2013年03月14日
下北沢Ｘ新聞(2279)〜踏切展望はロマンスカーから６〜
（一）昨日、踏切を渡ろうとした人達は、これを激しく憎んだ。踏切除去工事の終了を願ったに違いない。春の嵐が、小田急線のダイヤを乱した。除去される踏切群は、どこもここも、最後の抵抗を試みていた。人も車も通すもんかとばかりに踏ん張っていた。
３月１３日、６時から、北沢タウンホールで「北沢地域地域交流会」が行われた。絆推進事業の助成を受けた団体の報告会でもある。
これに参加するために早めに家を出た。東横線で渋谷へ､現渋谷駅は地表から消滅する。頭端式ホームにいる人びとの多くはもう最後となる風景をカメラやビデオに収めていた。「なんでみんなこんなに写真撮っているの？」
事情が全く分かっていないおばさんが不思議がっていた。
井の頭線池の上駅で降りて、小田急線東北沢駅へ向かった。かつての自転車通勤で通り慣れた道だ。が、趣が違っている。やはりシャッターを閉じたところが多い。池田屋豆腐店は跡形もなく。新しい住宅が建っていた。
踏切ツアーの下見だ。駅改札前の集合地点の確認、その後、代々木上原３号踏切を渡る。かつては、四線だったが、今は二線だ。三田用水も渡っていた踏切だが遺構などはない。
「うちら中央自治会区域は何もないんですよ。」
報告会で隣り合わせた北沢四丁目、五丁目の人だ。
「あれ、玉川上水と三田用水があるではないですか、あんな貴重なものはないですよ」
私はそう訴えたが余り反応はなかった。
（二）
踏切はは一つの文化だ。それぞれに固有性がある。その場で、遮断と解放とを繰り返してきた踏切は、ツアーでは必ず渡りたい。
待つ体験こそが、踏切の味わいだ。ところが、東北沢２号を渡ろうとしてここで足止めを喰らった。標高四十メートルから下北沢方向を見ると列車が数珠つなぎだ。待てども待てども開く気配はない。踏切は最後のお勤めとばかりに、くわんくわんくわんとお経を上げてばかりいる。それに促されるようにLSE（7000形）がゆっくりと目の前を過ぎて行く。
踏切の矢印は、上り下りとも点きっぱなしだ。これは無理だ。交流会の時間も迫っていた。坂を下って下北沢方向に向かう。途中、東北沢３号に出くわした。ここも踏切が開くのを皆待っている。開きそうにない。ところがしばらく待っていると上りと下りがすれ違った。この場合は空く可能性がある。待っていると、片方の矢印が消え、そして、もう一方の矢印が消えた。そして、奇跡だ。遮断棒が跳ね上がった。これによって交流会には間に合った。
（三）
夜八時、交流会は終わった。スーパーオオゼキの側、東北沢６号のところへ行くと、嵐の影響は収まっていないらしく、ここで大勢が足止めを食っていた。下北沢駅ホームには上りも下りも停まっている。動く気配がない。業を煮やした若い男女が踏切を押しのけて渡っていった。ひやりとする。
下北沢駅に停まっていた新宿行き上り急行電車が、大きく「長緩汽笛一声」を慣らした。踏切待機者への警告である。やがて、くったんかったんと目の前を過ぎて行く。踏切での夜のドラマだ。
私は、スーパーオオゼキへ行った。アジのたたきと三枚おろしの刺身が半額だ。よしこれだと、買って帰って、一杯飲んだことだ。
アジと踏切とロマンスカー。どういう繋がりになるのだろうか？。（了）
（上から、東北沢３号、東北沢２号、代々木上原３号）
〇踏切ツアーの募集終了
Hello,
I would like to enquire about the walking tour of Shimokitazawa station this weekend. Could you tell me a little more?
英文で申し込まれた方が最後でほぼ定員が埋まった。
〇桜祭りでの地図配布活動
代沢小安吾文学碑前で行う。代沢小学校には、３０日、３１日、６日、７日を申し込んでいる。
