2013年03月28日
下北沢Ｘ新聞(2288)〜「ラジオ深夜便」深く静かな反響〜
（一）
ラジオには静かな力がある、と感じた。
私が最初にラジオに出たのは ９０年８月１４日だ。TBS大沢悠里ゆうゆうワイド「ゆうゆう童話大賞」に自作品「山手線のゴンスケ狸」が放送された。次は、FM世田谷だ。これには「下北沢文士町」の話をした。二回ほど出演した。しかし、聴きましたよという話は聞かなかった。
NHKラジオには二度ほど出演した。「広島にチンチン電車の鐘が鳴る」が出版されたときに電話でインタビューに応じた。これはNHK広島放送局の放送で中国地方に流された。
もう一回、NHK第一で「下北沢文士町」の話をしたことがある。関東エリアで流れ出て、さすがにこれは数名の人から聴きましたよと反応があった。
昨日、未明、４時過ぎ、『ラジオ深夜便』に出演した。〔明日へのことば〕「疎開児童が見た特攻隊」というタイトルである。この放送時間というのがみそである。
『鉛筆部隊と特攻隊』の核は淺間温泉に疎開していた学童と特攻隊との触れ合いだ。その特攻隊武剋隊が、沖縄戦で緒戦を飾る。それが昭和２０年３月２７日未明である。武剋隊先陣、廣森達郎中尉を初めとする九人が慶良間列島沖に展開する米艦船に突撃した。すなわち彼らの命日である。
彼らが亡くなった領域までラジオ電波は届いた。ラジオのスイッチをひねることはしないだろうが、水底深く沈んでいる魂も耳を傾けているかもしれないと想像したことだ。
『鉛筆部隊と特攻隊』という本を出しての反響を話した。本編では、ネットを通してつぎつぎに新しい情報が入ってくるドラマを描いた。出版すると、今度は、ネットに触れない人からの情報がどんどん集まってきた。
これも静かなる反響である。陸軍松本飛行場を中心とした特攻隊については多くの謎がある。新たな情報によって、分かってきた部分もあるが、また新たな謎も生じている。
（二）
「これまでに集まってきた情報もとに、私は仮の題ですが、『褶曲山脈と特攻隊』という名の本を書いています。陸軍松本飛行場から飛んでいった特攻隊は他にもいたはずです。それらのことを調べています。しかし、往事のことを知る人びとがだんだんにいなくなっています。今のうちに聴いておかないと事実は歴史の闇に消えてしまいます。ラジオを聴いておられるかたの中で情報を……」
ラジオ深夜便で情報伝達は、広く静かに伝わったようだ。そのことははっきりと分かった。
一つは、昨日の、このブログへのアクセスだった。その訪問者の数は３３３名だ。放送を聞いて検索をかけてアクセスしてこられたに違いない。もっとも、このところ渋谷や下北沢の地下化をずっと話題にしていて、これへの、アクセスが増えてはいた。鉛筆部隊だけのの閲覧者ではないだろうとは思う。
アクセスしててきたリスナーの数をどう考えるか。ネットに触れられる人の数を三百名とする。これを十分の一とみると視聴者は、三千名となる。しかし、これでは、少ない。百分の一だとすると、三万だ。現に起こっている現象からするとこれでも少ない。もしかしたら、千分の一、三十万人かもしれない？とも思って、ぎょっとした。
ネットのアマゾンでは、たちまちに在庫が売れたようだ。驚いたことに十数冊ほどあった中古本まで一掃されている。３１７２円の値をつけている一冊があるきりになってしまった。しかも、Amazon ベストセラー商品ランキングでは、日中・太平洋戦争では一位になっている。
もう一つ、昨日は、電話が数多くかかってきた。「ラジオ深夜便」を通しての反応だ。
「私は諏訪に住んでいますが、お話に中にあった博物館はどこにありますか？」
今すぐにでも行こうとされているような口ぶりだ。
「松本城内にある松本博物館ですが、『戦争と平和展』は昨年の話です。今年も開催するような話は聞いてはいますが…」
「私は、少飛生の集まりの幹事をしているものです。たまたまラジオで聴きましてね、今度の会でもきっと話題になるだろうと思いまして、本はどうやって手に入れたら？」
「武剋隊や武揚隊にはやはり数名の少飛生がおられますね。陸軍松本飛行場のエピソードを知っておられる方がおりましたら、ぜひ連絡をください」
（三）
戦争経験の話も、ラジオ深夜便では、全国展開となる。まずは、滋賀県での経験だ。
「私は、滋賀県の八日市場飛行場にいまして、掩体壕を作っていたんですよ。普通はコンクリートですけど、もうそれもなくなって、木造でつくっていまして、ところが、これだと遺構として残らないのです…」
つぎは、静岡県だ。
「私は、明野飛行場に整備兵としていたのですよ…」
三重県の明野飛行場と思っていたが、どうも違う。調べてみると明野陸軍飛行学校の分校として富士に作られたものだ。
「遠州灘沖の敵機動部隊に向けて出撃していくたった一機のはやぶさを見送ったことがあるのですよ」
昭和六年生まれの佐野さんという方は言われた。（目黒川の桜）
「これまでに集まってきた情報もとに、私は仮の題ですが、『褶曲山脈と特攻隊』という名の本を書いています。陸軍松本飛行場から飛んでいった特攻隊は他にもいたはずです。それらのことを調べています。しかし、往事のことを知る人びとがだんだんにいなくなっています。今のうちに聴いておかないと事実は歴史の闇に消えてしまいます。ラジオを聴いておられるかたの中で情報を……」
ラジオ深夜便で情報伝達は、広く静かに伝わったようだ。そのことははっきりと分かった。
一つは、昨日の、このブログへのアクセスだった。その訪問者の数は３３３名だ。放送を聞いて検索をかけてアクセスしてこられたに違いない。もっとも、このところ渋谷や下北沢の地下化をずっと話題にしていて、これへの、アクセスが増えてはいた。鉛筆部隊だけのの閲覧者ではないだろうとは思う。
アクセスしててきたリスナーの数をどう考えるか。ネットに触れられる人の数を三百名とする。これを十分の一とみると視聴者は、三千名となる。しかし、これでは、少ない。百分の一だとすると、三万だ。現に起こっている現象からするとこれでも少ない。もしかしたら、千分の一、三十万人かもしれない？とも思って、ぎょっとした。
ネットのアマゾンでは、たちまちに在庫が売れたようだ。驚いたことに十数冊ほどあった中古本まで一掃されている。３１７２円の値をつけている一冊があるきりになってしまった。しかも、Amazon ベストセラー商品ランキングでは、日中・太平洋戦争では一位になっている。
もう一つ、昨日は、電話が数多くかかってきた。「ラジオ深夜便」を通しての反応だ。
「私は諏訪に住んでいますが、お話に中にあった博物館はどこにありますか？」
今すぐにでも行こうとされているような口ぶりだ。
「松本城内にある松本博物館ですが、『戦争と平和展』は昨年の話です。今年も開催するような話は聞いてはいますが…」
「私は、少飛生の集まりの幹事をしているものです。たまたまラジオで聴きましてね、今度の会でもきっと話題になるだろうと思いまして、本はどうやって手に入れたら？」
「武剋隊や武揚隊にはやはり数名の少飛生がおられますね。陸軍松本飛行場のエピソードを知っておられる方がおりましたら、ぜひ連絡をください」
（三）
戦争経験の話も、ラジオ深夜便では、全国展開となる。まずは、滋賀県での経験だ。
「私は、滋賀県の八日市場飛行場にいまして、掩体壕を作っていたんですよ。普通はコンクリートですけど、もうそれもなくなって、木造でつくっていまして、ところが、これだと遺構として残らないのです…」
つぎは、静岡県だ。
「私は、明野飛行場に整備兵としていたのですよ…」
三重県の明野飛行場と思っていたが、どうも違う。調べてみると明野陸軍飛行学校の分校として富士に作られたものだ。
「遠州灘沖の敵機動部隊に向けて出撃していくたった一機のはやぶさを見送ったことがあるのですよ」
昭和六年生まれの佐野さんという方は言われた。（目黒川の桜）
