2019年01月30日
下北沢Ｘ物語(3692)−第5回研究大会：世田谷代田の歴史と文化−
（一）北沢川文化遺産保存の会は研究大会を開催してきた。今年は５回目となる。世田谷区の後援申請も許可が降りて公に大会が宣伝できることになった。当初は細々とした出発だったが地元でも認知されてきた。参加数も増え、また発表内容も質が高まってきた。今回のタイトルは「世田谷代田の歴史と文化」をテーマとする。来年度、世田谷代田は脚光を浴びる。２０２０年春に駅前広場が完成する。ここには代田の語源となったダイダラボッチの足跡がモザイク模様で描かれる。地元ではこれを記念するセレモニーを開く。我らも準備委員に加わり協力している。今回の研究会は駅前広場オープン行事のプレイベントとして開くことにしている。
世田谷代田は古い町である。ここにはかつて南北を貫く堀之内道があった。この通り沿いに中原商店街があって賑わいをみせていた。古い人の話では下北沢の町に行くときは割烹着姿で行ったが、中原へはおめかしして行ったというほどだ。しかし、この通りを新しい道路が突き抜ける形で作られた。東京オリンピック開催に備えて建設された環状７号線である。これによって商店街はほとんど無くなってしまった。
昭和８(1933)年に詩人の萩原朔太郎は下北沢から世田谷代田に引っ越してくる。居住地を選ぶに当たってのいきさつを彼の娘葉子はこう書いている。「世田谷中原（現在は世田谷代田）を探した。そして中原のほうに、駅から七分小高い所に竹藪の空き地を見つけ、一五○坪借りたのだった。中原は屋敷町で静かな環境に恵まれていた」（「父・萩原朔太郎」筑摩書房 昭和３４年）
中原商店街は通りの裏手にあるお屋敷の住民をお得意さんとしていた。ついこの間まであった和菓子「香風」の親父さんは、お屋敷に古くから住んでいた人が亡くなると、ごそっと需要が減ると話しておられた。
世田谷代田駅には数百メートルだが環七から取り残された通りが残っている。菓子店はそこにあった。近隣では俳句の結社があってそこに菓子を届けていた。お屋敷の和菓子好きのご主人が亡くなり、著名な俳人もいなくなり、とうとう菓子店は店を閉じた。評判の『香風最中』を売っていたが。
（二）
２０２０年度に地下化された小田急線の跡地の施設が完成する。これによって大きな変化が生じる。駅の北と南には中原商店街残存区間がある。縦軸だ、今度小田急線跡地は下北沢から繋がる遊歩道ができる。小田急の計画ではここにモールみたいな店もできるようだ。遊歩道は横軸だ。古道と新道がクロスするのが世田谷代田駅となる。そのクロス地点にダイダラボッチ広場ができる。ここに町の再生の可能性が出て来た。
先だって２６日に開駅記念準備会が開かれた。次の点を報告した。
第５回北沢川文化遺産保存の会 研究大会
テーマ 世田谷代田の歴史と文化を語る
世田谷代田駅前広場開場記念行事（プレイベント）
日時 ２０１９年７月２７日（土） １０時３０分より（予定）
場所 梅丘パークホール
当初は当日午後からの開催を予定していた。が、三土代会の重鎮柳下隆さんが話してくださるとのことで計画を変更し、午前から始めここで柳下さんに研究会全体のテーマである「世田谷代田の歴史と文化」について講演して戴くことにした。
午後の各論の発表についてはとりあえず希望としての論題を挙げただけだ。
研究会を開催してきて分かってきたことはやはり熟年は過去のことを語る。昨年、第４回では大学のゼミ生や院生の発表があった。若い人は必ず未来を語る。その点は大事だ。
それで「世田谷代田のこれからと未来」をテーマに入れた。これに対しては積極的にやってくださる方が現れた。世田谷代田駅前の代田吹上館館長、二子玉川エリアマネジメントアドバイザーの谷亀�冢困気鵑澄Ｈ爐眄づ鎮�代田のことは詳しい。彼と共感したことはダイダラボッチができた後のフォローだ。セレモニーが終わって終わりというのではなくこれが始まりだということだ。
「以前に世田谷代田駅お別れ会が開かれました。地元の人が大勢参加されて盛会だったと思います。しかし、今度のセレモニーは地域を超える発信となるように思います。ダイダラボッチ伝説は全国にあります。口伝えで伝えられてきたダイダラボッチ、つまり無形だったものが有形化するわけで全国向けの発信となると思います……」
私は会で言ったことだ。
大事なことは伝承だ。ダイダラボッチが有形化する、それを意義づけたり、価値づけたりする、継続的な活動が必要だ、谷亀さんはそのことを言っている。
（三）
「世田谷代田駅のそばに東京農大のサテライトキャンパスができるとのこと、先方でも地元ととの交流を深めたいとのことを間接的に伺っています。できれば夏の研究会に一齣開けておきますので先生、あるいは学生に世田谷代田に関わる発表をしてもらいたいのです」
当日参加されていた小田急電鉄開発推進部課長の橋本祟さんにお願いした。
「悪い話しではないと思います。先方に伝えます」
との回答だ、どのような建物ができるのか分からない。地域との交流を考えているようだ。今年四月にはオープンするとのことだ。
２０２０年度に地下化された小田急線の跡地の施設が完成する。これによって大きな変化が生じる。駅の北と南には中原商店街残存区間がある。縦軸だ、今度小田急線跡地は下北沢から繋がる遊歩道ができる。小田急の計画ではここにモールみたいな店もできるようだ。遊歩道は横軸だ。古道と新道がクロスするのが世田谷代田駅となる。そのクロス地点にダイダラボッチ広場ができる。ここに町の再生の可能性が出て来た。
先だって２６日に開駅記念準備会が開かれた。次の点を報告した。
第５回北沢川文化遺産保存の会 研究大会
テーマ 世田谷代田の歴史と文化を語る
世田谷代田駅前広場開場記念行事（プレイベント）
日時 ２０１９年７月２７日（土） １０時３０分より（予定）
場所 梅丘パークホール
当初は当日午後からの開催を予定していた。が、三土代会の重鎮柳下隆さんが話してくださるとのことで計画を変更し、午前から始めここで柳下さんに研究会全体のテーマである「世田谷代田の歴史と文化」について講演して戴くことにした。
午後の各論の発表についてはとりあえず希望としての論題を挙げただけだ。
研究会を開催してきて分かってきたことはやはり熟年は過去のことを語る。昨年、第４回では大学のゼミ生や院生の発表があった。若い人は必ず未来を語る。その点は大事だ。
それで「世田谷代田のこれからと未来」をテーマに入れた。これに対しては積極的にやってくださる方が現れた。世田谷代田駅前の代田吹上館館長、二子玉川エリアマネジメントアドバイザーの谷亀�冢困気鵑澄Ｈ爐眄づ鎮�代田のことは詳しい。彼と共感したことはダイダラボッチができた後のフォローだ。セレモニーが終わって終わりというのではなくこれが始まりだということだ。
「以前に世田谷代田駅お別れ会が開かれました。地元の人が大勢参加されて盛会だったと思います。しかし、今度のセレモニーは地域を超える発信となるように思います。ダイダラボッチ伝説は全国にあります。口伝えで伝えられてきたダイダラボッチ、つまり無形だったものが有形化するわけで全国向けの発信となると思います……」
私は会で言ったことだ。
大事なことは伝承だ。ダイダラボッチが有形化する、それを意義づけたり、価値づけたりする、継続的な活動が必要だ、谷亀さんはそのことを言っている。
（三）
「世田谷代田駅のそばに東京農大のサテライトキャンパスができるとのこと、先方でも地元ととの交流を深めたいとのことを間接的に伺っています。できれば夏の研究会に一齣開けておきますので先生、あるいは学生に世田谷代田に関わる発表をしてもらいたいのです」
当日参加されていた小田急電鉄開発推進部課長の橋本祟さんにお願いした。
「悪い話しではないと思います。先方に伝えます」
との回答だ、どのような建物ができるのか分からない。地域との交流を考えているようだ。今年四月にはオープンするとのことだ。
