子供を前にして、手を伸ばせばすぐ届く近さで取り囲んでいます。お母さん方が外側にちらほら。「おおぞらしじん」ていう人よ、と教えられましたが、薄くなった頭に眼鏡をかけて、何よりもその長いアゴヒゲの、おとぎ話にでも出てきそうな容貌を見て、何だか不思議な人だと思いつつ、マンドリンを弾きながら唄うおじいさんに声を合わせてみんなと歌ったりしましたが、歌詞カードがどんなだったのか記憶には残っておりません。おじいさんがどのような声だったのか、しわがれてたり、変な声だったりしてれば覚えていると思いますので普通の声だったのでしょう。訛りもなく、イントネーションは普通だったと思います。どんな服装だったのか小学生に関心のあるはずもありません。
学校で習った歌の他に、自分で作ったという歌も教えてくれましたがあまりピンとは来ませんでした。他にお話もしてくれましたが何を話したのかこれも記憶にありませんが、話すときの調子は、気楽に世間話をするような普通の感じでの話し方だったと思います。また、特定の誰かに集中することなく、万遍なく全員に向かって話してくれました。「本にものったんだよ、ほら」と、自分のことが掲載されている雑誌も掲げて見せてくれましたが、その挿絵が、長い髪を後ろになびかせて警官から追いかけられている場面だったので「乞食だと…」と、これは私の口から出てしまいました。雰囲気がちょっと凍り付くような感じになったので慌てて口をつぐみましたが、悪いことを言ってしまったものだと今でも想い出すことがあり、そのたびに慚愧の念にかられてしまいます。初めて言うことです。
そのこともあって何だか冷めてしまい、４０分位はいたと思いますが途中で集まりを離れてしまいました。それでも気になって２０分位経って様子を見に戻ると、やや人数は少なくなっているものの、まだ集まりは続いていたので、遠くからしばらく眺めておりました。おじいさんの名前が永井叔ということやその事績は近年になってから知りました。永井さんの想い出はこのようにおぼろげでやや苦いものもありましたが、自作だという歌の一節のみ、はっきりと心に残っております。「カーネーションの 花はねえ〜」という歌詞で、採譜すると「ミーミレドードー ラド―ラミ―」となります。
家に帰って父（1920年生）に話したら、「大空詩人か、有名な人なんだ、おれも子供の頃集まりに行ったことがあるよ。ここにも来たのか。」父は東京の人で当時は蒲田在住。親子で同じ人に同じ経験をしたのかと子供心にびっくりしたことを覚えてます。
〇永井叔についての追加情報（赤坂暢穂氏からの11月3日）
私は、北沢小学校の５、６年生（1953-54年）の頃、担任が福田誠夫先生（福田正夫の長男）で音楽の時間にたまに、永井さんを学校にお呼びして、校舎西側の非常階段に下から上まで生徒が並び、担任が生徒に裏が白い紙を持ってくる様に言われ、白いところに楽譜と歌詞を謄写印刷、それを見ながら生徒は永井さんの演奏（マンドリン、ハーモニカ、鉄琴か木琴）で歌を歌いました。
今の様な管理教育が厳しい中ではとても考えられない貴重な体験をしました。
３、忘れられない先輩たち(その２） ＜飲兵衛君の思い込み＞
エッセイスト 葦田華
ケロヨンを背負って帰って来た飲兵衛君は、しらふだと至って穏やかで、おまけに結構ハンサムであった。
田舎の実家は、父親が中学の校長で、毎月きちんとお金を現金書き留めで送ってくれていた。彼はまず下宿代を払うと、残りは端から飲み代にしてゆき、月なかばになる前には早やゲルピンになるのが常であった。
彼は親しい友人達に、両手を合わせて、金を貸してくれと頼んだものだ。ところが、例の＜ケロヨン事件＞を知っている男子学生はみんなニベも無く断り、仕方なく腕時計を質にいれたり、本を古本屋で売ったりして、なんとか次の送金までを繋がなければならなかった。
飲兵衛君は手っ取り早く金が欲しかったので、職業安定所に赴き、うまい仕事で稼ぐことにした。それは深夜の道路工事の人夫仕事で、朝になってやっと仕事が終わるという、キツーイ仕事であった。酒を飲んでいない時の飲兵衛君は、よれよれの学生服でも、一次限の講義からしっかり勉強する男でもあった。
ある日ホトホト疲れて講義の最中に眠ってしまった。それを見ていたクラスメイトの女子学生が、いたく飲兵衛君に同情して、ある日彼に言った。
「あなた、夜中に道路工事しているって聞いたんだけど、そんなに生活が大変なの？」
「いや僕さあ、親父が亡くなっていてね、おふくろさんに金を送って貰ってるもんだから、どうしてもやり繰りつかないことがあるんだよ。」(嘘つけ、このケロヨンが！)
「まあ！大変なのね。でも君は偉いわよ。夜中の道路工事なんかして働いて！！ホント、エライわ！」とお嬢さん育ちの彼女は言った。
「あなたが朝ごはん抜きで講義を受けてるって聞いたからね、アタシ今日お弁当持ってきたの。たいした物じゃないけど、召し上がってね。」と、チェックのハンカチに包んだ弁当を渡してくれた。
深く礼を言って、彼は庭の木陰のベンチで弁当を食べた。
「ああ、久しぶりだなあ、こんな旨い飯！肉ジャガも沢庵も梅干しも、おふくろが作ってくれた高校時代みたいに旨い！」 彼は実に感動した。
さて、次の日、また彼女が違うハンカチに包んだ弁当を渡してくれた。今度は塩鮭と卵焼き、沢庵と梅干し。念のいったことに、胡麻塩までが振ってある。
さて次の日はカツサンドだった。飲兵衛君はなんだか、夢を見ているように幸せだった。
たとえ昨夜の残り物の肉ジャガでも、たとえ今朝の塩鮭の残りでも、飲兵衛君には有り難かった。その上今日はカツサンドだ！ 次第に内容がランクアップしているじゃないか！
たとえカツサンドが、昨夜のトンカツの残りだとしてもだ！
飲兵衛君はフッと、＜彼女、俺に惚れているのかな？＞と思った。ずっとそう思っていたかった。
十日ばかり差し入れ弁当があったあと、フッツリ弁当が来なくなった。彼はおおいに落胆した。そしてまた、ゾロ新宿に通いだした。
「もういいや！弁当のひとつや二つが何だってんだ！畜生！笑わせるな！あんなオカチメンコ、誰が相手にしてやるものか！弁当でひっかけやがって、畜生！」
痛飲して帰る飲兵衛君に、残念ながらその夜は、倒れているケロヨンも、ペコちゃんもいなかった。
４、プチ町歩きの案内
◎コロナ感染を避けての「プチ町歩き」を実施している。小企画を立案し、臨機応変にこれに対応することにしている。
プチ町歩きの要諦、１、短時間にする。２、ポイントを絞る。３、人数を絞る。（四名集まったら成立する。）
町歩きはコロナ禍の中で中止となる場合が多かった。先月は久しぶりに実施した。今後も感染対策を心掛けながら「プチ町歩き」を実施していきたい。
■第１６８回 １１月２０日 （土）下北沢駅東口 １３時
案内者 木村康伸 世田谷の古道をはしごする
道程：下北沢駅→二子道→北澤庚申堂→二子橋→滝坂道→若林稲荷神社→堀之内道→若林富士講碑→大山道→常盤塚→六郷田無道→向天神橋→江戸道→駒沢大学駅
＊ポイント：古地図を片手に下北沢駅から、二子道を皮切りに滝坂道、堀之内道、大山道、六郷田無道、江戸道と、世田谷古道探索の小さな旅に出かけます。道端の庚申塔や史跡を地名を頼りに、身近な古道の謎を解いていきましょう。
第１６９回 １２月１８日（土） 地下鉄 二重橋前駅 JR東京方面改札 １３時
案内者 堀川克幸・米澤邦頼 皇居清水門を中心に歩く
＊ポイント 皇居近辺の地形の高低を歩いて実感する。スニーカーなど歩き安い履き物を
コース：駅→御幸通り→和田倉門・噴水公園→将門塚・和気清麻呂像→竹橋・清水門・北の丸公園→昭和館→九段下駅（地下鉄）
◎申し込み方法、参加希望、費用について 参加費は５００円
感染予防のため小人数とする。希望者はメールで、きむらけんに申し込むこと、メールができない場合は米澤邦頼に電話のこと。
きむらけんへ、メールはk-tetudo@m09.itscom.net 電話は03-3718-6498
米澤邦頼へは ０９０−３５０１−７２７８
５、テレビ朝日の「じゅん散歩」 北沢川緑道から羽根木公園が紹介される。
（毎週月曜〜金曜日午前9時55分〜10時２５分）
１、世田谷代田駅前のダイダラボッチ広場は１１月３日に取り上げるとのこと。
２、世田谷区地域風景資産「代田の丘の６１号鉄塔」も紹介されるが
日にちは分かっていないが。放映予定日は１１月１日〜５日だとのこと
■ 編集後記
▲エッセイやコラムにあなたの記事を書いてください。
▲町歩きの予定。２２年の希望コース、また案内したいとの要望もどうぞ。前から提唱している森茉莉コースについては幾田充代さんに春にやっていただこうと考えている。
▲会報は会員にメール配信しています。会友には無料配信しています。迷惑な場合連絡を。配信先から削除します。
◎当会への連絡、問い合わせ、また会報のメール無料配信は編集、発行者のきむらけんへ「北沢川文化遺産保存の会」は年会費1200円、入会金なし。
▲会員は会費をよろしくお願いします。邪宗門でも受け付けています。銀行振り込みもできます。芝信用金庫代沢支店「北沢川文化遺産保存の会」代表、作道明。店番号２２。口座番号９９８５５０６です。振り込み人の名前を忘れないように。
*掲出写真は、永井叔 「緑光土物語」
