2016年12月07日
下北沢Ｘ物語(3173）〜歌おう、踊ろう「ダイダラボッチ音頭」�掘�
（一）ダイダラボッチは不思議だ、まずその奇妙な音韻だ、他の日本語に類例をみない。これをつなげただけで不思議な調子がかもされる。今回初めてのダイダラボッチ音頭の披露であった、気づいたことはこれを踊ると朗らかになり、元気になるということだ。踊っている写真を見ると皆笑顔で笑っている。普通の音頭ではこうはいかない。なぜだろうか、とくには互いの仕草を見て笑っている。歌詞にでてくる「筑波嶺にダイダラボッチのふんどしがひらひらしている」ではこれが想起されるのだろうか、やや黄ばんだそれにダイダラボッチボッチの人間性を感じてつい微笑んでしまうのかもしれない。
ダイダラボッチには人をおかしみに誘う魅力がある。彼は孤高的でやさしいとされる。民話では、「男体山と浅間山の頂に、棹をかけて、大きなもめんの着物で北風をふせいでいる」（『改訂版世田谷の民話』とされる。その作業は単独だ。ダイダラボッチは寂しい。
「ダイダラボッチの春」という歌曲がある。合唱コンクールでも歌われる。
だいだらぼっち だらぼっち だいだらぼっち だらぼっち
一人ぼっちで どこにいる
出てこ〜い 出てこ〜い 出てこ〜い
出てこ〜い 出てこ〜い 出てこ〜い
この歌、ダイダラボッチの音から入っていく、作詞者は心得ている、これを繰り返すと不思議な力が湧いてくることを。奇妙な音空間が創られ、人を引込んでいく。ダイダラボッチの音韻の魅力である。ここにこそ祖先がこの語を創作した秘密がある。
そしてまたダイダラボッチは独り者である。かわいそうでなんとかしてやりたい。ところが、彼は恥ずかしがり屋。人が叫んでもでてこない。歌物語はそうである。が、世田谷代田、ダイダラボッチ伝説は複数説である。
（二）
「わしは京王線の代田橋で降りてダイダラボッチ跡に向かった。あれは堀之内道だな、その右手に長さ百間もあろうかという窪みがあった、これぞダイダラボッチの跡だと思ったな、きびすのあたりに弁天様が祀ってあった…ここを見た後、駒沢のダイダラボッチを見に行った、すると世田谷代田とは足の向きが違うんだ、それでこの東京にはダイダラボッチが一人だけいるのではなくて複数いると知ったんだね、この東京の空を縦横に歩いていった巨人たちがいた、それが『巨人来往の衝』だな、あっちでずしん、こっちでどかんと音がしていた…」
柳田国男の話だ。
彼ら巨人同士が行き交うときは、すれ違った時挨拶をかわしたのだろうか。
「やっ」とか、「おっ」とかの声を上げて行き会った。ときに話もしたろう。
「こないだよ、ちょっと力をもてあましていたんでふじずるで富士山を縛り付けて背負っていこうとしたらふじづる切れてしまって、もうあのままよ…」
相模のダイダラボッチ伝説だ。
近隣では横浜港南区のダイダラボッチ伝説がある。でいだらぼっちが馬に驚いて拍子を崩したとたんに指を土の中めりこまらせたところそこに窪田ができた、それを「飛田」という。地域地域によってダイダラボッチ伝説はことなってくる。
（三）
柳田国男は言う、「東京市は我が日本の巨人伝説の一箇の中心地」だと、その中心地が世田谷代田に他ならない。土地の伝説として後々に受け継いでほしい。
ダイダラボッチ跡の南手はかつての守山小学校だ。今は下北沢小学校として使われている。先だって三年担当の先生から年度末の学芸会で「ダイダラボッチ」を披露したいとの連絡があった。地元固有の文化を子供達が演じて見せることは素晴しい。それで当方が作成した台本などを送った。その後どうなったかは聞いていない。
こちらはダイダラボッチ音頭を普及させていこうと思う、そういうわけで学校の進行状況はどうかと、下北沢小学校の寺内先生に、今日問い合わせのメールを出したことだ。
（写真は、三十尾生彦さんが撮った写真である。みんな生き生きしている）
「わしは京王線の代田橋で降りてダイダラボッチ跡に向かった。あれは堀之内道だな、その右手に長さ百間もあろうかという窪みがあった、これぞダイダラボッチの跡だと思ったな、きびすのあたりに弁天様が祀ってあった…ここを見た後、駒沢のダイダラボッチを見に行った、すると世田谷代田とは足の向きが違うんだ、それでこの東京にはダイダラボッチが一人だけいるのではなくて複数いると知ったんだね、この東京の空を縦横に歩いていった巨人たちがいた、それが『巨人来往の衝』だな、あっちでずしん、こっちでどかんと音がしていた…」
柳田国男の話だ。
彼ら巨人同士が行き交うときは、すれ違った時挨拶をかわしたのだろうか。
「やっ」とか、「おっ」とかの声を上げて行き会った。ときに話もしたろう。
「こないだよ、ちょっと力をもてあましていたんでふじずるで富士山を縛り付けて背負っていこうとしたらふじづる切れてしまって、もうあのままよ…」
相模のダイダラボッチ伝説だ。
近隣では横浜港南区のダイダラボッチ伝説がある。でいだらぼっちが馬に驚いて拍子を崩したとたんに指を土の中めりこまらせたところそこに窪田ができた、それを「飛田」という。地域地域によってダイダラボッチ伝説はことなってくる。
（三）
柳田国男は言う、「東京市は我が日本の巨人伝説の一箇の中心地」だと、その中心地が世田谷代田に他ならない。土地の伝説として後々に受け継いでほしい。
ダイダラボッチ跡の南手はかつての守山小学校だ。今は下北沢小学校として使われている。先だって三年担当の先生から年度末の学芸会で「ダイダラボッチ」を披露したいとの連絡があった。地元固有の文化を子供達が演じて見せることは素晴しい。それで当方が作成した台本などを送った。その後どうなったかは聞いていない。
こちらはダイダラボッチ音頭を普及させていこうと思う、そういうわけで学校の進行状況はどうかと、下北沢小学校の寺内先生に、今日問い合わせのメールを出したことだ。
（写真は、三十尾生彦さんが撮った写真である。みんな生き生きしている）
