2014年10月17日
下北沢X物語(2665)〜戦後七十年紀要第４号構想〜
（一）
寄せられる近代戦争史の新しい情報をどのように記録に残すのか。問われている。最新刊「あとがき」では呼びかけをしている。
戦争経験者の高齢化によって往時の記憶が消えつつある。これとともに危惧されるの資料の散逸である。
人から人へ辿ることで資料が発見された。せたがや平和資料室資料、今野軍曹関係手紙資料、出戸軍曹関係資料、鹿子木幹雄日記、武揚隊和綴じ帳などである。このことから容易に想像ができるのはまだ他にも手紙、写真、日記などが眠っているだろうということだ。これらが世に出ることによって歴史は明らかになる。今後、この点を期待したい。
疎開学童に端を発した調べは不明だった戦争近代の歴史の一端を紐解いた。昭和二十年の航空作戦において陸軍松本飛行場は最重要な基地として機能していた。勤労動員された当時の中学生の証言から得られたのはこれを裏付けるものだった。しかし、新しいことが分かれば謎も増える。未解明の問題への一つの問い掛けをしていた。
これに応じてこられた方がいた。一昨日、家に電話があった。
「第四作に取り組まれておられるのではないかと…」
最新作、『忘れられた特攻隊』を読まれた方からの連絡である。
「私も飛行場の側に住んでいました。神林国民学校です…」
地元の人は神林飛行場と呼んでいた。松本陸軍飛行場のことである。ここで起こったことを至近距離で目撃したり、また、実像を持った航空兵と接触されたりされた方である。新たなる情報の提供である。
「全体としてあれほど多くの特攻隊がいたということは知りませんでした…」
一連の著作を読まれての感想だ。
「松中のＯＢからの聞き取りで神林の飛行場の開港のことが書いてありましたね、あれは十九年の秋のこととして書いてありましたが…」
勤労動員に行っていた人から聞いた話を今回の著作では記録していた。
「開港はもっと早かったのですよ」
私達はそのとき飛行場に行って目撃しましたから…。
詳しく聞いてみないと分からない、が、この開港はもっと早かったと言われる。とたんに練習機がきて訓練が始まったと言われる。その具体的な教官名まで覚えておられる。
（二）
信州から飛び立った特攻機のことは、ひたむきに調べて三冊に書き上げた。
「広丘郷原で起こったことは書かれていません、家に特攻兵が泊まっていました…」
今夏、広丘に行ったとき、一人の人が面会を申し込まれてきてその情報をもたらした。自爆特攻が日をおいて出ていった様を語っておられた。他にも覚えている人がいないか調べておいてほしいと伝えてはいた。
書籍を出して発信すると、情報が返ってくる。これをどうフォローしていくか。
私が行っているのは一つの調査報道である。とくに本に関しては、市場原理でしか成り立ちにくいという点がある。売れないと次のは出ない。調査で新たに分かったり、また、情報が寄せられたりしたことをどうするのか。
考えられる方向は二つある。一つは市場原理の中でさばけるものを作っていく。この場合、これまでの手法では難しい。できるとすれば事実をもとにした物語を書くことだ。
戦争時代を通して学童音楽部隊が技量を保ち、これが戦後に開花して華やかなデビューを飾った、それは不夜城「アニー・パイル劇場」でのことである。ここでの三日間続けての公演はドラマである。まさに物語となるものだ。戦争に関わる音楽文化史の一ページとして記録しておかなくてはならないと思う。「学童バンド部隊物語」である。
（三）
方向が二つあると言った。もう一つの方向である。新しく寄せられた情報、これは当人から取材することにしている。記録としても重要なものだろう。これをどうするか？何らかの形で残す必要がある。しかし、本としては成り立ちにくい。
どうするかと考えたときに、紀要があると思った。
今、現在、紀要第三号をまとめている。「代田小路の微傾斜文学論」である。間もなく完成する。これまで文学碑を四つ建ててきた。その建立の経緯を記した論集である。
来月１１月２９日に除幕式を行う。我らが提唱してきた『北沢川文学の小路』に文学碑をという提案は、これによって実現する。来年文学碑を建てる予定はない。
が、来年は、戦後七十年という大きな節目となる。紀要第四号『歴史証言：神林飛行場について』というようなまとめができるのではないかと思った。
紀要、二号、三号は区の地域の絆予算でまかなってきた。四号ではそうはいかない。岩波のブックレットのような簡易的な冊子にしての販売などができるといい。
これまでの紀要は、地域をテーマとしてきた。が、こうなると文化発掘は、全国に広がってくる。地域から全国へ、十年以降の一つの方向かもしれない。
〇お知らせ 今後の予定
・１０月１８日（土） 第９９回街歩き 京王線の踏切を歩く 代田橋駅１３時
・１１月３日（月）祝日 文化の日 地図配り 安吾文学碑前
晴天の場合、 達治の碑への寄付を募る １０：００〜１５：００
・１１月１５日（土）街歩き１００回記念 駒沢線を歩く 洗足池１２：００
・１１月２９日（土）三好達治文学顕彰碑除幕式１５時（予定）
場所：北沢川緑道 鎌倉橋たもと
代沢小の学童が三好達治の詩を朗読してくれる。
撮影班募集、ユーチューブにアップする予定、事前に参加者に断る。
・１２月６日（土）創立十周年祝賀会 午後五時半、タウンホール上、スカイホールで
１７：３０分より
ラテンバンド Los Companeros四名編成出演。 ダイダラボッチ音頭披露
淺間温泉望郷歌披露、郷福寺学寮歌ビデオ披露など今回のみ参加費３５００円
信州から飛び立った特攻機のことは、ひたむきに調べて三冊に書き上げた。
「広丘郷原で起こったことは書かれていません、家に特攻兵が泊まっていました…」
今夏、広丘に行ったとき、一人の人が面会を申し込まれてきてその情報をもたらした。自爆特攻が日をおいて出ていった様を語っておられた。他にも覚えている人がいないか調べておいてほしいと伝えてはいた。
書籍を出して発信すると、情報が返ってくる。これをどうフォローしていくか。
私が行っているのは一つの調査報道である。とくに本に関しては、市場原理でしか成り立ちにくいという点がある。売れないと次のは出ない。調査で新たに分かったり、また、情報が寄せられたりしたことをどうするのか。
考えられる方向は二つある。一つは市場原理の中でさばけるものを作っていく。この場合、これまでの手法では難しい。できるとすれば事実をもとにした物語を書くことだ。
戦争時代を通して学童音楽部隊が技量を保ち、これが戦後に開花して華やかなデビューを飾った、それは不夜城「アニー・パイル劇場」でのことである。ここでの三日間続けての公演はドラマである。まさに物語となるものだ。戦争に関わる音楽文化史の一ページとして記録しておかなくてはならないと思う。「学童バンド部隊物語」である。
（三）
方向が二つあると言った。もう一つの方向である。新しく寄せられた情報、これは当人から取材することにしている。記録としても重要なものだろう。これをどうするか？何らかの形で残す必要がある。しかし、本としては成り立ちにくい。
どうするかと考えたときに、紀要があると思った。
今、現在、紀要第三号をまとめている。「代田小路の微傾斜文学論」である。間もなく完成する。これまで文学碑を四つ建ててきた。その建立の経緯を記した論集である。
来月１１月２９日に除幕式を行う。我らが提唱してきた『北沢川文学の小路』に文学碑をという提案は、これによって実現する。来年文学碑を建てる予定はない。
が、来年は、戦後七十年という大きな節目となる。紀要第四号『歴史証言：神林飛行場について』というようなまとめができるのではないかと思った。
紀要、二号、三号は区の地域の絆予算でまかなってきた。四号ではそうはいかない。岩波のブックレットのような簡易的な冊子にしての販売などができるといい。
これまでの紀要は、地域をテーマとしてきた。が、こうなると文化発掘は、全国に広がってくる。地域から全国へ、十年以降の一つの方向かもしれない。
〇お知らせ 今後の予定
・１０月１８日（土） 第９９回街歩き 京王線の踏切を歩く 代田橋駅１３時
・１１月３日（月）祝日 文化の日 地図配り 安吾文学碑前
晴天の場合、 達治の碑への寄付を募る １０：００〜１５：００
・１１月１５日（土）街歩き１００回記念 駒沢線を歩く 洗足池１２：００
・１１月２９日（土）三好達治文学顕彰碑除幕式１５時（予定）
場所：北沢川緑道 鎌倉橋たもと
代沢小の学童が三好達治の詩を朗読してくれる。
撮影班募集、ユーチューブにアップする予定、事前に参加者に断る。
・１２月６日（土）創立十周年祝賀会 午後五時半、タウンホール上、スカイホールで
１７：３０分より
ラテンバンド Los Companeros四名編成出演。 ダイダラボッチ音頭披露
淺間温泉望郷歌披露、郷福寺学寮歌ビデオ披露など今回のみ参加費３５００円
