2012年12月13日
下北沢Ｘ新聞(2219)〜アートタウン文化地図改訂版校了〜
（一）
血に飢えるという言葉がある。猛々しいフレーズだ。が、知に飢えるとなると違う。
これだと人間の顔つきが違ってくる。色艶までよくなるから不思議だ。人は知を啓くことで活力は漲ってくる。
「私たち仲間で、セルバンテスの『ドンキホーテ』をもう五年もかけて読んでいるんですよ。ええ、スペイン語の原書で……」
昨日、世田谷邪宗門で待ち合わせた張替滋夫さんがそんな話をされた。
「これは一人ではだめなんですけどね、五六名もいると色んな考えが出てきて面白いのですよ」
同席していたワイズメンクラブ会長太田勝人さんの話だ。まさにワイズメン、知的な人たちがいるものだと痛く感心したことだ。
知への飢え、知りたいと思う好奇心は生きる原動力である。何かに興味を持って生きている人の表情は違う。目付き、顔つきに出てくる。
三人来られた人との文化談義になった。
「下北沢文士町文化地図は校了してもう印刷にかかります。この地図の場合は地形は見えませんが、文化人、小説家、詩人、絵描きなど住んでいるところと地形というのは深く関係してきますね。個々の経済状況というのも関連してきますが、著名文化人は丘の南のりめんに陣取っています。」
「さっき張替さんは足元を見ていくことが必要だとおっしゃいましたがそうですね。自分がどんなところに立っているか考えるのは面白いですね。古いものはほとんどが壊されてしまいました。しかし至る所に面影が残っています。例えば道ですね」
「近代の道はほとんどが真っ直ぐで面白くはありません。が、古道は眺めがいいです。そこはかとなく雁行している。とくにＳ字カーブが見えてくると気持ちが寛いできます。道の曲がりに心を預けて旅をする。おもむろに次の景色をみせてくれます」
「近代文明の親玉は汽車ですね。それが走り出してたかだか１４０年ほどなのに、とんでもない進歩を遂げてしまいました。これからどこへ行くのだろうという不安がありますね。だからもういっぺん足元を見ていくことは必要ですね。足元にこそ文化は埋まっています」
「文化というのは耕すということですけど、大事なのは自分の頭を耕すことだと思います。この地図なども改訂を続けて来ましたが知の情報の耕しだったと思います。今度はアーティストも入るので違った知の情報が入ってくるように思います。おもしろがるとおもしろくなるっていうのはありますね。そんな話を皆さんにできるといいかもしれませんね」
ワイズメンクラブの合同の会で何か刺激的な話をしてほしいとの要望だった。
（二）
今朝、地図は校了した。印刷を担当している米澤邦頼さんから「修正箇所、了解しました。もう、印刷工程に入って宜しいですか？」とあり、「ＯＫ」と伝えたら「了解しました。それでは印刷に入ります。」とあった。
地図ができあがるのを楽しみに待っている人がいる。一万部印刷をする。近隣の小中に配ることにしている。会の廣島文武さん区の教育委員会で実数を調べ、私にＦＡＸでそれを送ってこられた。児童教員含めて１６００余となるとあった。子どもが地図を見て何かの意味を見つけてくれればいい。
今回の地図の一番大きな特徴は、芸術分野を入れたことだ。それを青丸で記してある。全域にこれが散らばっている。多くが丘上にあることだ。文学の場合は、川筋とか建て込んだところいる。人との距離の近さがある。文学で食えないから低廉な家賃ですむ川筋になるということもある。
（三）
赤は文士、青は芸術家、これが皆散らばって存在する。演劇や映画や音楽は入れてはいないがこれも入れるともっと面白いものになるだろう。
散在して存在する。やはり、下北沢は文士村ではなく文士町である。それぞれがそれぞれの事情で集まってきている。今になってなんだ、あの人もこの人もいたということが分かってきた。個別的な交流はそれぞれにはあったろう。しかし、これだけの数が掘り起こされてみるともう村ではない。町である。打ち合わせすることなく集まっていたということだろう。
芸術文化は異質なものどうしがぶつかることで生まれることは間違いない。地図は、平面的に彼らの居住痕跡を言い表しているだけだ。赤丸、青丸の間にこそ何かの物語があるはずだ。それがまた新たな情報となって寄せられるのではないかと期待している。
〇「下北沢文士町文化地図・改訂五版」については、二十二日には刷り上がるとのこと。さしあたって配布は邪宗門で。クリスマスプレゼント。
今朝、地図は校了した。印刷を担当している米澤邦頼さんから「修正箇所、了解しました。もう、印刷工程に入って宜しいですか？」とあり、「ＯＫ」と伝えたら「了解しました。それでは印刷に入ります。」とあった。
地図ができあがるのを楽しみに待っている人がいる。一万部印刷をする。近隣の小中に配ることにしている。会の廣島文武さん区の教育委員会で実数を調べ、私にＦＡＸでそれを送ってこられた。児童教員含めて１６００余となるとあった。子どもが地図を見て何かの意味を見つけてくれればいい。
今回の地図の一番大きな特徴は、芸術分野を入れたことだ。それを青丸で記してある。全域にこれが散らばっている。多くが丘上にあることだ。文学の場合は、川筋とか建て込んだところいる。人との距離の近さがある。文学で食えないから低廉な家賃ですむ川筋になるということもある。
（三）
赤は文士、青は芸術家、これが皆散らばって存在する。演劇や映画や音楽は入れてはいないがこれも入れるともっと面白いものになるだろう。
散在して存在する。やはり、下北沢は文士村ではなく文士町である。それぞれがそれぞれの事情で集まってきている。今になってなんだ、あの人もこの人もいたということが分かってきた。個別的な交流はそれぞれにはあったろう。しかし、これだけの数が掘り起こされてみるともう村ではない。町である。打ち合わせすることなく集まっていたということだろう。
芸術文化は異質なものどうしがぶつかることで生まれることは間違いない。地図は、平面的に彼らの居住痕跡を言い表しているだけだ。赤丸、青丸の間にこそ何かの物語があるはずだ。それがまた新たな情報となって寄せられるのではないかと期待している。
〇「下北沢文士町文化地図・改訂五版」については、二十二日には刷り上がるとのこと。さしあたって配布は邪宗門で。クリスマスプレゼント。
