2014年10月11日
下北沢X物語(2661)〜」発足十周年「北沢川文化遺産保存の会」３〜
（一）
下北沢文士町の調べが、偶然に近代戦争史の一ページを開いた。当時の、記憶と記録とが、現地長野にはなくこの世田谷に眠っていた。これらが歴史事実を明らかにした。
戦時中、松本淺間温泉には、世田谷から七校の学童がここに疎開して学寮生活を送っていた。約３０００名である。まず記録だ。親と離れ離れになった学童は手紙を、日記を書いて心を慰めた。それが残った。つぎに記憶だ、昭和十九年八月から翌昭和二十年三月までのここでの体験や経験である。
淺間温泉は、陸軍松本飛行場と結び付いていた。新鋭機開発の研究員、武官、飛来して来た戦闘機の乗り組み員が多く滞在していた。まずお風呂で一緒になる。仲良くなったところでお楽しみ会に呼ぶ、ここに彼らは参加して学童児童らと交流を深めた。
特に二十年二月三月は、多くの特攻隊がこの温泉に滞在していた。各校のＯＢに渡りをつけて調べに調べた。その結果、七校のうち五校の学童が彼ら隊員とかなり親しく接していた。彼らの所持していた記録類、証言から多くの事実を知った。
ここで敢えて述べておきたいことがある。かつての疎開学童は高齢化している。事実を聞こうにも聞けなくなっている。それと記録の散逸だ。
疎開生活を多くの子が克明に綴っている。それは貴重な記録である。が、亡くなるとこれはゴミとして捨てられる。それらを丹念に調べると思いがけないことが分かってくる。
例えば、こういう例があった。東京第一師範国民学校は下馬にあった。飛行機好きの疎開学童の一人大槻統さんが飛来記録をとっていた。キ６７である。いわゆる四式重爆撃機 「飛龍」といわれている。この機が頻度高く数多く飛来してきたことは松本中学のＯＢからも聴き取って知っている。
この当時、キ６７は、陸軍海軍共同で沖縄に向けて攻撃をしていた。基地は宮崎の赤江にああって、ここからの出撃記録が残っている。どうもこれが符合する。
重爆は、一つは、山岳飛行場への退避である、そして修理、また搭乗員の休養もあった。
（二）
疎開学童から聴き知ったことは、戦争末期においては松本飛行場は最重要な航空基地であったことだ。新鋭機から中古機、ほとんどの機種がここで目撃されている。
特には、沖縄特攻作戦での後方基地であったことは、間違いない。疎開学童からの聞き取りや資料調査で具体的な隊名まで明らかになった。が、それでも解けないなぞがある。
世田谷山崎国民学校の疎開学童と接した特攻隊だ。この学校は小柳の湯に疎開していた。それで便宜的に、小柳の湯隊と自分では言っている。
彼らは満州から飛来してきて九州新田原へ行った。が、特攻出撃するはずだったがしなかった。その事実を確かめようと、この春に宮崎に行った。特攻出撃を阻止するために敵艦載機が多く、ここへ来ている。機体が破損したことで出撃を断念し、原隊の満州へ帰ったのではないかと思われる。
（三）
満州、松本、新田原という径路、ルートには謎がある。満州から飛来した武剋隊、武揚隊の乗機は九九式襲撃機である。この機種が大陸には多く温存されていたようだ。三菱重工製である。松本に来た理由は、三菱が空襲を避けて当地に工場を疎開させていた。改修、整備ができたことが松本飛来の理由だと考えられる。
山崎国民学校の学童が接した特攻隊の乗機も同じだったと思われる。それで松本にわざわざ飛来してきた。整備をし、爆装改修をして飛び立って新田原には行った。昭和二十年四月初旬だ。このときに当地には第八飛行師団指揮下の誠隊が集結していた。
小柳の湯隊も、この一隊だろうと推測はしている。が、全貌はわからない。
〇番外街歩き
本日、１０月１１日（土） 午後一時 溝の口駅改札前集合
津田山高射砲陣地、久地分水など ナビゲーター 別宮通孝さん
無事に終了した。
疎開学童から聴き知ったことは、戦争末期においては松本飛行場は最重要な航空基地であったことだ。新鋭機から中古機、ほとんどの機種がここで目撃されている。
特には、沖縄特攻作戦での後方基地であったことは、間違いない。疎開学童からの聞き取りや資料調査で具体的な隊名まで明らかになった。が、それでも解けないなぞがある。
世田谷山崎国民学校の疎開学童と接した特攻隊だ。この学校は小柳の湯に疎開していた。それで便宜的に、小柳の湯隊と自分では言っている。
彼らは満州から飛来してきて九州新田原へ行った。が、特攻出撃するはずだったがしなかった。その事実を確かめようと、この春に宮崎に行った。特攻出撃を阻止するために敵艦載機が多く、ここへ来ている。機体が破損したことで出撃を断念し、原隊の満州へ帰ったのではないかと思われる。
（三）
満州、松本、新田原という径路、ルートには謎がある。満州から飛来した武剋隊、武揚隊の乗機は九九式襲撃機である。この機種が大陸には多く温存されていたようだ。三菱重工製である。松本に来た理由は、三菱が空襲を避けて当地に工場を疎開させていた。改修、整備ができたことが松本飛来の理由だと考えられる。
山崎国民学校の学童が接した特攻隊の乗機も同じだったと思われる。それで松本にわざわざ飛来してきた。整備をし、爆装改修をして飛び立って新田原には行った。昭和二十年四月初旬だ。このときに当地には第八飛行師団指揮下の誠隊が集結していた。
小柳の湯隊も、この一隊だろうと推測はしている。が、全貌はわからない。
〇番外街歩き
本日、１０月１１日（土） 午後一時 溝の口駅改札前集合
津田山高射砲陣地、久地分水など ナビゲーター 別宮通孝さん
無事に終了した。
