2022年03月12日
下北沢Ｘ物語（4444）―世界が見ているという言葉の武器―
（一）武器は強力だ、有無を言わさずに人々蹴散らす、一方、言葉は無力だ。戦争反対といくら叫ぼうともこれへの反応はあまりない。ところが今回のロシアによるウクライナ侵攻は様相が違う。戦争当事国は、嘘八百を並べ立てて自己を正当化する。これが強引だ、「ロシア狸さん尻尾が出ているのが丸見えだよ」と言っても構わずに恐喝する。原子炉はテロリストの巣窟になったから、病院も過激派によって占拠されたから砲撃したとのたまう。ただ現実には市民が撮った写真、マンションが真っ二つに避けた様子、産科病院の保育器が散乱した様子など、市民施設を容赦なくロシア側が砲撃している様がSNSなどで映し出される。戦争当事国はこれを見せないようにしているが我々はふんだんに見ている。今はネット時代だ、事件が進行している有様がつぶさに写し出される。「世界が見ている」という言葉は大きな力を集めつつある。ここに一縷の希望を我らはいま見出している。
ウクライナの侵攻を関わってプーチンは度々核に言及している。「ロシアは核保有国の一つだ」また「現在のロシアは世界最強の核大国の一つ」と述べ、ロシアを攻撃する者は「壊滅され、悲惨な結果となるだろう」と平然と核使用をほのめかしている。
核の使用をほのめかしてウクライナへの外国勢力の参戦を封じている。想定されているのは戦術核だ、短距離の小さい核弾頭を使って威嚇するものだ。それでもヒロシマ型ぐらいはある。被害範囲が狭まるとはいえ一旦使用したら被害が出る。放射能に汚染されてその土地が使えなくなる、が、ロシアはそれを狙っている節がある。
核の使用は危ない。これが引き金になって核の打ち合いになると地球は滅亡してしまう恐れがある。しかし、これまでは核使用はタブーであったが、ロシアは大っぴらにこれの使用をほのめかすようになった。
（二）
ロシアのウクライナ侵攻を機に日本でも核の問題が持ち上がっている。
安部元首相は、「アメリカの核を日本に配備して共同で運用する政策」を提言している。
また、維新は、「非核三原則や“核共有”緊急事態を想定した議論すべき」と主張しはじめている。
ウクライナ情勢に端を発して、日本でも核を持つべきだという主張が露骨に出てくるようになった。目には目を、歯には歯をという方法手段が核である。
我らは被爆国である、広島、長崎での被害は悲惨極まりない、核はとんでもない兵器である。さらにいえば福島では原発の苛酷事故を起こした。安全神話を築き上げた中で起こった悲劇である。
核を所持すれば相手も狙う。たった一発で大都市が壊滅的な被害を受ける。十数万の、いや場合によっては百万人もの人が死ぬ。核は恐ろしい破壊力を持っている。使ってはならぬ禁じ手の兵器である。
国連では、「核兵器禁止条約」が批准され既に2021年1月22日に発効している。
これの冒頭条である。
第1条 禁止 - 締約国による核兵器や核起爆装置の開発・実験・生産・製造・取得・専有・貯蔵の禁止
ところが核被爆国である日本はこれを批准していない。アメリカの核の傘に入っているからである。被爆都市広島、長崎はこれの批准を国に強く求めている。
（三）
現今はネット時代だ、個人がスマホを持ち、起こった事件は即座に世界に広まる。
ロシアは市民には被害を及ぼさないと言っているが、SNSで即座にアップされる動画などっではそれが嘘であることがたちどころに明らかになる。
今は、「世界が見ている」、「見張っている」、これは新しい力の台頭だ。悪事が市民の手によって暴かれる。当事国のロシアは報道管制を敷きネットが見られないようにしている。「世界が見ている」という力の影響である。
ウクライナのゼレンスキー大統領は3月4日夜、インスタグラムに動画を投稿し、「私はここで仕事をしている。誰も国外脱出などしていない」と述べた、と伝えている。
武器で、核で脅しても、「わたしはここにいる」という言葉は世界に人々に深い共感を与えた。言葉が無力化する中で言葉に希望が生まれてきた。
「私は核を持たない、丸腰の私を撃つなら撃ってみよ」
言葉の力の再来を願うものである。（写真はテレビ放送の借用）
ロシアのウクライナ侵攻を機に日本でも核の問題が持ち上がっている。
安部元首相は、「アメリカの核を日本に配備して共同で運用する政策」を提言している。
また、維新は、「非核三原則や“核共有”緊急事態を想定した議論すべき」と主張しはじめている。
ウクライナ情勢に端を発して、日本でも核を持つべきだという主張が露骨に出てくるようになった。目には目を、歯には歯をという方法手段が核である。
我らは被爆国である、広島、長崎での被害は悲惨極まりない、核はとんでもない兵器である。さらにいえば福島では原発の苛酷事故を起こした。安全神話を築き上げた中で起こった悲劇である。
核を所持すれば相手も狙う。たった一発で大都市が壊滅的な被害を受ける。十数万の、いや場合によっては百万人もの人が死ぬ。核は恐ろしい破壊力を持っている。使ってはならぬ禁じ手の兵器である。
国連では、「核兵器禁止条約」が批准され既に2021年1月22日に発効している。
これの冒頭条である。
第1条 禁止 - 締約国による核兵器や核起爆装置の開発・実験・生産・製造・取得・専有・貯蔵の禁止
ところが核被爆国である日本はこれを批准していない。アメリカの核の傘に入っているからである。被爆都市広島、長崎はこれの批准を国に強く求めている。
（三）
現今はネット時代だ、個人がスマホを持ち、起こった事件は即座に世界に広まる。
ロシアは市民には被害を及ぼさないと言っているが、SNSで即座にアップされる動画などっではそれが嘘であることがたちどころに明らかになる。
今は、「世界が見ている」、「見張っている」、これは新しい力の台頭だ。悪事が市民の手によって暴かれる。当事国のロシアは報道管制を敷きネットが見られないようにしている。「世界が見ている」という力の影響である。
ウクライナのゼレンスキー大統領は3月4日夜、インスタグラムに動画を投稿し、「私はここで仕事をしている。誰も国外脱出などしていない」と述べた、と伝えている。
武器で、核で脅しても、「わたしはここにいる」という言葉は世界に人々に深い共感を与えた。言葉が無力化する中で言葉に希望が生まれてきた。
「私は核を持たない、丸腰の私を撃つなら撃ってみよ」
言葉の力の再来を願うものである。（写真はテレビ放送の借用）
