2023年04月
2023年04月29日
下北沢Ｘ物語（4695）―果ての果ての特攻紀行4：台湾 ―
(一）私たちは日々不安と希望とを持って生きている。自身の身の回りにつぎつぎと奇跡的、あるいは奇遇的なできごとが起きると胸騒ぎがしてくるものだ。ここ十数年特攻隊を巡る調べを進めてきた。今回台湾に行ったとき、御大の邱 垂宇さんに、「あなたが書かなかったらこういうことは起きなかった」と何度も言われた、奇縁つながりの果てに巡ってきた今回の台湾旅行である、そうである、武揚隊山本薫隊長のことを書かなければ、邱さんに会うこともなかった、また旧飛行場での追悼式典も催されなかった。一連の因果因縁は何なんだとずっと思っていた。が、つい最近この根幹には哲学があると知った。それはシンクロニシティである。ユングが提唱した概念で「意味のある偶然の一致」を指し日本語では主に「共時性」と訳されている。これの基盤には行動があるという、これは的中している、やみくもに問題に向かって突き進んできた。アクションを起こしたからチャンスが巡ってきた。分析哲学で提示された概念、これが私が渉猟してきた物語に恐ろしいほどに符合する。
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2023年04月28日
下北沢Ｘ物語（4694）―果ての果ての特攻紀行3：台湾 ―
(一）山本薫隊長が戦闘機で離陸したという地点、そこで突然に弔辞を捧げることになった。それも人に向かってではない。機が飛び去った方向へである、そこには山並が見えていた。あの向こうに魂は眠っている、私は遺影に一瞬目を遣って、そして声を発した。「山本薫隊長！」と言ったとたん声が詰まった。これまでの経過が一気に思い起こされた。それは思い出の塊だ、これまでの一切合切の場面が怒濤のように押し寄せる。感情が破裂して涙が先に湧いてきて私の記憶を混乱させる。が、私は歯を食いしばった、今ここには隊長だけでなく隊員も来ているはずだ。彼らが浅間で歌ったうたがあった。「世界平和が来ましたならば帰りゃまっさき富貴之湯へ」と。平和になった今、彼らこそ八塊に魂が飛んで来てこの式典を見守っている。とふと上空を陰が横切る。一瞬のことだが鳥影が見えた。あるいは彼らなのかも知れぬとも思った。
（ここでは以下に弔辞の言葉を載せた。しかし、原稿も何もない……私は旧滑走路の真ん中に立ち、隊長乗機が飛び発っていった方を向き第一声を挙げた。「山本薫隊長……と大きな声で言った、その時の言葉を思い起こしながらこれを書いている。細かくは覚えていない。ただ終わった後、娘さんの加奈子さんが「あらましがよく分かりましたよ」と言っていた、これが記憶を呼び起こす手掛かりだ、一つ明確に覚えているのは「武揚隊隊員は隊に対して皆誇りを持っていました」と言ったことである）
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2023年04月26日
下北沢Ｘ物語（4693）―果ての果ての特攻紀行２：台湾 ―
（一）かれこれ19年間、懸命にネットにブログを綴ってきた。消えゆく文化を残しておきたいとの一念からである。ネットには双方向性という特徴がある、発信すると応答がありコメントが返ってくる。これによって埋もれていた歴史が次々に発掘された。なかんずく誠第三十一飛行隊に関わる情報が多かった。驚くのは縁と縁とがどんどん繋がっていくことだ。不思議でならない、それで昨日、「因縁の結晶はあり得るのか？」と今はやりのチャットAIに問うてみた。すると「そんな言葉は聞いたことがない」との返答。AIも窮すぐらいのことだからこの現象は稀なものだ。新手の奇譚物語である。そう奇縁、奇遇、奇跡の連続であった。そして縁の果てに着いたのである。
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2023年04月25日
下北沢Ｘ物語（4692）―果ての果ての特攻紀行：台湾 ―
（一）奇跡の縁の結晶体、これは記録として書き留めて置かなければならない。つい一月ほど前の3月20日に起こったできごとである。事の発端は世田谷の代沢小に始まる。顧みると長い長い旅路であった。この間数え切れないほどの出会いと別れとがあった。記憶の走馬灯には多く人が映っては消えてゆく。幕開けは大陸、満州新京だ、ここで特攻隊は発足した、以来台湾の出撃地点に向かうまで破天荒の空路をたどった。翼は大陸から日本、各務原から松本へ、1945年2月ここに降り立った隊員は、偶然にも世田谷から疎開してきた愛しい学童たちと出会う、「本当は言ってはいけないのだが、俺達は台湾に行くんだよ」とつい洩らした。そうまさにその台湾である、今綴ろうとしているのはここでの椿事である。物語が凝縮し結晶したその現場は台湾、旧陸軍八塊飛行場跡である。
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2023年04月23日
下北沢Ｘ物語（4691）―「ブラタモリ」下北沢編余波 ―
（一）社会の動きがネット検索の動向で分かる。昨晩の当ブログのPVは397、UUは298であった。時々急激にアクセスが上がる、予想できないことと予想できることがある。前者の例としては「鉄塔に若い女性が登った」だ、事件性のあるものは事前把握が難しい。が、昨日のは予想ができた。ゴールデンタイムに「ブラタモリ」が放映された。取材地は下北沢である。この放映はあらかじめ知っていた。番組を作るに当たってのリサーチがあって下北沢関係の様々な事象を彼に私は話していた。実際に「代田連絡線跡」はデレクターと歩いて探訪していた。かと思えば「代田の丘６１号鉄塔」にも興味を示してきた。番組では下北沢をメインに取り上げると。それで私は「下北沢文士町文化地図」を渡し当地文化のあらましをレクチャーしていた。ところがその後コンタクトはなかった。次に連絡があったときに「ブラタモリ」の事前調査だったと彼は明かした。
昨日放映された番組は見損なった。新聞の番組欄には予告が出ていた。
▽下北沢の若者が夢見る街の秘密。▽私鉄二線が交わる謎。▽万病を治す？タモリ青春の部屋発見
私は、『下北沢文士町文化地図』をデレクターに渡した。ここでのテーマは「文士町」である。が、ゴールデンアワーで「文学」をメインにする訳もなかった。
ただデレクターは鉄塔には興味を示した。これは我等が世田谷区地域風景資産に推薦したものだ。丘上に建つ一本の鉄塔だ。詩人萩原朔太郎は当地に居住し、そして亡くなった。詩人の唯一の生存痕跡を記すものがこの鉄塔だということで推挙したものである。
「鉄塔の建立年月日は分かりますか？」と聞いてきた。
「それは鉄塔の上部に銘板があって書いてあります。確かめてください」
「昭和元年十二月」と銘板にはある。
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2023年04月22日
下北沢Ｘ物語（4690）―宜蘭出撃海軍及び陸軍特攻 ―
（一）事象が二つあることは大事だ、台湾宜蘭からは陸軍も海軍もここから特攻機を出撃させていた。AとBとは比較される。飛行機乗りの服装は海軍の方が飛び抜けてかっこ良かったと言う。彼らの姿を見て女子高校生は心をときめかせた。宜蘭では海軍の方に人気があった。そうだったかと思った。もう十数年特攻隊を追い続けている。これも陸軍が中心で海軍は欠落していた。しかし、思い返したことがある、数年前戦争経験を聞く会を北沢タウンホールで行った。このとき海軍十四期飛行予備学生の話を聞いたことがある。みんな古老だった、しかし精悍な顔つきで背も高く、白い服を着せればきっとかっこよかったのではないかと思った。
陸軍特攻と海軍特攻と分けて考えることはなかった。しかし、特攻戦死者の数でいうと海軍2531名、陸軍1417名、計3948名である。
軍は2531名、陸軍は1417名、計3948名で、海軍側の特攻戦死者が圧倒的に多い。（海上特攻回天なるものの戦死者はここに含まれているのか不明だ）
図書館の棚、分類番号217を探すと陸軍特攻系のものが目につく。どうしても特攻といえば陸軍だ、戦争伝承を伝える施設では、知覧特攻平和祈念会館、大刀洗平和記念館がある。いずれも陸軍である。海軍では鹿屋に施設がある。市の説明だ、
鹿屋市には、太平洋戦争時に3つの飛行場が存在し、日本で最も多くの特攻隊が出撃した歴史があり、館内には旧日本海軍創設期から第二次大戦にいたるまでの貴重な資料のほか、特攻隊員の遺影や遺書などが展示されています。その他にも、海上自衛隊の活動状況も紹介されています。
これは海上自衛隊に付随した「海上自衛隊鹿屋航空基地史料館」である。入場料も無料である。知覧特攻平和祈念会館には学芸員もいて特攻関係の研究や資料分析などをしている。
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2023年04月20日
下北沢Ｘ物語（4689）―台湾の人々の戦争観・文化観 ―
（一）台湾の邱垂宇さんから送っていただいた『曽経烽火―太平洋戦争下的宜蘭故事』では宜蘭県政府文化局の部長が序文を綴っている。その冒頭である。「一個城市的文化治理・決定該城市文化的深度・而文化的深度則能夠決定此一城市的意象與願景」とある、つまり、「都市の文化的ガバナンスがその文化の深さを決定し、その文化の深さが都市のビジョンを決定する」と。戦争の歴史の文化的位置付けである。こういうことが言えるということは台湾社会に自由があるからだろう。日本のお役所の文化部の人は決して言えないことだ。今日本ではかつてあったことがなかったかのようなことを言う。思うに我々の社会は過去の遺産を食って生き始めたのではないか、そこに誇りを求め現状を変革していこうとしない。利権なるものにどっぷり浸かってしまっているように思える。
台湾訪問をしたのは、縁で繋がった人と会うためであると同時に自己認識を深めるためである。昨年暮れ私は、『台湾出撃沖縄特攻-陸軍八塊飛行場をめぐる物語』を上梓した。ノンフィクションは現地取材は欠かせない、ところがこの機会は失われた。コロナである。ようやっと今年になって海外旅行が解禁となって、それで台湾を訪れた。
やはり風土に接することは大事である。私は幾つもの疑問を抱えていた。台湾に飛来してきた特攻隊の仲間たちはなぜか熱い連帯感があった。1945日5月15日特攻に出撃する仲間の送別会を市内の新川酒店で開いた。このとき撮った写真は彼らの喜びが満ちている。みな笑顔を見せている。特別な雰囲気がここには醸し出されている。何があったのか、花蓮に行ったときそこを訪れてみたいと思った。その場所を邱 垂宇さんが突き止めてくださった。その現場に行ってみた。町は変わり果てていた。78年前のことだ誰も覚えていない。ただそこには空気と匂いが幽かにあった。訪れたのは3月21日、亜熱帯の台湾はもう夏だった。花蓮には何か特別な空気が流れているのではないかと思った。
花蓮市内を車で案内されたのは元鉄道技師の潘榮桑さん、
「日本人が花蓮に寄せるものって特別なものがありますね、鉄道に勤めていた日本人は引き上げていきました。しかし、忘れられないの『花蓮会』を作って集まっていました。わたしもそれで日本には行きましたよ……」
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2023年04月19日
下北沢Ｘ物語（4688）―台湾は日本の映し鏡か ―
（一）我々が生きてきた歴史の記録は、未来へ歩んで行くための方向を示唆する大事なものである。いつどこで何があったか、それを知ることが大事だ、その記録は客観的なものでなければならない。先月私は台湾に行く機会があった、その一個所は宜蘭である。戦時中ここから日本の特攻機３７機が沖縄に向けて出撃している。台湾全島からは１３５機が出ている。宜蘭からの出撃数が最も多い。それは地理的な理由からだ、台湾から沖縄に飛ぶ場合当地が一番近かったからだ。戦略上重要な地域であった。それで西、南、北と三つの飛行場があった。日本軍は戦争末期米軍がこの重要飛行場を奪取してくると予想した。それで防御陣地構築に全力を注いだ。これらの記録が2022年に『曽経烽火―太平洋戦争下的宜蘭故事』としてまとめられ台湾で出版された。触れられていることは日本の戦争の歴史の一端だ。これを読むと編んだ側の歴史観や文化観が透けて見える。思ったことは、台湾は日本の写し鏡ではないのか。
宜蘭は本が出版された地元である、本屋では容易に手に入るのではないかと思った。しかし、検索してもらったら地元にもないとのこと。日本に帰国してアマゾンで調べたところ売ってはいなかった。ところがつい二三日前、台湾の邱垂宇さんから書籍が送られてきた。日本の場合だと地域戦争史は簡易的な装幀である。ところが送られてきた本は写真や図版が数多く載っている立派な本である。宜蘭県政府がサポートして出版したものであった。
台湾からの書籍小包には『曽経烽火』の他に『大東亜戦争と台湾青年』（写真報道 朝日新聞社編）と『台湾に三巨人あり』（講談社）があった。二番目のものは何と台湾の出版社が2018年に出した復刻版である。見出しをみると「かくて台湾は武装せり」などとある。軍国主義的なプロパガンダに満ちている。それがどうして近年になって発行されたのだろうか？
この本の副題には「写真報道」とある、報道カメラマンが撮ったもので、表題どおり台湾青年が生き生きと写されている。表紙は剣道衣をまとった凜々しい青年の姿、これは印象的である。言えば台湾青年のかっこいい姿が全編に満ち満ちている。男子だけではない、「女子学徒も頑張る」とあってここには白鉢巻きを締めた台北第一高女の女学生や体操をする台中第一高女の一糸乱れぬ隊列など、これもまた美しく撮れている。
全編凜々しく美しい台湾青年男女が出てくる。ここにこそ出版の意味があると思った。言えば人々の郷愁が映っている。これも台湾の人々の戦争観でもあろう。底流にはあの時代の日本への郷愁ではないかと思った。
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2023年04月17日
下北沢Ｘ物語（4687）―駒沢公園の都電敷石の謎は深まるばかり ―
(一）市電敷石を巡る旅は、偶然から始まった、散歩でいつも通り掛かる畑に石が山積みされていた。たまたま管理者に出くわして「これ何の石？」と問うと「横浜市電の敷石」と答えが返ってきた。世田谷中町になぜにあるのか？大きな疑問だった。都電のは深沢秋山家にあると彼は言う。行くと邸宅二個所の門前にびっしりと。許可を得て測ると規定どおり36センチである。ところが都電敷石を使ったと言われる駒沢公園中央広場のは測ると40センチである。腑に落ちない。たまたま例外的な石を自分で測ったのではないか？ということから１５日、雨が降る中を駒沢公園に確かめに行った。首実検は周辺から始めたジャブジャブ広場の敷石は間違いなく36センチで都電のに違いなかった。さてつぎはいよいよ本命である。
まず管制塔近くの広場から始めた。やっぱり40センチである、雨の中、あっちにも行き、こっちも行きして測ってみるがやはり40センチである。最初は測っていたが目が慣れてくる。横幅の短い36センチを探すが見当たらない。
敷石は中央階段を挟んで北側と南側にも敷かれている。後者は狭くて数が少ない。こちらは36かもしれないと橋を渡って行ってみるが北側のと変わりがない。
自身が感じた疑問は解けない。都電は36センチである。それは深沢秋山家のでも、中町粕谷家の玄関の敷石でも、同町王禅寺のでも確かめられた。
（二）
中町鈴木家の敷石は横浜市電のものである。これは幅が40センチである。
土木学会論文の「軌道用敷石の産地と産地に関する研究」では横浜市電の敷石の仕様が載っている。東京市電は六種類もあったが、横浜市電は三種類のみである。
横浜市電
1942（昭和17）年頃
A:600×400×10
B:485×400×10
C:300×400×10
繰り返すが都電は横幅は360であり、横浜市電は400である。
東京市電については、敷石仕様が400のものの存在は確認できていない。ここで類推が成り立つ。駒沢公園に敷かれている市電敷石は横浜のではなかった？
類推は類推を生む 世田谷中町の横浜市電敷石は横幅400である。これと駒沢公園の敷石には何か関係がありそうにも思われる。
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2023年04月16日
下北沢Ｘ物語（4686）―駒沢公園の都電敷石の謎 ―
（一）昨日、雨降りの中、駒沢公園の中央広場に挙動不審の男がいた。辺りを見回してはところどころで立ち止まっては腰をかがめる。そしてポケットから何かを取り出し、紐のようなものを敷石に当てている。何か納得がいかないらしくあちこちと動き回っては首をかしげている。そこへちょうど自転車で通り掛かったの巡回警備員だ、彼は男の挙動をいぶかしげに注視しながら通り過ぎた。「敷石の大きさをメジャーで測っているようだな、公園の石を測ってはいけないという規則もないし、通報するまでもないか……」彼はなおも不審者を目で追いながら去って行った。雨はいぜんとして強く降っていた……
昨日は大山街道を歩く町歩きを予定していた。が、一日中雨との予報が出てこれは中止とした。時間ができたことから思い立った。このところ心に引っ掛かることがあった。それで駒沢オリンピック公園に出かけた。途中、衾町公園を通りかかった。このときに思い出したことがある。こういう雨の中ここで仰天女に出くわしたことがある。確かこれはブログにも書いていたことだ。検索で探すと出てきた。
2017年11月02日 下北沢Ｘ物語(3393）―荏原逍遙：鉄塔に富士に仰天怪女２―
「あんたね、深沢に地震階段っていうのがあるのよ。知っている」
大雨の降っている中で一人の老女にとっ捕まった。
「勝新が女の子をたぶらかしてエッチすると必ず地震が起きるんだから」
「その深沢の地震階段が関係するんですか？」
「関係するわよ、あれがね、感知するのよ、あららまたエッチしたなと分かると地震を起こすのよ」
「どこにあるの？」
「駒沢公園の深沢二丁目、深沢ハウスのわきに階段があってそこに桜の木が植わっているでしょう」
「す、べ、て、の、地震の正体？」
「そ、う、す、べ、て、の、じ、し、ん、の、正体」
彼女は神のお告げと言わんばかりに目をつり上げて言った。
駒沢公園は家から近い、もう数十年も通っている。最近の変化では、回りに有料老人ホームがつぎつぎと次々と建ってきたことだ。終の住み家として、公園の緑は魅力的であるようだ。介護士に連れられた老人をよく見かける。ベンチで腰掛けては談笑している姿が見られる。
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2023年04月14日
下北沢Ｘ物語（4685）―都電敷石が創り上げた風景：駒沢公園 ―
（一）駒沢でのオリンピック開催は再チャレンジである。1940年にここで開催されるはずだった。が、戦争で中止となった。このときに道路などの工事は先行していた。往時の痕跡が今も周辺地域で見られることは知られていない。やはり二度目の挑戦はボルテージが高い、熱い意気込みがあった。戦後復興を世界に見せるということもあった。駒沢という田園地帯に斬新な都市風景空間を創ろうとした。「バスストップで車を降り、正面階段を上ってゆくにしたがって、管制塔の尖端があらわれてくる。そして中段あたりから、陸上競技場、体育館が屋根からその姿を見せる。最後に中央広場の平面に達し、はじめて全施設を展望することができる。」（『駒沢オリンピック公園』三橋一也）景色の見え方をドラマチックに演出しようとした実験都市でもあった。
しかし、時が経てば景色もまた風化していく。記憶にあるのが中央広場の改修工事である。これがどのようないきさつでどのようになったか。調べると記録があった。
「路面軌道敷に用いられた軌道用敷石の特徴に関する研究」（2019.9) 熊本大学大学院自然科学研究科 岡田幸子 この彼女の論文がネットで見られる。
まず、都電の敷石を広場に敷設するに際しての議論である。
たくさんの木々を植えて公園風にしようとする意見もあったが、われわれ建築家側は石畳だけのドライな空間を強く希望。 遂にその意見が採用されて現在のようになった。 このようなイタリア的とも言うべき外部空間は、我が国は極めて珍しく広い。東京に一つぐらいは今後もこのままドライにしておいてほしいものと望む次第である。（外部空間の設 1975.1.10)
つぎに、建築から４０年を経過してこの広場の改修計画が持ち上がった。そして実際にこれに対する工事が行われた。これは記憶に残っている。広場に敷かれている敷石全部が剥がされた。その後どうなるのかと思っていたら、また元通りに石が敷設された。しかし、大きな違いがあった。都電敷石はでこぼこであった。そのために人が集まったり、通行したりするには不便であった。ところが戻ってきた石の表面は削られていた。
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2023年04月13日
下北沢Ｘ物語（4684）―市電敷石のゆくえ：駒沢公園―
（一）元は赤土だらけのでこぼこ野っ原だった。そこに幾何学模様の競技場施設や高い塔が現れた、「都会の蜃気楼を見たようでした」と言う人もいる。「未来は明るく見えましたね」と。希望に満ちた時代だった。駒沢オリンピック公園の中央に広場ができた。ここのシンボルは管制塔と称された塔である、五重塔がイメージされたものだ、この周囲には伽藍を思わせる建物、競技場や体育館が建てられた。広場には石が敷き詰められた。これが都電の敷石だった。オリンピック開催に合わせるように市電が次々と廃止された。大量の敷石が出たがこれの活用先としてオリンピック施設に用いられた。都市廃材のもっとも有効な使い方だった、よくレガシーと言われる、何となくうさんくさく感じられもするが都電敷石の活用は風景遺産として今もなおここに残っている。好感の持てる風景だ。
毎日毎日何十年と歩いてきた。一番楽しいのは眺めである。ことには今の新緑は美しい。駒沢の木々の緑は目にも綾ですばらしい。ここを何十年と歩いてきた、しかし、風景の上っ面だけを見ていたと思う。
つい最近のことだ、世田谷中町の畑に石が積み上げてある。前から気にはなっていた、「この石は何ですか？」「横浜市電の敷石」「えっ！」と仰天した。調べると近隣の随所に電車の敷石が使われていた。知らぬが仏、もう何十年と慣れ親しんでいる駒沢公園、ここにも大量の敷石が使われていた。それが都電のものだとSNSのコメントにあってこちらは卒倒。
敷石は都市廃材でもある、外国では建築物を創るとき壊された後まで考えて設計をしているとのこと、が、日本ではそこまでの余裕はない。行き当たりばったりでの活用ではないか。都電の廃止は1963年（昭和38）から始まっている。オリンピック会場となった駒沢公園の完成は1964年（昭和39）である。三宅坂・青山間を走っていた都電は1963年10月1日に廃止となっている。ドンピシャだ、駒沢公園に使われている敷石は大山厚木街道を走っていた都電十系統のものではないかと思ったが。
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2023年04月11日
下北沢Ｘ物語（4683）―駒沢高射砲陣地跡ぽっかり現る 下―
（一）人は誰もが皆、年老いて亡くなる。駒沢高射砲陣地の中隊長をしていた内藤悌三さんもその一人だ。私と出会うことで過去を懐かしく思われた。それで北陸高岡市に隊が駐屯していたときに寄宿舎としていた宗円寺を訪問された。そして寺には記念碑を建てた。その彼もついには物故してしまった。が、生前に聞いた駒沢高射砲陣地のことは貴重な記録となって今に伝わっている。私は、『戦後70周年危険戦争記録集』（2015年8月15日)に北沢川文化遺産保存の会の紀要4号を発行しここに「駒沢高射砲陣地についての証言」（元中隊長 内藤悌三氏）を収録した。彼は証言を遺して亡くなった。これは終戦時の戦況を知る貴重な証言だ。終戦末期軍首脳は首都防衛を断念し、駒沢高射砲隊に、地方重要港を護るようにと命令を下した。それで駒沢高射砲隊はここを捨てて新しい任務地伏木港に移動していった。都市防衛から港湾防衛に就かされた。
駒沢高射砲隊、4月7日、硫黄島から飛び発ってきたP51に応戦している。この後、4月15日に荏原南部の蒲田空襲があった。東京湾から進入してきたB29は荏原北部まで攻めてきた。その艦載機などに対する応戦ぶりについて隊長はこう証言していた。
「いや、何機墜としたかという記憶はないが、艦載機はよく墜としました、が、B29は墜ちない。それはどういうことかというとまことに、なんというかな。こちらは戦国時代で、あちらは近代、格上、世界一高性能の飛行機だから、まったく技術力がかけ離れていた。一番はB29は弾がある程度当たっても墜ちない、燃えない、それで当時としては考えられねぇよ、操縦席なんかは空調設備ができていて今の旅客機と同じだ。当時日本の戦闘機なんか防寒服着て、電熱の入ったチョッキ着て、飛行眼鏡をかけて、飛行帽被って重装備していた。ところが彼らは暖房の効いたキャビンで心地良くしている。だから全然時代が違う。それとどうあっても火を噴かない、たまに撃墜したやつを調べてみると、これぐらいの厚い生ゴムでジュラルミンを囲っているわけ…だから弾が当たっても燃料が漏れない、火も噴かない…あれを見るとね、アメリカじゃあ、飛行機なんか少々撃たれたっていい、だから墜ちても滑空すればいい、東京湾に不時着すればいい。積んであるボートが圧搾空気によって膨れてそれに乗り込むと海難救助の巡洋艦とか潜水艦が来て助ける…もう東京湾はアメリカの潜水艦に満ちていたからね」
高射砲中隊長は、戦闘をつぶさに体験して敵米国と日本との差をつぶさに感じた。
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2023年04月10日
下北沢Ｘ物語（4682）―駒沢高射砲陣地跡ぽっかり現る 中中―
（一）戦争遺跡の突然の出現、関心を持っている我等少数はこれからの行方を気にしている。私はコンクリート土台は壊されるのではないかと思っていたら、建築に詳しい眞井斎壽さんからは、「解体コストを考えるとそのままにしておけ」ということではないかと。以前千歳高射砲陣地に行ったとき基礎を壊すのに莫大な費用が掛かったと聞いた。現駒沢も敷地の大半を高射砲の基礎部分が占めている。構築物は木造二階で地下もとあるが、構造物を活用しての地下ということではないのか？陣地の土台は六門である、今後他の砲台も現出してくる可能性がある。全体の構造は元隊長の尽力で図ができている。ここの駒沢高射砲陣地にはほとんど関心が払われていないがまぎれもなく戦争遺跡である。
駒沢高射砲陣地があった。この存在を知って以来、付近の聞き込みを重ねた、古老からは話を聞けた。「音がうるさかった」「模型飛行機を吊して模擬訓練をしていた」などと聞き込むことはできた。しかし、決定的なことは分からなかった。
これら付近の聞き込みの様子などについては随時このブログに載せて発信していた。ネットの威力である、あるときに突然にコメントが寄せられた。
「駒沢高射砲陣地の隊長をしていた叔父が今も健在です」
佐久市在住の内藤直人さんからの情報である。その当人は内藤悌三さん９４歳である。
当人は長野県佐久郡佐久穂町に住んでいた。行かねばならないと思った。
２０１５年３月１７日長野県南佐久郡佐久穂町まで元隊長に会いに行った。お目にかかった大正九年生まれの９４歳、内藤悌三さんである。当時は２４歳、若き隊長である。
隊長が属して居たのは高射砲１１９聯隊、駒沢隊である。もともと彼は在満州の砲兵だった。が、戦況が悪化し高射砲隊が必要になり、日本に戻り急遽高射砲の教育を受け駒沢隊に将校として赴任してきた。1944年のことだろう。（写真上、内藤悌三さんと私）
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2023年04月08日
下北沢Ｘ物語（4681）―駒沢高射砲陣地跡ぽっかり現る 中―
（一）記録はとても重要である、これに基づいて歴史は構築されている。しかし、我々は記録を大事にしない。終戦前日に日本政府や大本営が「戦時記録の消却」を命じた。それで戦争に関する記録の多くは消えてしまった。戦争事跡は私人がコツコツと掘り起こす他はない。駒沢高射砲陣地も結局も私人の記憶と記録から掘り起こしたものである。それは「駒沢高射砲陣地物語」である、これは疎開学童の一人が寄せてきた情報にある。約十年前に『鉛筆部隊と特攻隊』を上梓した。浅間温泉に疎開した世田谷の学童と特攻隊員たちとのふれ合いが核だ、これを読んだ同じ温泉に疎開していた第一師範附属の大槻統さんが出版社を通して連絡を取ってきた、これがきっかけとなって駒沢高射砲陣地のことが明らかになった。それが今日に至ったものである。戦争秘話である。
彼大槻さんは、今の駒沢交差点すぐそばの住宅分譲地「仙翠園」に住んでいた。「文化的田園理想的住宅地」として売り出されたものだ。駒沢高射砲陣地は至近距離にあった、3月10日、東京空襲のときここの中隊長は悠然として東へ向かうB29の隊列に怖じ気を覚えたという。隊長の指示で駒沢高射砲陣地の六門は一斉に火を噴いた。
「もう撃って撃って撃ちまくりました、砲身が焼けてしまって塗ってあるペンキが溶け落ちたぐらいです。ところが当たらないのです。B29は頑丈だったなあ、たまに一二発当たったとしてもびくともしない……」
内藤悌三さんは、その時を思い出して語った。3月10日砲門が火を噴いたときに第一師範附属三年の大槻統さんはその轟音を聞いている。
高射砲陣地の記憶、その証言は大槻さんの体験談が第一号である。以来、私は現場を訪ねたり、文献を調べたりした。
駒沢高射砲陣地の向かいには向井潤吉アトリエ館がある。ここのホームページにこれについて触れている個所がある。
武蔵野の面影を残す雑木林が広がるアトリエ館の一帯は田畑に囲まれた中の高台で、「タンチ山」と呼ばれていたそうです。今では住宅がひしめく一帯となっていますが、移り住んだ頃は夫人が一時、神経衰弱になるほど静かだったと言います。もっとも、戦時下、近隣に高射砲台の陣地ができ、木々が伐り倒され、菜園が開かれるなどして、様相は一変したそうです。
高射砲陣地建設事情がこれで少し分かる。いつできたかは重要である。戦時下とあるが「戦争末期」だろう、当該土地は蛇崩川右岸傾斜地、ここは雑木林だった。これが伐採されて急遽工事が始まった。
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2023年04月07日
下北沢Ｘ物語（4680）―駒沢高射砲陣地跡ぽっかり現る 上―
（一）「コウシャホウジンチ」、言葉を聞いただけで足がうずく、昨日の朝のことだ、「家の建て替えに伴い、高射砲陣地の土台が露出しています」との報が駒沢の眞井斎壽さんからあった。現地には何度も行っているが現物の土台は見ていない。ただ砲台の上に家を建てておられる方がいた。その家が壊されたのではないか？これから地鎮祭が行われるという。何かの情報が得られるかもと思い即座に家を出た、まっすぐに北に向かう。途中、駒沢公園管制塔前広場を突っ切る。御影石がきっちりと敷き詰めてある。これが都電の敷石だった。が、よそ見はできぬ。先に進んで国道246の陸橋を越えて北へ向かう。左手の西欧風の家々、眞井家所有のものだ。先に進んで件の家へと急ぐ、が、お目当ての家には変化はない。教えられた番地は２０番である。今回のはこれとは別の砲台跡だった。この陣地には砲台が六門あった。地表に隠れていた砲台が更地になったことで露わになったようだ。探すとすぐに分かった。裸になった更地には砲台の基礎がむき出しになっていた。ここには何十遍と来ている。が、砲台跡を見るのは初めてだった。
現場は蛇崩川支流右岸台地、崖縁に跡はある。段差のある土地だ。上の段で地鎮祭が行われていた。関係者の七八名は頭を垂れている。無関係者の私はぽつねんとまつりごとを見守っている。向こうからすれば不審者だ。
地鎮祭が終わって関係者が下の道にでてきた。先頭の老齢女性が施主のようだ。話掛けて見るが手で私を遮って相手にしない。それで男の人に話し掛ける。
「私は、ここの駒沢高射砲陣地のことを調べている者です、ここに現れた遺構は歴史的にも貴重なものです、写真撮影をさせてください」
すると彼は手でOKを出した。
土を掘り起こすと戦時中の遺構が出て来た。たぶん今までの経験からすると公的機関は関心を持たないだろうと思う。思うに戦争のことにあまり触れたくないという考えがあるように思う。
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2023年04月05日
下北沢Ｘ物語（4679）―幻影の『猫町』下北沢朔太郎X線の彷徨 下―
（一）もう十六年前にもなるが冊子『下北沢X惜別物語』を出した。小田急線の地下化工事によって鉄道クロッシングはいずれ姿を消す。当地一帯にはこの地上線が刻んできたエピソードが数多くあった。その消えゆく逸話を集め、これを鎮魂歌にしようと目論んだものだ。私は劇を見ながら思ったことは、『下北沢X惜別物語』の音楽版だと思った。いわば鉄道クロッシングへの郷愁、ノスタルジーを音で言い合わしたものだ、やはり音楽というのはよい。文学だと考えなくてはならないが、音楽だと自然に人をその世界に運んでくれる。鉄道クロッシングにおける音はもう失われた。が、劇では残っていた。その音の代表例として私は進駐軍電車を登場させた。
かつて小田急線には白帯を巻いた電車が走っていた。進駐軍の軍人を厚木まで運ぶものだ。休みとなると兵士たちは、これで新宿まで行き、飲んだり､踊ったりして憂さを晴らした。日曜日の最終電車だと酔客で込み合っている。みんなハイになっている。一人が歌えば、他が和する。ジャズやゴスペル、何でもありだ。中にはトランペット持参のものもいる。東北沢辺りでは最高潮に達している。これが一気に坂を駆け下ってくる。音楽電車である。
『小田急五十年史』ではコラムに「上の電車、下の電車」を載せている。下北沢では井の頭線と小田急線とが交差する。電車好きの子供にとっては二社の電車を同時に見られるから面白い。それぞれにひいき筋がいて「上がよい、下がよい」と言い合っていた。
・帝都線派
車体がスマートで軽快、警笛がステキ、運転台が開放的、正面窓の下まで座席がある、ドアエンジンが完備している､運転室の窓にヒサシがある。
・小田急電鉄
「下の電車」には急行があり、列車種別、編成、行き先がバラェティに富んでいるうえ、路線が汽車のように長くて、車窓の眺めが美しい……
上の電車と下の電車の音の違いも聞き分けていた。劇ではこのエピソードを使った。
「下をゆく深夜進駐軍の音楽電車と軽快に走り抜ける上の帝都線電車とがすれ違ってセッションをした」と。私はこのホンの数瞬が美しい絵のように想像できた。
音がすれ違う町、詩がすれ違う町として、それぞれの線区に詩人列車を走らせた。中原中也、北原白秋、大手拓次、大木惇夫の詩列車を走らせた。
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2023年04月04日
下北沢Ｘ物語（4678）―幻影の『猫町』下北沢朔太郎X線の彷徨 上―
（一）公演は二日前に終わったが感銘の余波は今も続いている。表題にある「X線の彷徨」はまさに自分自身でもあった。X線は、クロッシングである。ここを基軸にして１９年間もさまよい続けてきた。Xは謎をも意味する。鉄道クロッシングを巡って朔太郎もまたさるき歩いている。漂泊者は何を求めていたのか、公演はその謎を解き明かすものでもあった。次々に披露されるエピソード、自身には馴染み深いものである。なかんずく代田で編まれた『氷島』の結末が萩原朔美さんの朗読によって語られたときは、心が泡だったほどである。公演の副題は「萩原朔太郎大全2023」だ、昨年の22を受けた発展系である、とくには公演は下北沢・代田を主軸にしている。新しい朔太郎像を表出する実験劇であった。
企画演出の大木雄高さんから話があったのは突然だった。急に言われて何回稿を重ねた。途中で「よじれたXを入れないと」という注文があった。言われて思い出した。そうだこれは必須だったと。つまり、下北沢で交差する鉄道クロッシングが妙にいびつであること、それを作家の清水博子は批評していた「ひしゃげた座標軸」だと。これが人々を混乱させた。朔太郎もまた迷った、その根底にはこの座標軸があると。
今回の公演は、昨年の「萩原朔太郎大全2022」を受けての企画だ。すなわち、萩原朔太郎没後８０周年を記念して全国展開で５２もの文学館や大学などが展示を行ったり、講演を行ったりしていた。その数は５２にも及ぶほどだった。
萩原朔太郎と下北沢・代田は格別ではないかと思っていた。それで「終焉の地は一つ」ということを言っていた。詩人は後半生の十一年を当地で過ごし、そして亡くなった。意味のあることである。彼は最後の詩集『氷島』を世田谷代田で編んだ。詩の配列もどうやら当地で行ったようだ。その冒頭に来るのが「漂泊者の歌」である。この詩集から二つぐらいを作曲をと言っていた、谷川賢作さんが作曲をされ、波多野睦美さんが歌われた。そえは「漂泊者の歌」であり、「帰郷」であった。
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2023年04月02日
下北沢Ｘ物語（4677）―都市文化論：三軒茶屋と下北沢―
（一）「三軒茶屋から下北沢に行くという狙いが見えてきません。企画書を見ると軸が萩原朔太郎になっていますが、言ってみれば朔太郎愛が３００パーセントでこれが強すぎるのですよ。やっぱり審査では三軒茶屋はどうしましたと問われますよ」と世田谷まちづくりファンドの係は指摘する。私は私で朔太郎に感化されていてついタイトルに「萩原朔太郎大全２０２３参画企画」と書いてしまった。事前相談で一番大きく問われたのは三軒茶屋から下北沢にシフトしていく繋がりが見えないということであった。相談は一時間半に及んだ、係担当は二名、こちらは三名、話しているうちに町の文化論を語っていた。
私たちは、世田谷ファンドの助成を得て2022年度に「三軒茶屋文士町文化地図」を作った。これが終わりかけたときに2023年度の世田谷ファンド募集案内が来た。今度から規約が改正されてこれまでは四度エントリーができていたけど、三度で終わりになるというものである。我々は二度チャレンジしている。もう一回は申請が可能だということだ。
しかし、すぐにはしなくてもよい。間を置くことはできる。とはいうものの人間エサが降ってくるとつい食らいつきたくなる。それなりの理由もあった。
�仝醜圍姑巴録泙蓮■横娃隠糠�１２月に一万五千部を印刷した。ところがほとんど在庫がなくなってきている。
��下北沢の街並が大きく変化した。それは下北沢線路街の完成である。これによって劇的に町の様相が変わった。
��「萩原朔太郎大全２０２３」と銘打っての企画を行った。「幻影の『猫町』下北沢 朔太郎X線の彷徨」である。４月２日にこれのイベントが行われる。これは単発的なものである。大事なことは継続である、地図作りを通してこれが可能となる。
（二）
世田谷ファンドへ、２９日、朝、９時ということで梅丘の分庁舎へ。井の頭線で下北沢へ、ここで小田急線に乗り換える。改札を入ったはいいが行き方が分からない、訳がわからなくて深い地下へエスカレーターで二度も降りてしまった。
構造物は紛れもなくある、しかし、人間はよく分かってないと混乱する。明大前はよく乗り換える、が、小田急ではほとんど乗り換えない。勝手がわからない。それで迷ったのだろう。しかし怪しい、下北沢には次元の穴が空いている、が、これも町の再開発でなくなってきた。が、意外なところにあった、駅の奥深いところの上総層に魔物が潜んでいる。
小田急線梅丘、辛うじて時間には間に合った。同行者は仲間の幾田充代さん、山本裕さん、心強い助っ人だ。
山本さんは代田二丁目に住んでいる、地元に詳しい。
「下北線路街ができてきて町の大きな変化に驚いています。『サイレント』というテレビドラマで世田谷代田に聖地巡りの人々が大勢押しかけてきています。地元の人はあれに驚いています。世田谷代田は変わったと……」
世田谷代田は、昔中原と言っていた多くの商店街が連なるにぎやかな町であった。下北沢よりも発展していた。
『下北沢に行くときは突っかけよ。でもね中原商店街にいくときは化粧をしていったものよ』と言っていたのは往時を知るお婆さん。
おめかしをしている町は衰退した、東京オリンピックで町を分断する環状七号線ができて商店街は多くが潰された。中原商店街は急速に衰えてしまった。
「中原商店街は縦ラインだったでしょう、これが環７によって潰された。ところが思ってもみなかったことが起こった。小田急の跡地に横の道路ができてしかもそこに新たな商店街ができた。ここに多くの人が押し寄せてきている。地元の年寄りは、昔を思い出しているみたいです……」
面白い町文化論である。
（三）
町の文化は往来することで見えてくる。
「私たちは、下北沢から三軒茶屋にシフトしたそして地図を作った、言えばAからBへの観点を移動させた。これによって気づいたのはBの核心である、つまりは追分だった。Bが見えてくるとAも比較論的に見えて来る」
三軒茶屋は追分道路が基軸であった。これを核にして発展してきた。一方の下北沢の核は何か鉄路である。これが基軸になって発展してきた、そして今また線路遺伝子によって町が大きく変わりつつある。それが下北線路街である。
企画書は朔太郎愛に満ちていた。これをもっと薄めていき。AB論的観点で比較する。そして「町の文化は往来によって見えてくる」と訴えよう。AからBへ、そしてまたBへ還っていく。この往来によって町の本当の姿が見えて来る……と。
「幻影の『猫町』下北沢 朔太郎X線の彷徨」
〇４月２日 本日開催 会場世田谷美術館 開場１４：００ 開演 １４：３０
〈猫町〉とは何者か？
それは詩人・萩原朔太郎が幻想譚小説『猫町』を書いた地、下北沢。
「萩原朔太郎大全２０２３IN下北沢」と名乗る舞台が、
今、〈X線の街・下北沢〉の今昔を闊歩徘徊する。
北原白秋が、中原中也が、大手拓次が、大木惇夫が、三好達治が徘徊する。
して、朔太郎が終焉の地、
歌と朗読で綴れ織る北沢川の一幕にお出座し！
日時：2023年4月2日（日）開場14:00開演14:30
出演：谷川賢作（作曲・ピアノ・朗読）
原田節（オンドマルトノ・歌・朗読）
波多野睦美（歌・朗読）
萩原朔美（朗読・朔太郎役）
会場：世田谷美術館 Tel.03-3415-6011
〒157-0075世田谷区砧公園1-2
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
バス：｢用賀駅｣：美術館行バス｢美術館｣下車 徒歩3分（1時間1〜2本）
徒歩：｢用賀駅｣より徒歩17分
※当館は砧公園内にあり、又アクセスが至便と言えず、早めにお来し下さることをお勧めします。
料金：予約￥4500 当日￥5000
予約問い合せ：BIGTORY：Tel:03-3419-6261
Email: bigtory@mba.ocn.ne.jp
企画・台本構成・演出：大木雄高
原本台本：きむらけん
協力：LADY JANE、邪宗門
後援：世田谷美術館、世田谷文学館、萩原朔太郎記念前橋文学館
主催：北沢川文化遺産保存の会／ビグトリィ
2023年04月01日
下北沢Ｘ物語(4676）―会報２０1号：北沢川文化遺産保存の会―
![IMG_20230401_100204[1]](https://livedoor.blogimg.jp/rail777/imgs/8/7/87888feb.jpg)
「北沢川文化遺産保存の会」会報 第２０１号
２０２３年４月１日発行（毎月1回発行）
北沢川文化遺産保存の会 会長 谷亀 �冢�
事務局:珈琲店「邪宗門」（水木定休）
155-0033世田谷区代田1-31-1 03-3410-7858
会報編集・発行人 きむらけん
東京荏原都市物語資料館:http://blog.livedoor.jp/rail777/
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1、完成！：三軒茶屋文士町文化地図 きむらけん
世田谷ファンドの助成を受けて私たちは、三軒茶屋を新たな対象地域として地図作成に取り組んだ。この年度末になったこれが完成した。
「下北沢文士町文化地図」の姉妹版として今回は作った、前者地図は版を重ねての発行だった。修正点や追加事項を付け加えればよいというものだ、それだけに苦労はしなくて済んだ。ところが今回の区域は、いわば文化の処女地である。そこに鍬を入れたという感じである。勝手が分からない、それで手探りで作ったと言える。
ただ調べを進めて最初に気づいたのは歴史の古さである。ここを通っている道は、日本の重要道である、いわゆる和倉沢往還である。これは江戸時代に整備された街道で、江戸城の赤坂門から相模国、足柄峠を経て駿河国沼津宿を結ぶ道だ、東海道の脇往還としても使われていた。別名を大山道とか、大山厚木街道とも呼ばれている。大山は、信仰の厚い山でである、三軒茶屋はもともと一本の道が通っていたが、大山信仰の人々が多く通るようになったことから文化文政期頃にここに分岐点を作った。つまりはここに追分ができたということである。
ここが三軒茶屋の始発点だとも言える、分岐点は結節点である、旅の途次において人々はここを目印にして歩いた。そして立ち止まり休みもした。そこに接待所である茶屋が建った。ここが面白い、つまりは三軒の茶屋ができた。「三軒茶屋まで行って茶でも飲もう」旅人の目印は三軒茶屋だった、これが通り名となった。実際この名は、最初は小名として出てくる。それが後に正式な名となって呼ばれるようになった。
三軒茶屋は追分を核にして発展した。ここには今も古い道路標識「大山道」が建っている。石碑の上には大山信仰のシンボルである仁王像が鎮座している。きっと道行く人は一礼して通ったろう。
時代とともに街は変わっていく、やはり大きな変化は電車の開通であろう。玉川電気鉄道が1907年、明治末年に開通する。私たちは電車が電気モーターで動くことは知っている。が、当時の人々にとっては不思議なものだった。初めて三軒茶屋に電車がきたとき、もちろん市内を電車は走っていて多くは知っていたろうが、知らない人もいた。電車がやってきたとき何人かはかがみ込んで確かめもしたろう、もしかして牛馬の足が見えるかもしれないと思って。
やがて1925年大正末年になって高井戸線が開通する。これによって三軒茶屋には鉄の道の分岐点ができた。やはりこれも分か去れである。
鉄道の開通はこの町に大きな影響を与えている。1923年に起こった関東大震災である。被害の大きかった東京の下町から多くの人が逃げてきた。渋谷からはこの玉電に乗って人はやってきた。これらの人々を受け入れるために一帯には急遽貸家や貸間が建った、その面影が今も、町中では見られる。
町の雰囲気も下町的である、のどかでおっとりした感じが太子堂の商店街などに現れている。銭湯は都会では多くは廃業しているが当地区では、いくつも残っている。銭湯が開く前に入り口に集まってきて、世間は話をしている様子が今でも見られる。
『太子堂物語』という映画がある、興味深いエピソードを伝えている。当地区には今も高圧鉄塔線が町を縦断している。駒沢線である、これを建てるときに当時の東京電灯と地元住民との間に一悶着あった。どうやら電力会社側は町の真ん中にこれを建てる予定だったらしい。これを阻止するために三軒茶屋の一軒、石橋楼に集まって総決起集会を開いた。ところが電灯側は役所の認可が下りたという理由で建築を強行した、これに対し地元民が怒って、相手に糞尿を投げつけて抵抗した。これの成果なのだろうか、鉄塔線は太子堂地内に入ることなく若林側に建った。
ともあれ、地図が完成した。悦ばしいことだ、編集に関わった方々、ご苦労様でした。
〇三茶ホコ天での地図の配布活動
地図を伝えて、地元文化を考えてもらう。今考えているのは、三茶ホコ天で地図を配ることです。関係部署に問い合わせてみたら大がかりにやるのなら別だが、数人が集まって地図を配るくらいだったら問題ないだろうとのこと。
期日 ４月９日 午後１時から（雨天中止）
西友前あたり
どんな反応があるか楽しみです。時間があったら来てください。
配布活動を楽しみましょう。
2、三軒茶屋に存在したデパートの痕跡を求めて 会員 川崎義行
ある日私は新宿へ向うため三軒茶屋駅へ降りる階段を下っていた。すると背後から「カッカッカッ」とけたたましいハイヒールの音とともに女性から問い掛けられた。女性（スミマセン！）私（‥‥ハイ）女性（三軒茶屋駅は何処ですか?）私（‥‥ココです！）なんて可笑しな出来事に出くわす事が三軒茶屋で暮らしていると多々ある（無いデスカ？）
そんな三軒茶屋での暮らしでちょっと楽しい探索をやってみた。
去年の忘年会の帰りに世田谷区役所三軒茶屋分所が入所する「世田谷産業プラザ」がかつて名鉄グループが運営する「名鉄ハニー」なるデパートだったという興味深い情報を得て、後日デパートの痕跡を求めて「世田谷産業プラザ」を訪れた。
当時は屋上に遊園地が有り、玩具売り場が充実した当時の子供たちにとって思い出深いデパートだったようです。
広い踊り場が設けられた階段に、かつて此処がデパートだった面影が確認できるが、今は市役所然とした殺風景な佇まいだ。一階のロビーに「喫茶JOY」という喫茶店があるが、残念ながらコロナの影響で土日の営業は一時中止されていた。仕方なく他の施設を見廻してみると、壁のスケジュール表に5階の「三茶しゃれなあどホール オリオン」にて、書道展が開催される情報を得たので、後日書道展を訪れ会場の様子を観察してみた。大抵古いビルでは通気孔などに当時の面影が確認で来るが、大幅なリホームが行われたらしく残念ながら当時の雰囲気は確認できなかった。
またの日、有休を利用して平日に「喫茶JOY」を訪れた。この喫茶店は知的障害者の社会参加への支援を目的とした喫茶店であったが、障害者支援を目的とした喫茶店にも関わらず提供されるメニューはどれも素晴らしく、私が注文したピザトーストやフランクフルト、コーヒーは純喫茶などで提供されるメニューにも決して劣ることのない美味しさでした。出来上がったメニューを慎重に運ぶ障害者の方々や、それを心配そうに見守る支援者から心暖まる空間が作られていました。帰り際レジの女性にかつて此処がデパートだったことを告げると興味深く名鉄ハニーの名前をメモしていたのがとても印象的だった。
また次の土曜日に「世田谷区絵画書道連合会」主催の書道絵画展が開催されていたため、再度三茶しゃれなあどホールを訪れる。前回訪問時には開かれていなかった開催者の控室から、世田谷産業プラザの格子型の窓と窓からの風景を垣間見ることができた。私が窓の風景を写真に撮る許可を書道絵画展の受付の職員に求めると、快く応じてもらえ窓からの風景を写真に収めることができた。
この親切な職員にも此処がデパートだったことを告げると（へえ〜そうですか）とあまり興味無さそうなリアクションが帰ってきた。（チョット寂しいな）
営業していた当時は屋上から富士山が望めたそうですが、窓からの見える建物は今では殆ど産業プラザよりも高いビルばかりです。今回の探索で「名鉄ハニー」の痕跡は余り見つける事は出来ませんでしたが、その代わりに昨今日本のGDB成長率の低下が叫ばれている中、私の要望に快く応じてくれる職員の存在や、障害者支援を目的とした喫茶店で低価格で美味しいものが当然のように提供されている事を体感し、GDPには反映されることはない本当の国の豊かさを私は感じることができ、とても充実した探索が出来たと思います。（千円ポッチで美味しい食べ物が提供される先進国なんて日本位です。海外ではラーメン一杯3千円はします。）最近も渋谷の東急本店の閉店が報じられ、デパートにまつわる明るいニュースはございませんが、そのうち人々の価値観も移り変わりまたデパートが文化の中心に返り咲くことも無いとは言い切れません。大いに期待しつつこれからも三軒茶屋生活から楽しみを見出して行きたいと思っています。
最後に書道展を鑑賞したかんそうですが。私がいい書だな〜と思った作品は何も賞を貰っておらず、特に良いと思わない作品が賞を獲得したりしている。私が違いを理解できるまでにはまだまだ人生経験を積む必要があるようですね!（2023年3月21）
３、プチ町歩きの案内
◎コロナ感染を避けての「プチ町歩き」を実施している。プチ町歩きの要諦、
１、短時間にする。２、ポイントを絞る。３、人数を絞る。（４名集まったら成立する）
第１８３回 ４月１５日（土） 大山道旧道を歩く（三軒茶屋文士町文化地図発行記念）
三軒茶屋誕生のなぞを解く〜なぜそこに追分はできたのか
案内者 木村康伸 東急田園都市線三軒茶屋駅中央改札 １３時集合
コース：三軒茶屋駅→大山道道標→若林富士講碑→常盤塚→大吉寺・圓光院→世田谷代官屋敷（世田谷郷土資料館中庭には道標などがある）→用賀口道標→大山道旅人の像→野中の地蔵→用賀追分→用賀駅
コースの魅力：三軒茶屋は、江戸時代中期に大山道の追分（分岐点）ができたことにより生まれた。なぜそこに追分ができ、三軒茶屋はできたのか。大山道の旧道を歩きながら、歴史的・地形的な観点からそのなぞを解き明かしてゆく。なお、参加者には新しくできた「三軒茶屋文士町文化地図」をさしあげます。
第１８４回 ５月２１日（日） 幻影の下北沢猫町散歩（＊日曜日に注意）
４月２日、萩原朔太郎大全2023として「幻影の『猫町』下北沢／朔太郎X線の彷徨」
が開催された。下北沢における朔太郎を主軸にしたイベントである、今回の催しはイベントを観劇するものである。我々が企画したのは萩原朔太郎大全2023の一環として実際の下北沢を巡る町歩きである。萩原朔太郎が実際に辿ったであろう道を歩いてみるというものである。
コース概要：下北沢駅東口→萩原朔太郎下北沢旧居跡→十字路の煙草屋→北沢局の旧ポスト跡→御殿山小路（朔太郎が歩いたであろう道）→お屋敷の屋敷林（『猫町』）→踏切地蔵→線路街を通って世田谷代田駅→朔太郎が自宅まで辿った道→代田の丘の６１号鉄塔→朔太郎終焉の地→北沢川緑道→三好達治文学顕彰碑→駅へ
◎申し込み方法、参加希望、費用について 参加費は５００円
感染予防のため小人数とする。希望者はメールで、きむらけんに申し込むこと、メールができない場合は米澤邦頼に電話のこと。090-3501-7278
きむらけんへはメールk-tetudo@m09.itscom.net 電話は03-3718-6498
■ 編集後記
▲投稿を募集します。ちょっとした情報、町の思い出など、ぜひ書いてください。
▲会報は会員と会友にメール配信しています。後者で迷惑な場合連絡を。配信先から削除します。新しい年になりました。会員は会費をよろしくお願いします。銀行振り込みもできます。芝信用金庫代沢支店「北沢川文化遺産保存の会」代表、作道明。店番号０２２。口座番号９９８５５０６
▲「北沢川文化遺産保存の会」は年会費1200円、入会金なし。◎当会への連絡、問い合わせ、感想などは、編集、発行者の きむらけんへ
