2014年10月01日

下北沢X物語(2654)〜会報第99号「北沢川文化遺産保存の会」〜

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「北沢川文化遺産保存の会」会報 第99号 
                2014年10月1日発行(毎月1回発行)

               会長 長井 邦雄(信濃屋)
 事務局:世田谷「邪宗門」(木曜定休) 155-0033世田谷区代田1-31-1 03-3410-7858
                 会報編集・発行人   きむらけん
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1、三好達治文学顕彰碑

 三好達治は、生涯にわたって詩を詠んでいる。その数、千篇を越える。その中で、どれを選び、文学碑に残すのか難しい。しかし、私達はこれまで文学碑を創ってきたが、大事にしたのは地域との関わりだ。詩人は十六年間も、当地に住んだ。よって晩年に編まれた詩集『駱駝の瘤にまたがって』、『百たびののち』から選びたいと思っていた。

 当地、世田谷代田で長く住み、詩人が一つの詩境に達していたことは知られていない。『定本 三好達治全詩集』(筑摩書房 昭和三十七年三月)は、代田時代に編まれたものである。これについての詩人村野四郎の批評は興味深い。

 この全詩集におさめられた『測量船』以後「百たびののち」にいたる十七詩集の全作品と、各時代の拾遺作品をふくむ八百編におよぶ集大成を前にするとき、あたらしい叙情詩の典型にそそがれたこの詩人の異様な執念と、つよい意志とに畏怖にも近い尊敬の念を禁じえない。これはまさに日本の叙情詩の新しい開花であり、同時に偉大な結実でもある。 昭和三十七年五月五日『朝日新聞』

 「異様な執念」とは、詩作を捨てることなく、終生続けたことに対する評価である。なかんづく最後の詩集となった『百たびののち』への重きをおいていることに注目したい。 三好達治は世田谷代田の寓居にひっそりと住んだ。彼はここを「場末」と称した。言い換えれば境である。都市東京と田園との境界だ。こここそが彼の文学ポジションだった。文学碑にはここ代田での隠棲生活を詠んだ詩を選んで刻むことにした。

閑窓一盞(かんそういつさん)

憐れむべし糊口(ここう)に穢(けが)れたれば
一盞(いつさん)はまづ吾が膓(はら)わたにそそぐべし
よき友らおほく地下に在り
時に彼らを憶ふ
また一盞をそそぐべし
わが心つめたき石に似たれども
世に憤りなきにしもあらず
また一盞をそそぐべし
霜消えて天晴る
吾が庭の破れし甕(かめ)にこの朝(あした)来りて水浴ぶは
黄金褐(わうごおんかつ)の小雨鶲(こさめびたき)
小さき虹もたつならし
天(あめ)の羽衣すがしきになほ水そそぐはよし
また一盞をそそぐべし
信あるかな爾
十歳わが寒庭を訪なふを替へず
われは東西南北の客
流寓に疲れたれども
一日(いちじつ)汝によりて自ら支ふ
如何にために又々一盞をそそがざらでやは

 

 世田谷代田での寓居生活を見事に描いている。ひっそりとした住まいで亡くなった友を、また寒庭に飛来する小鳥を相手に、盃を傾ける詩人の姿が描かれる。流れ流れて着いた先がここである。「流寓独居」して思考を一層に深めていた。社会から距離をおいた独居生活の中に自分の詩境を見出している。渋くかつ枯淡な境涯である。

 当初、この詩全体を刻むことは考えていなかった。後半をと思っていた。そうしたところ、大坂の三好達治文学記念館と縁あって繋がり、原案をここに送った。ところが、「詩というものは全編があって詩というもの」との指摘を受けた。
 北沢川緑道に設置する文学顕彰碑は、そう大きなものは建てられない。碑面に刻む文字も限られている。そんなことから「閑窓一盞」の後半を選んでこれを作っていた。入れる余地がないのでというのは言い訳だ。テーマは酒仙の歌である。簡単に言えば、酒飲みの歌である。先方は「アル中」の歌ですよとずばり核心を衝く言葉を返してきた。
 実際、一盞は、前半は三度出てくる、まずは、自分に、次に、亡くなった故人へ、そして世間様へ、一杯傾けては哲理に耽る。まさに詩人の代田での生活の様子を見事に描いたものである。前半の欠落は詩趣を削ぐものになる。やはり全詩あっての作品だ。
 この詩と、写真家榊原和夫氏が、世田谷代田の庭で白いスピッツと戯れる写真を載せる。「すてきな企画ですね。さぞ大変なことでしょう。そんな中に父の写真を使っていただけること、うれしく思います。父も喜んでにこにこしているような気がします」と写真家の娘さんから連絡があったことだ。

2、こぶし基金への寄付のお願い

 今回、北沢川緑道、鎌倉橋たもとに「三好達治文学顕彰碑」を建てる。世田谷区の助成、東邦薬品ホールディングスの協賛によって費用を賄っている。会の創立十周年を刻むものでもある。この四つ目の碑を建てて、従来から提唱している『北沢川文学の小路』は完成する。そんなことから従来のものよりも大きくすることにした。達治の代田時代の詩と、詩人と犬とが当地で戯れている写真を載せることにした。大きくしようとしたときにネックになるのは費用である。そのことから「北沢川文化遺産保存の会」で貯めておいた10万円を拠出することに決めた。しかし、それでもなお費用が不足する見通しだ。

 そんなことから一般に寄付を呼びかけようということにした。この企画に賛同する方がおられればその協力に預かりたいとの願いだ。金額はいくらでも構わない。協力して戴ける場合、前の地図基金のように封筒に「こぶし基金」と書き、お名前と住所を記していただいて、それを米澤邦頼かきむらに渡してほしい。事務局の邪宗門に出してくだされても構わない。これへの協賛会社があれば歓迎したい。寄付者には紀要3号をを差し上げたい。
 提唱者は、「こぶし基金」に街歩きの参加費を寄付する。9月のでは8500円ほど集まった。11月の街歩き「百回記念ウォーク」の参加費も全額寄付したい。
 もう一つのアイディアだがどうだろうか?。春の地図配りは行っている。秋にこれを行い、寄付を募る。残っている紀要なども配る。自分の本を並べて、売れたらその分を寄付する。行うとすれば十月か。どうだろうか?

3、都市物語を歩く 第100回記念ウオーク

 
長年行ってきた「都市物語を歩く」、これが11月15日で、百回目を迎える。記念歩行会を行う。これを記念して百回目は駒沢線を歩くとした。
 駒沢線一号から、「代田の丘の61号鉄塔」までを歩き。その後、邪宗門でお茶をする。
 「駒沢線を歩く」
  �‐綉薀船礇譽鵐検\�足池駅前改札  12時集合 鉄塔NO1から歩く
��中級チャレンジ 都立大学駅前改札 1時30分集合 集合NO25から歩く
  ��初級チャレンジ 世田谷線西太子堂 3時集合 これは二キロほど、軽い。
�ぅ�フェでお茶  世田谷代田邪宗門 4時頃
代田の丘61号鉄塔まで歩き、終わった後、邪宗門でお茶を飲む。
 
�´↓I�分を歩いてもかまわない。�い發茲ぁ�四時過ぎには邪宗門にはたどり着く。100回記念の参加費は五百円である。

4、都市物語を旅する会

 私たちは、毎月、歩く会を実施しています。個々の土地を実際に歩き、その土地の文化を発見して楽しみながらぶらぶら歩いています。参加自由です。 基本原則は、第三土曜日午後としています。第二週には、会員の希望によって特番を設けることがあります。

[10月の歩く会]
・番外歩き 10月11日(土) 午後一時 溝の口駅改札前
 津田山高射砲陣地、久地分水など ナビゲーター 別宮通孝さん
・第99回 10月18日(土) 午後一時 京王線代田橋駅改札前
  京王線高架予定区間を歩く ナビゲーター きむらやすのぶさん
 代田橋駅→玉川上水→井の頭線玉川上水水路橋(山手急行電鉄痕跡)→明大前駅→
下高井戸駅→桜上水駅→下高井戸宿本陣→上北沢駅→八幡山駅→上高井戸宿本陣→芦
花公園駅(→千歳烏山駅)
 京王線笹塚駅〜仙川駅間の連続立体交差事業について認可が下り、同区間が高架化されることとなった。工事が始まってしまえば見慣れた風景はどんどん変わっていく。今のうちに、地上を走る京王線の姿を見ながら、沿線の歴史や地形を観察し、記憶に留めよう。


・第100回記念 11月15日(土) 計画のあらましは。上記に書いたとおり。
 駒沢線鉄塔を歩く(NO1号から61号まで)
・第101回 12月20日(土)午後一時 代田橋駅
 代田のダイダラボッチを歩く
 代田橋駅→代田橋跡→ダイダラボッチ宇田川湯源流域→ダイダラボッチ跡→代田図書館ダイダラボッチ足跡・机見学→代田駅前ダイダラボッチの足跡予定地→代田の丘の61号鉄塔→三好達治文学碑見学
◎申し込み方法、参加希望、費用について 参加費は各回とも500円
 参加申し込みについて(必ず三日前まで連絡してください。資料部数と関連します)
  電話の場合、 米澤邦頼 090−3501−7278
  メールの場合 きむらけん aoisigunal@hotmail.com FAX3718-6498

■ 編集後記
▲メール版試みに「PDF」を添付してみました。
▲年末に「創立十周年を祝う忘年会」を12月6日、5時半から北沢タウンホール、スカイサロン12階で開く。この際、Los Companeros四名のラテンバンドが協賛出演が決定した。会を華やかに盛り上げてくれることだろう。この日午後一時から研究大会をとの話もある。個別が自分の分野を語る。数名発表者がいればできる。が、研究大会を行うのであればこれを積極的に行ってくれる人がいないと難しい。やってもいいという人がいれば応援する。司会、進行は任せる。また、本番のパーティの運営なもできれば加勢してほしい。企画、進行、司会なども積極的に手伝っていただけると有り難い。今回はダイダラボッチ音頭の発表、これまでの歩みを写真を使ってプロジェクターに映したい。これは山本裕さんにお願いしてある。その他の企画もありうることだ。提案してほしい。
▲「都市物語を歩く」は百回を越える。来年も、ナビゲーターを皆さんにお願いしたい。二月は原敏彦さん、三、四月頃は別宮通孝さんにお願いしてある。ここだったら案内できるというコースがあればぜひ申し出てほしい。
▲「下北沢文士町文化地図」第六版は、世田谷区地域の絆の助成を得ていることからこれを発行する。表面右側に古い写真を載せようと考えている。協力してもらえないか?。
▲戦後に活躍した代沢小「みどり楽団」のことを調べている。この歴史は戦前、戦中、戦後の秘められた音楽文化史を明かすものとなる。資料、あるいは証言など集めている。情報は当方へ。◎当会への連絡、お問い合わせは、編集、発行者のきむらけんへ aoisigunal@hotmail.com
会報のメール配信もしている。「北沢川文化遺産保存の会」は、年会費千二百円、入会金なし。会員へは会報を郵送している。事務局の世田谷「邪宗門」で入会を受け付けている。

rail777 at 00:00│Comments(0)││学術&芸術 | 都市文化

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