2013年10月07日
下北沢X新聞（2417)〜単一思考回路への懐疑、縦軸横軸文化論〜
（一）
縦に短く、横に長いというのは列島の特徴だ。このことから鉄道にせよ、道路にせよ、また通信インフラもこれに沿っている。居住する人間もこれに影響されて東西径路的思考に陥っていないか。単一的思考回路に染まっていないか。そういう問題提起だ。
私の文化探査は面的である。日々の荏原逍遙は放射状の鉄道や道路は敬遠し、むしろ縦に動くことが多い。
活動の拠点は下北沢だ。家からの径路としては一旦渋谷に出る。東に行ってまた西に戻るという場合が普通だった。が、あの渋谷地下化によってとんでもなく不便になっった。改造以来、なるべくここは避ける。
近隣には、渋谷へは行きたくない派が多い。便利になったと宣伝される、が、あんな不便なことはない。便利便利としか言わない。不便不便という声を聞いて、中道的便利さを解決策として見出せば道はある。それが民主主義というものだ。しかし、巨大建造物は、作り直せない。原発も具合が悪いといっても作り直せない。
思うのは単一的思考回路に毒されていないかということだ。列島の交通インフラが私たちの思考を一方化させ、単一思考的な人間を増やしている。縦断的思考はますます希薄化している。
自身の文化探査は縦系列情報に新鮮さを見出す。例を言えば、高圧鉄塔駒沢線である。鉄塔は建っていることは誰もが知っている。しかしこれが縦系列の文化を形成しているとは気づくことはない。見えない電気には誰も注意を払わない。
しかし、この東京内輪線、境界ラインであり、文化ラインである。詩歌ラインであるとも言ってきた。なぜか詩歌がこの線沿いに集まっている。駒沢線５４号鉄塔そばの門柱には長く大村能章の表札が掛かっていた。が、これもなくなった。
「鉄塔線の下には家は建たない。しかもここには変電所がある。ここを背後に家を建てれば、少々ピアノの音が響いたとしても苦情は出ない。バンバンならして、歌を創ったんだ。『貴様と俺とは同期のさくらぁ…」
物語的説明を街歩きのときにしたことがある。駒沢線鉄塔は軍歌ライン。
（二）
学校というのも典型的な縦ライン文化である。横の情報径路はない。
こういう比喩が言える､学校横ラインを探していけば近代の隠れた歴史が見えてくる。
先の土曜日、お茶の水へ取材に行った。松本中学OBに会うためだ。皆さん千葉に住んでおられる。会うのはお茶の水が都合がいいというので古老三人はわざわざ上京してくださった。
学校探訪ラインの果ての果てまできたなあという実感である。そして、大きな発見があった。彼らの頭の中には近代戦争史の真実が眠っていた。戦争当時、中学生だ。その記憶は鮮やかである。
「こっちの絵は、『九九式襲撃機』だ。左のこれは液冷式の『飛燕』ですね」
疎開児童が書いた絵をみてたちどころに機種を言い当てる。もう驚きである。
（三）
学校縦横ラインが面白い。
始発点は下北沢代沢小である。ここを起点にして情報を探し始めた。近代戦争史の真実を探そうと思って探したわけではない。が、順に芋づる式に繋がった。
順序はこうだ、代沢小、東大原小、駒繋小、山崎小、二子玉川小、第一師範、当時の国民学校だ。その卒業生に繋がっていった。学童たちの記憶に歴史真実が眠っていた。この間に、松本高女が入る。
このところこれがさらに広がって中学に結びついた。最近のことでいえば松本第二中学だ。さらには今度松本中学に結びついた。別名「蟻ヶ崎の士官学校」とも言われたエリート校である。
「松本工業の連中も何か情報を知っているかもしれません。聞いてみましょう」
OBの一人が言われた。加々美勉さんだ、月刊誌「信州の東京」１０月号に、『鉛筆部隊と特攻隊』、『 特攻隊と（松本）褶曲山脈』の紹介記事を書いてくださっている。
（歴史的記録写真、ヒットラー・ユーゲント来日、昭和１３年８月２０日、富士登山。提供、矢花克己氏）
学校というのも典型的な縦ライン文化である。横の情報径路はない。
こういう比喩が言える､学校横ラインを探していけば近代の隠れた歴史が見えてくる。
先の土曜日、お茶の水へ取材に行った。松本中学OBに会うためだ。皆さん千葉に住んでおられる。会うのはお茶の水が都合がいいというので古老三人はわざわざ上京してくださった。
学校探訪ラインの果ての果てまできたなあという実感である。そして、大きな発見があった。彼らの頭の中には近代戦争史の真実が眠っていた。戦争当時、中学生だ。その記憶は鮮やかである。
「こっちの絵は、『九九式襲撃機』だ。左のこれは液冷式の『飛燕』ですね」
疎開児童が書いた絵をみてたちどころに機種を言い当てる。もう驚きである。
（三）
学校縦横ラインが面白い。
始発点は下北沢代沢小である。ここを起点にして情報を探し始めた。近代戦争史の真実を探そうと思って探したわけではない。が、順に芋づる式に繋がった。
順序はこうだ、代沢小、東大原小、駒繋小、山崎小、二子玉川小、第一師範、当時の国民学校だ。その卒業生に繋がっていった。学童たちの記憶に歴史真実が眠っていた。この間に、松本高女が入る。
このところこれがさらに広がって中学に結びついた。最近のことでいえば松本第二中学だ。さらには今度松本中学に結びついた。別名「蟻ヶ崎の士官学校」とも言われたエリート校である。
「松本工業の連中も何か情報を知っているかもしれません。聞いてみましょう」
OBの一人が言われた。加々美勉さんだ、月刊誌「信州の東京」１０月号に、『鉛筆部隊と特攻隊』、『 特攻隊と（松本）褶曲山脈』の紹介記事を書いてくださっている。
（歴史的記録写真、ヒットラー・ユーゲント来日、昭和１３年８月２０日、富士登山。提供、矢花克己氏）
この記事へのコメント
1. Posted by 桜上水confidential 2013年10月07日 21:31
[旧渋谷駅解体中]
先週末、銀座線に乗ってふと外を見ると、あのかまぼこが並んだような旧東急東横線渋谷駅が解体中でした。かまぼこ型の屋根がもう骨組みだけになっていて、あと何日もないでしょう。
ヒカリエへのブリッジからもよく見えます。
[都心の池]
青山の国連大学裏、以前の青山病院跡地が半年ほど前から住宅展示場として使われています。所用で入ったときに、敷地の奥に池があることを発見しました。おそらく、病院が建つ前の梨本宮邸、或いは、地形からみて、それ以前に遡る起源があるかもしれません。
それぞれ、お時間があれば、ぜひ
旧渋谷駅は、本当に今だけ
青山病院跡地の池も、住宅展示場が次の用途として使われるときには埋められてしまうかもしれません
先週末、銀座線に乗ってふと外を見ると、あのかまぼこが並んだような旧東急東横線渋谷駅が解体中でした。かまぼこ型の屋根がもう骨組みだけになっていて、あと何日もないでしょう。
ヒカリエへのブリッジからもよく見えます。
[都心の池]
青山の国連大学裏、以前の青山病院跡地が半年ほど前から住宅展示場として使われています。所用で入ったときに、敷地の奥に池があることを発見しました。おそらく、病院が建つ前の梨本宮邸、或いは、地形からみて、それ以前に遡る起源があるかもしれません。
それぞれ、お時間があれば、ぜひ
旧渋谷駅は、本当に今だけ
青山病院跡地の池も、住宅展示場が次の用途として使われるときには埋められてしまうかもしれません
