2025年12月06日
下北沢X物語(5309)-やいと(灸)が効かなくなったニッポン-

(一)「新しい内閣になってつぎつぎに情報が入ってきますが、どれをとっても不安を増幅させるものばかりですね、全体にガバナンスが効いていない、どうなってしまったのか」観劇帰りの車中、梁田貴之さん、山本裕さん、広瀬サミーさんの四人とでの話だ、南北線は国家中枢の下をくぐりぬけていく。中国との軋轢、二原発の再稼働、降って湧いた議員定数削減、予備費での大盤振る舞い、早速に長期国債の金利が上昇、原子力潜水艦も視野に入れるという国防、武器輸出をどんどん認めるという方向など、枚挙に暇がない。一方干上がってきているのが国民、大きな問題は物価高、あれよあれよという間に物価が値上がりしていく。噴飯物は「お米券」の配布、そんな弥縫策を講じて何になる。まっこと疑問ばかり。それでも高市人気が高いという。訳がわからない。
あの大平洋戦争に日本は負けた。完膚なきまでにコテンパンにやられた。戦争経験を聴く会で海軍第14期予備学生7人の話を聞いた。皆学徒出陣組だ。
「確かにアメリカは物量では日本を凌ぐものがある、しかし、日本は精神力ではアメリカに数倍も勝る、だから戦争には勝つ」
一億国民は洗脳されていたと言える。
当時の新聞報道もプロパガンダに大きく加担した。思い出すのは、1944年10月27日の朝刊に躍った大活字だ、関行雄大尉らの特攻による戦果報道だ、「神鷲の忠烈万世に燦たり」は全国民を驚喜させた。我ら国民はこういう情緒的な扇動にはもっと弱い。「よし、やった、もっとやれ」となる。これに多くの青少年が深い感銘を受けた。「おれも特攻で死ぬ」、実際にそう思ったという人から私は話しを聞いた。
精神力で戦えばどうにかなる、一縷望みだったが、どうにもならなかった。
戦に負けて日本人は深い絶望を感じた。勝つと信じていた戦争に負けた。
(二)

国民は、とんでもなくでかいやいとを施された。
私は、会を立ち上げて活動をしてきた。恐ろしいことに気づくと21年間も続けてきた。
のめり込む質だ、古老をとっ捕まえては話しを聞いてきた。何人に聞いたかわからない。千人は聞いたろう、もしかして二千人ぐらいは聞いたかもしれない。
かつてごろごろいた古老からはいくらでも話しを聞けた。ほとんどが戦争体験者だ。嘘ではない、戦争を賛美する人は一人もいなかった。
「何があっても、どんなことがあっても、戦争だけはぜったいにするな」
これが彼らの遺言だ、それこそ何があってもこれは後世に伝えていかなくてはならぬ。
日本人は、大きなやいとを据えられた。
「いいか、竹槍がなくてもな、敵が上陸してきたら思いっきりキンタマを蹴り上げるんだ」
そういう戦法を伝授されもした。
戦争に負けて、国家体制が全体主義から民主主義に移行した。
「海軍ではみせしめ懲罰がありました。一人を血祭りに上げるのです、それで精神棒でめったうちにされるのです、誰にも止められません」
「上官に文句は言えないのです、意見を言えないのです。しかし、民主主義を習ったときショックを受けました。自分の考えが言えるのですね」
海軍の予備学生から聞いた話だ。
(三)
昨今の日本、やいとが利かなくなった。施策が恣意的だ、見通しがない。その場かぎりである。
「原発問題で、なぜ十万年の話しをしないか疑問です。原発から出る高レベル放射性廃棄物は、地層処分なりしてそれを保管しなければならないでしょう。これって絶対無理ですよね。押しつけられる未来の人々は、過去の人類を呪うでしょう。気の遠くなるような保管はどう考えても無理、それなのに原発に頼る、しかも日本は岩盤、地盤が安定しない、巨大地震の危険がありますね……」
防衛費の増額もどうかと思う。国民の福祉を削ってミサイルを買う。どうして長距離を飛ぶミサイルが必要か全く理解できない。
「国防の基盤は経済力だ」という、経済力に見合った国防を考えるべきだが、国防を優先して不必要なミサイルを買う。どうかしていると思う。
島国根性、日本は自国中心に考える。東アジアにいる日本が生きていくためには隣接国とどう接するかは大きな問題だが、ネトウヨは、神国日本、日本が偉いと自画自賛、気持ちが悪いほどだ、私達は今、批評性を失っている。流れに流されている。詐欺がはびこる、右翼もはびこる、政治家もだまそうとする。
混迷を深めるニッポン、一人一人が明日へどう一歩を踏み出すか今問われている。
(写真は梁田さんが撮ったもの)



















